誰のものでない足跡が
泥のような海に向かっている
きっと
闇の生まれるところ、
果てと呼ばれる
光、奪われる場所の
刹那の真実を知りたくて
、対消滅
小さな声でつぶやく
今日も遠 ....
日本から3時間半、高度に慣れた躰は世界初の時速431キロの風景に晒される。南京ロードに花吹雪は散らない。圧倒的な人ごみが蹴散らす埃が舞う。暗躍するのはスパイではなくスリばかり。資本主義の国で引 ....
饅頭怖いと言いながら
扉の陰でぱくぱく
住宅怖いと言いながら
柱の陰に寄り添って
ダニとシラミを退治する
二人だけの人生
急に道人のふりをして
頭を丸めて畏まる
札付きのろくで ....
君の白く美しい足には
性欲が刻まれている
君の焼け付くような感情には
じつは打算が埋め込まれている
君の足に手を伸ばすこの腕は
刻まれたものを読み取り
君に焼かれたこの心は
埋め込まれた ....
凍てる指よ
松井の骨折のように外野は
草が深い
ぼくの夕陽から伸びる野の球。
眼球のようにやわらかいものが骨折している
ぼくのさみしい眼球譚が
そうして麦笛に ....
雨の
始めの
ひと粒
ふた粒
私だけに
与えられた
もののように
この頬を濡らす
あなたの指先に
近い温度で
色とりどりの花片の散り敷かれた舗道は
華やかな体面をたもちながら
苛立ちを隠しきれずに風を待つ
永遠に灰色であることはささやかな安穏
たとえ幾千もの足に踏み入られても
艶麗である ....
息を吸って
息を吐く
そんな簡単なことが
あなたは
出来ない
笑いあう
謝る
手を振る
おじぎする
そんな
簡単なこと
(わしの仲間は
(戦争で
(みんな死んだ
....
詩人はロマンチストでなくてはならない
詩人は飢えているのが良い
詩人は孤高を貫くべきかもしれない
詩人は言葉に剣を隠し持っている
詩人は無口だけど饒舌な筆力が必要である
....
それは言葉にならない思いであった
母は母であった
息子は息子であった
いずれは離れ離れになる定めだった
『ふたりは生き別れる』
それは別段、不幸なことでもなく
いつまでも悔恨に捕らわれるこ ....
ぼくは詩人
自分の中にいる自分を
表現することが
どんなことよりも
難しいのかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
詩人に出会いました
ぼくは詩人
詩 ....
失ってしまったと
知らせに突かれて
霧雨の中へ飛び出したから
取り込み損ねた洗濯物のように
さびしく湿ってしまった
時計は無慈悲に
時を奪っていく装置
刻んで ....
抱き合うことで
すくわれるたましいの
とおく
海を泣いて
あなたが翔けていく
わたしもはしる
とおく
たましいの
秘密の場所
わたしは
自由だった
わたしとして
ほ ....
とどまらぬ想いを歌にわが心
湧く言の葉は新しき風
君のおもかげを
他の人に探してしまうのを
やめようと思って。
やめよう、やめようと思いながら
そう意識すると
なおさらまとわりついて。
疲れてしまった
人と会うのは。
今日 ....
うっとうしい毎日
何もしたくなくって
喧噪の中で友達の声が
頭上を漫然と通過していく
雨が降っているのを見るのが好き
出かけたくない理由が
優しく降り込めてくれるようで
....
ぼくは詩人
気持ちのよい日は
あいさつから始まる
今日もまた
朝の散歩をしていると
鳥たちに出会いました
数羽の雀は朝ごはんを探しに
地面に下りて
みんなにごあいさつ
....
詩とか詩人とか 日常では使わない
子供の頃 学校の授業で出会い
宿題にされ 宿題でもないのに
書くようになって 憧れた
同人誌に入ってみたり
小さな詩集ではあったが
喫茶店 本屋さんに ....
私が太陽になってあなたを照らしたら
あなたの後ろに
影ができるね
私が
愛しても愛しても
届かない場所がきっとある
あなたが背中を向けた時
私は
それに気づいてく
まっし ....
鉢植えの花が咲いていた
色とりどりの花々が咲いていた
しかし どいつもこいつも嘘っぱちに思えて
可憐な花びらをえいっとばかりにつねってやった
花の香りに誘われて蜜蜂が飛んできた
蜜蜂が耳の周 ....
本を捨て風を追え
光の鉄筆を持ち
刻むがいい
化石となり残る言葉を
考古学者が
その意味を追うだろう
ノートを捨て雨を打て
声にならない慟哭を
写すがいい
降り積 ....
ぼくは詩人
何かを理解したり習得してこそ
過去になる
今日もまた
朝の散歩をしていると
少女に出会いました
自分の知らない花の名前を
図鑑で調べる
彼女は現在に夢中
....
風が吹き抜ける
うたから零れる水滴に
滲んだかなしみを知る
きみを包む町から
初夏の気配を纏って訪れたうたは
インクの匂いをさせながら
紙を静かに滑り落ちて
こころの中に海を創る
....
谷川俊太郎氏の
『朝のリレー』という詩
皆さんもご存知のことと思います
その詩を
頭の中で描きながら
不思議な気持ちで
夕陽を見ていた
私には終わった一日
誰かには始まる一 ....
失踪する雑踏――葬られてゆく錯綜する都会の鼓動が
不整脈を晒している。
失踪する現実――訪れるものは、立ち上がらない
睦言の形骸だろうか。
黒い朝焼けを掴み取るまなざしは、
凍りつく陶酔の血 ....
ぼくは詩人
共鳴は同情以上に
心に広がる
今日もまた
朝の散歩をしていると
不思議な玉に出会いました
野球のボールかと思う
大きさと白さ
やわらかい布でつくられた
....
見えない風で
街を満たしていく
それは流される疑似餌
のようなものではなく
濁流の中で耐える小石にも似て
揺らいで見えるのは
まぶたの裏の潤みの中で
抗う魚の影か
立体駐車場 ....
今日もまた
直球で肋骨を通り過ぎるほど
大好きな詩に出会いましたよお母さん
もう僕は
この大好きな詩だけを胸に抱き
海へ飛び込んでしまいたい
もう僕は
僕のへんてこりんな詩たちに ....
ちょっと熱っぽいかな
連休明けで仕事立て込んでたっけ
明日休めないや
また雨だ
ねぇ、るぅるぅ
雨って
風邪を引いてないか
寝込んでいないか
ちゃんと食べてるだろうかと
心配 ....
ひとでなしになって とことん堕ちてみたい
いちばん底の どん底の 暗いところから
じぶんがまだ ひとだったころに見ていた
透き通った景色を 見上げてみたい
ひとでなしでさえなくなる そのときま ....
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