凍衷花想
アマル・シャタカ

この思いを
咲き誇る花に受粉する

花弁はすべて地に落ちて
見慣れぬ果実が
姿を見せるだろうときに

あなたがその実を口にすれば
ほろ苦く

思いの核も同じように地に落ちて
あなたはそれを忘れるのだろう

喜びの春が来ても情熱の夏が来ても
芽吹かず
人恋しいだけの秋や幻想の冬が来ても
咲かず

ただ心が砕けそうな凍えそうな
あなたの黄昏のときにだけ
その花を見るだろう

ほろ苦い想い出を
忘れられた想い出を
一片の生命に変えて
一人残されたあなたのために

ひっそりと咲く

あなたの想いが垣間見せる
僕の心を


自由詩 凍衷花想 Copyright アマル・シャタカ 2006-02-26 16:50:54縦
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