友達が海辺だった。ぼんやりと暗い真昼の部屋で、どこから迷い込んできたのだろう、蟹が蠢いていた。冷たく静かなベッドの上で、蟹の群れが、友達の中へ滑り落ちていく。少しだけ話をすると、友達は用事を思い出して ... 公園の水面に睡蓮が咲いている
ウスバカゲロウがふわりふわりと飛んでいた

ときおり
魚がポチャリと水面を跳ねる

貴婦人が日傘をさして橋の上から
池の睡蓮を眺めていた

ぼくはベンチ ...
僕は昔東京で暮らしていた
春になると 桜のきれいな
近所には 川があった
そこで 僕は4月から仕事をはじめた


もう そこで今は 僕は働いてはいない
資生堂の遅くまで灯りのついていたビ ...
さくらの花びらのしわを読もうとしても
他のことばかり考えてしまう
死んだ人の顔とか間違えたこととか
風が強すぎて星が何を言っているのかわからない
唇の開閉に合わせてうなずくだけで眼がうるむ
...
 ダイニングテーブルに突っ伏して眠っていたわたしを起こしたのは、携帯の着信音だった。積まれた本、レポート用紙、ボールペンたちにipadをざっと左手で、もがく様にどかして、携帯の液晶画面に触れる。布 ... 潜み咲く花 、朝に
朱に色付き溢れ垣根越し
  
女人の影 伸びゆくアスファルト、

冷風浴びる脳髄に
光の熱流 ゆるやか浸透し

やがて覚醒する思考意識のダイナミズム!
{ルビ老若=ろうにゃく}の憩ふ杏の花の下

大根の花の白さよ{ルビ昨夜=よべ}の雨

独り者同士女の花見かな

さくら咲く開花宣言日本一

山の墓今年も来たよ春彼岸
春の雨
花冷えのとき
いままさに

ものみな濡れて
吾{ルビ蟄居=ちっきょ}なす

巡らす思いに
去来する愁い

春の女神の
佐保姫に

お願いしよう
彼らの無事を
 夢の時間も砂嵐のなかに消えてしまうだろう
 そんなテレビジョンの懐いでのなかで
 光りになれなかったひとたちと
 一緒の場所で出遭ったのは
 真昼の淡い幻想だった
 いまだほんものの喜びが ...
ビニール被された闇が裂け
あくびの煙くささに唇が醒める
驚くほど身になじむ
布団の凹みの熱移動
ばらばらにほぐされた手足も次第に整われ

目が明けてみると
あたり一帯ふわふわしている
...
  第六章 「死の砦①」



 「な、見て。またやってはるわ……『松の廊下』」
 「ほんまやなぁ」
  午前の館内清掃へ向かう若手職員らが足を止める視線の先には、主任と
 副主任の姿。 ...
かみなりだ
あれはかみなりだ
あぁ、こわい
あんなにぶ厚い藍を割れるのは
それだけで神だ

鳴っている、なって白も黒も反転し
紙の鳥が燃えくすぐられる
犬は動転し
きゃっ、という気に ...
ネット間のむくつけき影が
まるい指きどり、きらりコイン・トス
お気にいりのいち枚を
載せた型をじいっと見つめ
着地するまでどれだけ回ったか
数えてるんだと笑った

投げあげられた淡黄色の ...
「きのうのよる、ミイちゃんがかえってきたみたい。ほら、からっぽになってる」
わたしは妹に話しかけた、からっぽのミイちゃん用の銀色のお皿を持って。
「ほんとだ、ミイちゃん、かえってきてごはんたべたん ...
天に舞い上がった
ひと粒の砂よ
雨の核となりて
陸に戻れ

*

アスリートは高らかに詩を歌え

アスリートは詩を歌う
アスリートは詩を歌わない
アスリートも詩を歌え
アスリー ...
ながいこと逢えずにいたら君の死が逢えない事のつづきに想えて 死ぬのは恐ろしい
素直に恐ろしい

生死の境目を分ける
ラインあるなら

白線の内側にさがっていたい

死ぬとは
未来を絶たれる事

生きるって
現在のぬるま湯に浸るって事かな ...
 

きっとくる
終わりを
知らないひとなどいない

雨は降る
いつまでだって
降りつづける

こころに染みる罪も消えない

なんで
なんていう悪を
犯してしまった ...
○「5万円の矢」
買う気はまったくなかったのだが
4月から値上がりすると言われ
ちょっと安いのを見せてもらおう
と思い見たのがいけなかった
結局6本で52320円もする矢を買ってしまった
...
紙が細やかに振動している
撥水性はない
雫が落ちる
水滴は容易に染み込むが
少し弾き出される
風が吹く
枝垂れ柳よりも軽く碧い風
少しの水の重みと粘り気が
紙を飛ばさせない

まだ ...
すべてのくじらが歌うのなら
すべての露草が雨滴を抱きしめる
単純な対応関係ばかりの夢では
エンドルフィンに支持された
懊悩が硝子体を濁すばかりだ

雲のあわいから垂れる雷は
鉛直方向に空 ...
足元の小さな一段下
花が海に濡れた
昨日、きみが
わたしのために育ててくれた花
名前をつけそびれて
それっきり咲いた

木々の陰影
夜明けに私鉄が発車する時の
孤独な音のひと ...
少年は命の秘密が知りたくて
東の岬にいる賢人を訪ねた

賢人は灯台のレンズを丁寧に磨いていた

あの… ぼくは命の秘密が知りたくて参りました

ほう 命の秘密とな…
この世のすべての現 ...
                                

                                             かろやかに私の肌を包み込む羽毛よ
  ...
幾星霜
祝福の花束を作り続けるの
枯れては編んで
編んでは枯れて

まだかなあ
まだかなあ
いつになったら孵るかなあ

わたしあなたのお母さんよ
報われなくても
救われなくても
...
歓びと悲しみと
出会いと別れと
入り交じる四月

悲しみに寄り添うように
歓びを共に唄うように

さくらが咲く
野草の花が咲く

四国の里山では
山一面に山桜が咲く

山桜が ...
レタスがいのちをもっている。
わたしなんかより。
小さく千切られた彼のほうが
みずみずしく、麗しく、愛くるしく。

レタスにフォークを突き立てる。
ドレッシングの不純さが、
少しだけここ ...
寄せ来る冬波の
滔々と

 、

淀み振り落とし
迎える春に 

   、

洗い流された骨組みのみ輝いて

     弾ける蕾
   生の熱源 発火し
  時間を超 ...
涙の数だけ弱くなります
傷ついた分だけ狂暴になります

そうでしょう
それが人の性分

名もなき花はない
もし名前がなかったら
名前をつけてやる

大発見だ
  第四章 「メモワール」④



 「なんなん? あのベット」
  四歳年上の先輩の木崎さんが、病室の西側の壁へピッタリ寄せて在る空
 ベットに目を向けた。敷かれる古びたスプリングマット ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
友達鳥星自由詩7*24/3/21 8:18
朝の夢レタス自由詩6*24/3/21 6:18
五反田の記憶番田 自由詩124/3/21 1:56
さくらの花びら木屋 亞万自由詩4*24/3/21 0:38
violetパンジーの切...散文(批評...224/3/20 21:25
詩想、この朝にひだかたけし自由詩524/3/20 17:09
春彼岸けいこ俳句2*24/3/20 17:00
春の雨自由詩2*24/3/20 15:51
光りになれない。中田満帆自由詩524/3/20 13:02
勇気soft_m...自由詩5*24/3/20 12:49
鏡像 【改訂】リリー散文(批評...6*24/3/20 12:32
かみなりsoft_m...自由詩5*24/3/20 11:33
さらばテニス・ボーイ自由詩6*24/3/20 11:09
ミイちゃんそらの珊瑚自由詩9*24/3/20 11:09
(5構造詩リユース)アスリートは高らかに詩を歌え足立らどみ自由詩5*24/3/20 10:09
一瞬原田たけし短歌424/3/20 9:31
次に生まれたら自由詩324/3/20 9:24
神さまお願い秋葉竹自由詩224/3/20 8:19
独り言3.20ホカチャン自由詩2*24/3/20 7:03
夏鳥中沢人鳥自由詩7*24/3/20 0:59
くじらの歌自由詩5*24/3/20 0:53
季節たもつ自由詩224/3/20 0:30
命の行方レタス自由詩5*24/3/19 22:53
やわらかにもアラガイs自由詩7*24/3/19 22:40
待望印あかり自由詩224/3/19 20:41
四月けいこ自由詩2*24/3/19 18:57
レタス印あかり自由詩11*24/3/19 17:55
迎える春にひだかたけし自由詩4*24/3/19 17:07
さがサーガりゅうさん自由詩2*24/3/19 14:52
鏡像 【改訂】リリー散文(批評...6*24/3/19 14:31

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加筆訂正:
ミイちゃん/そらの珊瑚[24/3/20 13:46]
少し修正しました
やわらかにも/アラガイs[24/3/20 6:02]
外は暴風雨です。少し修正しました。
やわらかにも/アラガイs[24/3/20 0:26]
タイトル及び少し修正しました。
ワラジムシ/本田憲嵩[24/3/19 21:42]
最後の行、若干修正。
0.1sec.