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満たされぬくらいでちょうどいい恋を笑えるほどの余裕もなくて
降りそそぐ陽射しの下で抱かれたい滴り落ちる果汁のように
日没を待ち侘びながら夕化粧君の前ではオンナでいよう
短 ....
夏のよい さめぬうちから 下駄を引き
君を迎へに からりんころり
京くだり
丸竹夷に押し御池
こころもとなきは ただ君のため
数へゆく
姉さん六角蛸錦
絞りの帯は 花一文字
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とどまらぬ想いを歌にわが心
湧く言の葉は新しき風
カテドラル 傍で祈れる 横顔に みとれたる我 聖句を忘る
夕暮れて 耳に届くは {ルビ夕の鐘=アンジェラス} サンタマリアと 汝は唱えん
微笑みの下に澱める 汝の罪 分かちて負わん 我にも ....
油染みだらけの記憶のわら半紙提出期限をとうに過ぎ去り
透明なグラスの底を目にあててきみの星座を見る白昼夢
あの夏にきみが投じた問いかけのこたえをさがす 波のまにまに ....
ねぇ和尚 あなたホントに聖職者? ベッドの上では 独裁者だわ
続きして? そんな気まぐれ 猫みたい
アタシを裸に したのはアンタ
足ひらく ....
戒律
日曜の教会の君の白い指若い和尚の無駄なき仕草
口移しそうっとくれたマシュマロは口に出してはいけない祈り
まっすぐな背中や胸を這い回る無意味な戒律汝犯せよ
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軽く舞う三十一文字に気をとられ{ルビ聖域=サンクチュアリ}に右足首が
罰としてまめ電球があるだけの三角錐に閉じ込められる
指先に向こう永遠血は流れ 終わることなきダイイングメッセージ
ケータイの震えをピッと指で止め、いつもの声にからだ温もる
「何してた?」「月を見ていた」五百キロ離れた二人を結ぶ光を
電話だと君の声が近すぎて星座をつなぐ孤独に気づく
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