涙の屍を越える時
人は何を見るのでしょう

もう
美しくはない涙に問うても
答えはせず

青春を賭けて輝こうにも
この地の青春は
みな死んでいる

踏み越えて
駆け抜けたその先 ....
爆弾あられ
爆弾あめあられ
莫逆非道の爆弾
爆弾降る夜に
爆発娘が手に入れた
爆裂売買証明書付き
爆弾猫付き
オンボロ絨毯爆弾住宅
支離滅裂な言語体系を爆破する
 ....
耳たぶを
どうか
噛みちぎってほしい

此処から出られなくていい

私が誰で何処から来たのか
なんのために生きているのか
なんども問いかけて
なんども見うしなう

歌なんか
 ....
 ブルガリア

ローズ・オイル摂取する
あなたとならば
触れ合いたいのよ
手を繋ぎ 
じわり濡れゆく
感情線から恋愛線へ
薔薇香水は
流れ 流れて




 黄 緑
 ....
油染みだらけの記憶のわら半紙提出期限をとうに過ぎ去り




透明なグラスの底を目にあててきみの星座を見る白昼夢




あの夏にきみが投じた問いかけのこたえをさがす 波のまにまに ....
歩く すきまだらけのからだに
すぐさま
圧倒的に
言葉の貝がらが入ってきて
それは ひとのにおいがして
たいそう悲しい春先の光となる

光だけだと寒いから
あなたは空と ....
春が

     はるが

傘の水滴に溶けて
声も密やに
幼いまるみの春の子に
子守唄を聴かせる


まだ固く木肌の一部の様子で
繚乱、を隠した蕾は
雨にまどろみ
陽射しに背 ....
切り刻め
春を
芽吹きを
生え初めたばかりのあわい下草を

切り裂け
よく研いだ鉈で
大地を
老いぼれた大樹を
枯れながらまだ生にしがみつく老骨を

一刀両断されたきみの住まいに ....
蔦の絡まる瀟酒な鉄骨のアパルトマンの朝は姦しい

おくにことばが行き交って
美味しいゆげが湧いてくる

毎日どこかのお部屋から
喜びのうたがあふれ出し
ある部屋のかた隅からは
 ....
げほげほしゃわー
ごほごほしゃわー
ごしごししゃわー
ひげそるしゃわー

たおるはきのうとおなじのです

もやしとたまねぎ
たまごとあつあげ
しーちきんらいとと
ていしぼうにゅう
 ....
ねむのきとんとん、
とびらのむこう。

こだまのひびく、
あのむこう。

さやささやく、
えだのおと。

よんでいるのは、
きみのこえ。

とんと ....
変な具合に

爪がのびている
ちょっと切ろうかな
思い立ったのは
必ず、たしか午前だった

それから、じっとそうしていると
なんだか、やっぱりもうたまらないので
南無三、切ろうと立ち ....
氷がはった広い水たまりの上にいた。

ボクはまだ少年の体をしていた。
浅い水たまりはどこまでも広がっていた。

氷を通して気泡が見えた。
ボクはつま先を軽く押して氷にヒビをつくった。
 ....
革命はじまるよ
あそびおいでよ

革命はじまるよ
そのままおいでよ

革命はじまるよ
はじまってるよ
みなまってるよ

革命はじまるよ
きみまってるよ
みなまってるよ

革 ....
はるをまたずに
なんでなんで
咲くの


底冷えの寒さを
わざとえらんで
ウメは咲いて
あっという間に散って


白くやわらかな
なきがらの下から
プチンプチンと
 ....
猛禽となり、風を信じることだ
わがもの貌で空を行く獰猛な鳥も
{ルビ不確か=きまぐれ}な風を信じるから
自由だ

タンポポとなり、風を信じることだ
着地する場所は選べなくても
{ルビ不確 ....
めらり いきなおす
きに まわった ほのお

ち から はぐれ
つめられた いしの かまど

びりびり ひきさくほど ついて
まかせ でまかせ 

あかりは あげる
あしたに  ....
  ねぇ和尚 あなたホントに聖職者? ベッドの上では 独裁者だわ


  続きして? そんな気まぐれ 猫みたい
           アタシを裸に したのはアンタ


  足ひらく  ....
まだ見たことのない

果実に境界線を張り

流漂する異国の砂漠

三日月が蒼く涙する

空で暗雲が轟き裂けて

光速でかおるレモン
もういいね。
ワルになってやる。
いいヒトしてるの疲れたよ。

もういいです。
悪に染まってやるのです。
優しいあなたに幻滅です。

ああいいね。
ワルでいれたら、
 ....
水の上に
君の名を書く

綺麗に流れて
心に染みた

涙溢れて
湖に
白く煙る想いは
音声を奪う

つないだ手に
刻(とき)は割れ

言葉はすべて
星になり
行く先を照 ....
あなたが大人買いした
その食玩達は
誰もが寝静まる真夜中
遠い国の鳴き砂に耳を澄ます


肺の奥まで吸い込んだ
着色顔料の青色は
どこまでも鮮やかで
いつまでも少女の心と身体を蝕む
 ....
(みえる?)
みえるよ
(きこえる?)
きこえるよ


空の色も 土の声も
自分の魂の熱いゆらぎも


氷の蕾だった五感が
白い星になって咲いた
「私」という宇宙は はじまった ....
ぶたさんが這っている。

ぷひっと、
腕を這っている。

ぶたさんは、
こぶたさんで、
産毛をつかんで、
ぷひっぷひっ。

ぶたさんは、
ぴんくだ。

 ....
馬鈴薯の皮を剥く
薄く剥こうとするのだが
和包丁の
刃先が粘っこくなり
剥きにくくなると
  台所の流しの横のちびた砥石
  父が生前に求めた天然石の砥石
  (柔らかい和包丁の ....
風のための門を
行き来する影がみえる

波を越えて続く
その道を

懐かしさではなく
今日の温度で
息を 
わたしたちは潜めて 
東の空の彼方から 
春がやって来るのを 
待ち侘びていた 

夜明けに 
うすい紫の風が
わたしたちの 
頭の上を撫でながら 
通り抜けてゆくとき ....
私は
そらに放たれた宇宙飛行士
オフィスの
隅っこで見上げてる

ホワイトボード
お知らせのメモ
ホチキス

こんな朝から
遠い宇宙の孤独を想う
私とどこが違うのだろう

正 ....
凍えるだけ渇いて
鈴の音も響かせず
降り積もる雪の夕暮れ

雲母の肌が 幾重にもはがれていくのです
許されてしまう小さな嘘 をつくたびに
セロファンの音を立てたりはしないのです

涙の ....
少しは先の見える紫の道
ジャケットに着く雫の玉と
シールド越しに見える景色が
吐く息と共に白く曇る姿に
体感温度も下がっていく

宛てなどがあろうか
振動は尾骶骨から伝わり ....
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