消えた
便乗鴎
小児科医院の
前の路上の
匂いのなか
空に浮かぶ水たまりのなか
きみの顔が映りこんだ
消えた
蛙啼くから帰る
そんな言葉の冷たさ
電柱の
手を繋ぐことで得る柔らかい安心のなか
きみの顔が映りこんでいた
消えた
画面の向こう側
突き刺さる
サーカステントの自奏琴の調べ
怪人の深く被った帽のなか
映りこんだ
きみが消えてた
自由詩
消えた
Copyright
便乗鴎
2006-02-27 12:25:26縦