{ルビ濁=にご}った泡水が浅く流れるどぶ川に
汚れたぼろぞうきんが一枚 
くしゃっと丸まったまま{ルビ棄=す}てられていた 

ある時は
春の日が射す暖かい路上を 
恋人に会いにゆく青年の ....
イタズラッコの春っぽの風っこが

ぴゅうと口笛を吹くように渡ると

空のほっぺたをっぽっと染めずに

かた物の茶色の樹々のさきっぽを

ほんのりももいろぴんくに大変身


 ....
長年この商売を続けていると
たまぁに
人が本になる瞬間を見るんです
ちょっと
作り話じゃありませんよ
お客さんにも覚えはあるでしょう
何もあたしの処みたいな古本屋じゃなくても良い
本 ....
世界は鍵のないドアのようなものだ
君は今ほほえみという名前の粉ミルクをお湯で溶かしている
名前をよびたかったがわからない
せめてメルアドを教えてほしいというと語尾上げで「はあ?」と一瞥される
 ....
戒律

日曜の教会の君の白い指若い和尚の無駄なき仕草



口移しそうっとくれたマシュマロは口に出してはいけない祈り



まっすぐな背中や胸を這い回る無意味な戒律汝犯せよ

 ....
せつなさは
ほのかな香り
愛しさは
ほのかな温み

寂しさに
花びらひとつ
思い出に
花びらひとつ

甘く泣けるほどの
柔らかい痛み
そっと辿るだけで
蘇る泣き笑い

 ....
果実はひとつ、
熟り続ける。
きみが折れる、
その時まで。












           了。
揺れる

ただ君の
それは僕の

ざわついた木々

風に吹かれて言の葉いずこ
塞ぐ唇

君を浮かべる
心の


揺れる


掴む腕
軽く舞う三十一文字に気をとられ{ルビ聖域=サンクチュアリ}に右足首が

罰としてまめ電球があるだけの三角錐に閉じ込められる

指先に向こう永遠血は流れ 終わることなきダイイングメッセージ
灰色の 潮風が 腐るので
お花が 死に絶えたあと
ラベル貼りの 嘘つきの
集まりが 車を 燃やし
何故か 俺は 一度 夢を
見た

十五夜に ウサギが
一億匹 神奈川県を
跳んでいる ....
私は、何処へ行くのだろう
やらなきゃならないならない
お墓に入ったからって終りゃしない
だからってその後は知らない
失礼だわねぇ
カラスの伝導師
あっちむいてほい
眼鏡をかけなおす
夕 ....
村にはじめてコンビニができたような
月がはじめて携帯持ったような
柳の川は桜四分と混じりあい
街燈も綺麗だけど
そんな気持ちにはなれない

山羊が獏にならい
はじめて夢を食べたような
 ....
こけこっこーで、
お目覚めっぽ。
お天気晴れたら、
お散歩っぽ。

窓の向こうを、
ちょっこり覗けば、
お外はとっても、
ご機嫌っぽ。

おべんとおむ ....
獣を飼いました。
二匹飼いました。

一匹は内に、
もう一匹は外に、
放し飼いにしました。

獣は毎日、
私を襲って、
喰い殺します。

恐くはあり ....
逢いたやあなたと浜千鳥
緋と思しき爪折れは
叶わぬ侭の夢吹雪
いつかなりたや恋女房


待てど暮らせど来ぬ文を
遠い都と香り立ち
揺れる簪 手の鳴る方へ
棗に忍ぶ 恋は霞と


 ....
 ?
あなたは白い直線を引いてある水面です。
わたしは、赤い曲線を水面に描き込みました。
其 ....
生きてきた
ということと
生きる
ということを
つなぐ接着剤を探してみた
奇妙なことよと
笑われた

愛だの恋だの
言葉を環にして
誰かの指に通してきたけど
水に濡れた紙のように ....
あなたの論理ばかり振りかざす唇と

抱きしめるのを止めてしまった腕と

ちゃんとあたしの話を聞かない耳と

まっすぐ見つめ返さなくなった瞳を

角の八百屋でみかんと交換して ....
「1.せつなさとゆう魔物」

せつないとゆうことばをたどれば、刹那に通じるのだろうか?それとも漢字そのままで、切ない、つまり断ち切れないってことかしらん?とゆうことをチョコレート頬張りながら考えて ....
いつまでも、それを手に入れたいと
弱々しい手で、僕らは汲む

井戸の底に微かに照らし出される
月の光の輪郭のようなものを

  楽しいといっては  ひとつ汲み
  愛しいといっては  ひ ....
風が吹けば
どこか知らない場所まで
簡単に飛ばされてしまう

あんなに高かった空さえも
簡単に触れられそう

でも、
空に天井はありませんでした。

と言おうとしたら
声は空気に ....
魔王が言った
神にできない事はない
神と対極にある私も
できない事はない

「恋愛は?」

私がそう訊くと
魔王のお茶に涙が落ちた
しまったと思って
私は魔王を慰めた

「空は ....
小児科医院の
前の路上の
匂いのなか
空に浮かぶ水たまりのなか
きみの顔が映りこんだ
消えた


蛙啼くから帰る
そんな言葉の冷たさ
電柱の
手を繋ぐことで得る柔らかい安心のなか ....
私たちはとても弱いので
ときどき何かを殺めたりもする
ぬばたまの真夜中に潜む
声を持たない涙のように

私たちはとても怖くて
目を瞑って過ちを繰り返す
陽光のまぶしさが作る
白い闇を前 ....
初めての模擬試験の点数は
不等号のみの
二百点満点中 四点
君と
僕と
あいつと
誰か
だったか
昨日と
今日と
明日と
なにか
だったか
そこんとこの隙間達へ

その記 ....
宿命でも運命でもなく
それはタンポポ

土手に降りそそぐ
季節の日差しに
僕は目覚める
旅立ちにはもってこいの日だ

風は南南東
ロウソク工場の煙から推測するに
風速は2メートル
 ....
この思いを
咲き誇る花に受粉する

花弁はすべて地に落ちて
見慣れぬ果実が
姿を見せるだろうときに

あなたがその実を口にすれば
ほろ苦く

思いの核も同じように地に落ちて
あな ....
雨が降る。
傘はいらない。

雨が好きな月もあれば、
雨が嫌いな月もある。

二月の雨が、
どちらなのか。

それはこの雨と、
君だけが知っている。

 ....
傘を
返してほしい

名残りの雪は
綿のコートには冷たすぎて
ひとりで帰れる自信がないから

あの桜もようの紅い傘は
ほんとうはすこし空々しいから
好きではないのだけれど

 ....
缶を投げて地面に当たる時と同じ
空っぽの音がアタマに響く
うやむやにして隠れてきたこの街で
自分の存在なんかあるわけもないのに歩き続けた

知っているトコロ求めて
辞めた仕事場に ....
阿麻さんのおすすめリスト(1119)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ぼろぞうきんの春- 服部 剛自由詩18*06-3-3
*っぽ*- かおる自由詩13*06-3-3
乱丁だらけの古本屋- 蒸発王自由詩4*06-3-3
ワールドアパート- モリマサ ...自由詩6*06-3-3
【短歌祭参加作品】キッチンではだめ・・・- ふるる短歌16+*06-3-3
- さち自由詩8*06-3-3
「_金曜日の果実。_」- PULL.自由詩7*06-3-3
浮舟- アマル・ ...自由詩906-3-3
短歌狂の歌_B面- たたたろ ...短歌2*06-3-3
ごんちゃろう(享年2年)レクイエム- 奥津 強自由詩3*06-3-2
鮮明喪失- こしごえ自由詩13*06-3-2
- 便乗鴎自由詩2*06-3-2
「_っぽ。_」- PULL.自由詩19*06-3-2
「_けもの。_」- PULL.自由詩4*06-3-1
新宿区「神楽坂」- 恋月 ぴ ...自由詩21*06-3-1
鳥籠- 前田ふむ ...未詩・独白10*06-3-1
間隙を縫うには- アマル・ ...自由詩1206-2-28
*四点セット*- かおる自由詩9*06-2-28
「1.せつなさとゆう魔物」- umineko散文(批評 ...9*06-2-28
僕らは海にまぎれて- たりぽん ...自由詩1306-2-28
今日と言う日と明日と夕日- 夕凪ここ ...自由詩2*06-2-28
魔王と出逢った(空の色と涙)- イズミナ ...自由詩2*06-2-27
消えた- 便乗鴎自由詩1*06-2-27
私たちの河は海に届かない- いとう未詩・独白2006-2-27
四点セット- AB(な ...自由詩406-2-26
タンポポ、旅立つ日- たりぽん ...自由詩1306-2-26
凍衷花想- アマル・ ...自由詩7*06-2-26
「_日曜日は雨で。_」- PULL.自由詩13*06-2-26
余寒- 落合朱美自由詩2406-2-25
コンティニュウド- maumi自由詩2*06-2-25

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38