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時折天井から記号が滴る

灰色の水槽の中には青白い都市が浮遊している

祭壇めいた台の上で
少年はくる日もくる日も
華奢な実験をくりかえす
時々淡いひとりごとを呟きながら

ほのかに ....
鍵穴から注がれる
細やかで執拗な視線に
いつまでも見つめられていたくて
わたしは部屋を出なかった
魅力的な、傾いたものへの憧れで
まとめて深い息をつく
……幼い頃、誤って内側から鍵を掛け
 ....
デニーズの半円形のテーブル席で
フローズンヨーグルトを飲みながら
通りを眺めてる と
フローズンは溶けて
ヨーグルトになった
すこぶる健康な昼
着信があったよ
シンガポール ....
ぼくの隣でいつも輝いていた。
太陽はいつだって笑っていた。
雨の日も風の日も雪の日だって。
ガス管をくわえたあの日だって。
太陽は白く笑っていた。

太陽はいつだって輝いていた。
ぽかぽ ....
風になり、花になり
ずっとそばで―――

今日は街に雪が積もって
めったにないことだとニュースでも騒いでいました
わたしはそのことが少しばかり怖くて
あなたの手を握ったのです
やわらかく ....
一秒ごとに
とどまる
時間が
抜殻として
輪郭を残し
なだらかに
連なる

呼吸と
思考
いくつかは保たれ
いくつかは置かれたまま

ふりむけば
うすい
半透明の
殻が ....
 ときどきわたしは きみのけいこくをわすれてしまっては
傷を縫った糸を食いちぎられる思いをする
 ときどききみは わたしのおもいなくときにあらわれて
たどたどしくやわらかく、レクチャーをして ....
すべてを打ち明けたら
すべてが壊れる気がしたから
おお、すべて見えていない{ルビ徴=しるし}に
思い出の風 舞い散る

ウインストンのあこがれが
ふたりの、足元にまきつく
最後に話した背 ....
雪のつもった日のバスは 
渋滞でみんな遅刻のはずなのに 
なぜかこころやさしい 

雪化粧の街を窓外に眺める 
人々をぎっしり乗せた
バスのなか 
ネクタイのよれたおじさんが 
あんパ ....
誰の胸の奥
こっそり巣食って
ほくそ笑む


(オイシイノダヨ
奥底のとろけた秘密
舐めたいのさ
なめらかな偽善)


封印された
マメ粒ほどのヤツは
青むらさきの
促進剤 ....
夢路誘うは十六夜に 
声なく花の散る姿
また立ち返る如月の 
思いは誰に告げるべき

黒髪{ルビ梳=けず}るいもうとの 
面影やどる花びらは
雪の衣も厭わずに
音もた ....
思ったよりも少なかったやかんの水を
勢いよく蒸気にかえたものだから
紅茶を煮出すにはとてもとても足りなくて

カンカンのやかんが
今朝の水の冷たさにひび割れないか
ビクビクしながら水を足す ....
冷たい雨に
震えるきみの
肩を抱いたのは
それもまた
雨でした

時に言葉は行き過ぎて
途方に暮れる長い夜
抗うこと諦めることを重ね
いくつの哀しみを覚えたの
その身を預け
降り ....
いちばん旧い校舎の
さらにその裏
もう誰も見に行くこともない百葉箱
そのそばに菫が咲いている と
君が云ったのが
はじまりだった

ふたりはそれからそこで
いくつかの秘密をかさねた
 ....
頭痛でも笑ってなごませている
乙女さを兼ね備えた剣
身を切るほど抱いていたい

かなしみ、こんにちは
すべてが、かこになる
おもいでを わらってもいい
すきとおる 君は翠


 ....
 愛おしいひとからの糸が垂れてくるのでそ
れをするすると引っぱっていると空がほどけ
てすっからかんの空になってしまい空の上の
ひとに「なにを考えているんだ」と怒ら ....
 玄関がうるさいので「うるさい!」と怒鳴
りつけると「ハウス!」と鳴いて犬が実家に
帰ったのでだから、ぼくはこの犬小屋でひと
りなのだけれどでもぼくは、さみしくな ....
冷たいカプセルの中に入って
胎児のポーズで丸くなる

深い空にのぼって ゆく
導かれて

見つめあったひとの顔を
ひとつずつ撫でて


片付くまでもう少し
あなたをのこし ....
  「オルガン」

オレンジみたいな涙を流すから
いつも泣かされてばかりいた
優しいね
キミは唇を頬に寄せて
流れる柑橘涙を上手に受け止める

夏の子供用プールはレモンの匂いがするね
 ....
 そっと
 手のなかで砕けてゆくものを
 花、と呼びます



透きとおる風に
聴きそびれた使いを
そのみちを

ためらいながらも、
懐かしむように
かばうように

 ....
つめたくてつめたくて、それでも、ひとりで
素直すぎる君 遠くからだけ旗を振ってる
近づけない

つなぎたいつなぎたい、ゆび、解かして
かさねあう心臓 くるしい
しんじられないまま、知らない ....
たくさんの淋しさは
胸の奥でそっと
優しさになる

それは
くわしく語らなくても
しみ渡ってゆくように思い
いつしかやわらかく
言葉のあやから
遠ざかる


おびえてし ....
遅く迎えた朝に
雲間から覗く空は
アイスブルーの明るさで
粉雪を落としていた
そのひとひらが
頬をすべり
手のひらにとける
捕らわれた夢から
抜け出せないままの体を
目覚めさす冷たさ ....
話すことがなくなったから
もう眠る
そんなふうに毎日を終える
行きたい場所がある
だから歩く
ボールペンを一本
手のひらにたて
倒れた先に歩いて
歩いては
四つ辻
また立て
倒れ ....
あたたかな雪が
時のうろこ 一片と供に
もう一度、もういちど、と
落ちてくる
あなたの冗談は
胸に入ってるカイロのようにふんわりして
窓の中 しゅんしゅん伝う蒸気が
寂しかった空洞に
 ....
お魚には痛覚がないのです。
ですから活け作りだからって、そんなにかわいそがらずに、たんとお召し上がりくださいね。
美人の女将は三つ指付いて微笑んで、そそくさと隣の座敷の流れに向かう。
風 ....
手袋の
こすれるすきまから
しろい空気を ふー、と
吐き出すと
それは
青い空にのぼってゆく 
きれいなけむりに 
よく 
似ている


それで
つむじは むずむずして
町も ....
おまえは
虚空に
なにを探す
道を失った子供の眸して
どこを見つめ
なにを思い
そして
誰を待つ

翼をたたんだコウモリの肘
切り取られた鶏の足、左手

咽せるとろみ茶
刻み ....
どんなに遠回りしても
一年は一年でしかなく
散る事を恐れて蒔かれなかった種は
小さな袋の中で眠っている

カサカサと乾いた音
掌にこぼす種
指でつまんだそれは驚くほど小さくて頼りない
 ....
坂の上から冬の空
胸は高鳴って
こぼれそうになる

くも が ね
平べったくて
だけど そうに つらなってて

抱いているの?
静かに唸りながら流れる

あの日叫んで走りそう ....
佐野権太さんの自由詩おすすめリスト(4554)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
実験室37−C- 塔野夏子自由詩16*08-2-11
鍵穴- よしおか ...自由詩3*08-2-11
デニーズへようこそ- むらさき自由詩4*08-2-10
新月の家- 草野大悟自由詩408-2-10
さくら色の手紙- Rin.自由詩21*08-2-10
アースシャイン- 夏野雨自由詩64*08-2-8
予感- 唐草フウ自由詩9*08-2-8
コールド- 唐草フウ自由詩3*08-2-5
雪の日のバス_- 服部 剛自由詩508-2-4
MAJIN- 渡 ひろ ...自由詩7*08-2-4
■共同作品■_冬のさくら- Rin.自由詩10*08-2-4
・・・涙・・・__・・・・。- シュガー ...自由詩7*08-2-4
言葉無くして- LEO自由詩13*08-2-3
菫と百葉箱- 塔野夏子自由詩5*08-2-1
翠の剣- 唐草フウ自由詩4*08-1-29
「_いとおしいいと。_」- PULL.自由詩5*08-1-29
「_かもなまいはうす!。_」- PULL.自由詩2*08-1-29
残せたものは呼吸だけ- 唐草フウ自由詩5*08-1-28
彼等のためのソナタ(香りつき)- 千月 話 ...自由詩7*08-1-26
水の蕾- 千波 一 ...自由詩10*08-1-25
明日のゆび- 唐草フウ自由詩4*08-1-24
粒子- 千波 一 ...自由詩6*08-1-22
雪の朝- LEO自由詩10*08-1-22
散歩するように- 水町綜助自由詩708-1-22
あたたかな雪- 唐草フウ自由詩7*08-1-21
痛覚レセプタ- あおば自由詩3*08-1-21
雪の日- はな 自由詩12*08-1-21
みちこ- 草野大悟自由詩508-1-20
風穴- さくらほ自由詩7*08-1-19
誰にもわからない- 唐草フウ自由詩3*08-1-18

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