キミは
そのまんまでいいんだ
いいんだ
キミの
そのまんまがいいんだ
ちょっと言うから
少しの間
ちゃんと聞け
いいんだ
キミのそのまんまが大事なんだ
「だ ....
大きな湖に
沈んでいく夕陽を追って
ガリレオってすごくない?
これで
地動説なんて
思いつかんよ絶対
ぶつぶつと
つぶやきながら
コウちゃんは
デジカメを構えてる
その ....
歯がしくしく痛む夜にミントを、
初夏の風と小さな葉っぱを
コップの水に
くるくる溶かして
蛍光灯の下で、うがいする
クールグリーンの麻酔をかけられて
小骨のように引っかかっている、 ....
ぼくは詩人
明と暗は
それぞれ逆があって
はじめてわかる
今日もまた
朝の散歩をしていると
朝影に出会いました
朝日の光の方向と反対に
ぼくがつくる自分の朝影
い ....
黄昏が近づいて
風向きがふっとかわるとき
隣り合って座るわたしたちの間には
暖かな風のように沈黙が訪れる
丘から見下ろす街並みは
最後の夕日に照らされて
....
星飛雄馬のお父さんが
ちゃぶ台をひっくり返したのは
実は
たった1回らしいと
誰かがブログで話してた
怒鳴って
声を荒げて
破壊して
それは新たな怒りを呼んで
そうして
本質は ....
あの人はきらいって
言われてるらしい
私の
知らないところで
しずかな毒が
含み笑いで流される
私は
ビルの屋上で
ぼんやり街を眺めてる
きらい
きらい
きらい
....
まっていたおもいすらする懐かしい驚きは
鼻の奥から桃の実の香をともなって
額のさきへとつきぬけふきだした
馴染みぶかいあの痛苦のみなもと
乳白と鮮赤の漿と沫がまじりあい
桃色の滴となって地に ....
いつか、と
少し頭を抱えるくらいで旅立てる昔話
私たちは傘でした、と言えば今でも信じないでしょう
折りたたまれた言葉の上で
降りかかる、(時々には)人や人から零れた
何か
を、払いのけなが ....
川縁の土手に根を生やした蒲公英たちは
うららかな春の陽射しを浴びて
いっせいに背を伸ばす
夏になったら向日葵になるの
ダンデリオンが通りかかると
みんなで声をそろえて問い ....
君と
君の子供と
駝鳥牧場に卵を買いに行く
大きな鳥に
君も
君の子供もはしゃいで
{ルビ接写=マクロ}切り忘れて
携帯で駝鳥と撮った写真は
すべてがぼやけて
僕らの風景 ....
眠れない夜
眠らない夜
想いの行方は
彼方
銀の先は
星を射す
いくつの言葉を
集めても
満たなくて
繋げた言葉は
形を描けず
流れる星になる
めぐる
めぐる ....
ぼくは詩人
夢は自分で見るもの
そして自分でつかむもの
今日もまた
朝の散歩をしていると
少女に出会いました
道ばたに
持っていた枯れた草花を
やさしく蒔いていました
....
抱きしめると
あなたが
ガラス玉の寄せ細工に
思え
はじけ飛ぶ
その寸前を確かめたくて
そっとぎゅっと
力を入れる
と、
あなたは
小さな咳をするので
腕をゆるめて
顔 ....
春、という5月の
光って市ヶ谷の駅の光って階段の小さな窓の
(その駅は、黄色い線の入った電車が水のほとりを走るところの)
ちいさい音楽を
グレーをつつみ隠す太陽色の平行四辺形が4つに
手のひ ....
ぼくは詩人
多くの生まれてきた言葉を選ぶとき
それは選ぶのであって
捨てるのではない
今日もまた
朝の散歩をしていると
ツツジに出会いました
黄緑の葉の上を赤や赤紫に染め ....
閃光を浴びる波打つ腕を貫く
静脈の彼方から、疲弊した虹彩がため息を吐く。
朦朧とした街は、たえず銑鉄を溶かして
都会の人々の苦悩の鋳型を作り続けている。
すべての窓には、水がなみなみと注がれて ....
あなたが大声で「ロバの耳」
とか叫ぶ意味が判ったわ
解き放つのね 何かを
解き放ちたいのね 何かを
あなたはこの町一番の床屋
それは誰もが認めていて
あなたが決めた髪形に
誰も逆 ....
ぼくは詩人
孤独を感じたとき
それは自我への認識である
今日もまた
朝の散歩をしていると
少年に出会いました
1人ぼーとして
土がむき出しになっている
広大な畑を眺めて ....
ぼくは詩人
静は動の中にあり
動は静の中から生まれる
今日もまた
朝の散歩をしていると
雷雨に出会いました
家を出たときから
ゴロゴロと遠くの方で聞こえていた
ちょ ....
10センチメートルに
来てはくれない
ので
美しいオーツーと
悲しいシーオーツーが
かすか、乱れ
誰かの名として震えては
10センチメートルの位置で消 ....
タンタンタン
ぼくは『かえるのうた』をうたえるようになった、カエルのカスタネット。
いつもぼくとあそんでくれる、ともちゃんが『かえるのうた』をおしえてくれたの。
ともちゃんは、とてもものしり ....
湿気ばかり多くて
気温が上がらない夜は虫なんかの
季節を送る歌など気にせずに
眠ってしまえばいい
閉じた瞼の裏が
奇妙な色に透けるのはまだ生きている
証だと思えるのなら
眠ってしまえ ....
希望は風に細切れて
愛は化石に埋もれた
思い出は酒の波間に漂って
一口飲めば目から零れた
世界の終わりに宝石はなく
ただ涙だけが幾重にも輝いて
三つの絃が語る未来と
孤独が朗 ....
それがどこから降っているのか
何時やむのか
今がいつなのかもわからない黒い雨
傘の中に閉じ込められた
空気の湿った匂い
耳を塞がれた胎児のように
雨に打たれたまま眠っていれば
だ ....
ぼくは詩人
自分では新鮮な考えと思うことは
他の人も考えていたり
また昔から思われていることが
多いかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
猫に出会いました
ぼ ....
混沌とした世の中
自然はしゃべらなくとも
何かを語っている
人の心にオニが宿る
人の心に天使が宿る
長く寒く暗いトンネルを抜けると
しばしの楽園
安らぎの季節
....
ぼくは詩人
思い込みというのは
時として美しいが
得てして真実を追求しない方が
いいのかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
中学生の女の子に出会いました
通学 ....
気持ちのいい場所で
気持ちのいい格好で
吹かれていたい
風に
ただ、風に
ばかで
申し訳ないので
「ありがとうございます」
と言う
取るに足らないことでも
わたしに関わってくれたことに
「ありがとうございます」
煩わして
申し訳ないので
「ごめんなさい ....
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