{ルビ木犀=もくせい}の匂ひ{ルビ幽=ひそ}かや朝の窓

薬湯を{ルビ浴=あ}みて{ルビ無月=むげつ}の夜更くる

日米の笑顔の会談秋ひと日

大丈夫かじぶんに問ふや冬隣
リハビリをさぼり始めて
二十日ほど過ぎた
理由がある
誰にも言わない

誰も聞かないし
知りたくもないだろうし
私がかのよに持ってゆくダイヤモンドを鏤めたマグカップに注いで

無理だ ...
終着駅までの全ての往路が足し算の暦なのだと
信じきっていた頃も確かにあったことを思い出す
アネモネの蕾を見て安堵したように降り始める雪がある

事はまだ知らなかった

降りつつ、積もる雪で ...
嫌になって、旅に出た。
400ccの単車を積み込んで、船は海を行く。
街では見えない星が、よく見える。

暗闇に浮かぶ寄り添った人影。
僕のそばには、月影が浮かぶ。

流れ星が流れても、 ...
今日、外に出て
あまりにも風が冷たかったので
とうとうオバシャツに手を出した
着込みながらゲンナリ
なんでオバシャツって
何をどうデザインしても
セクシーさの欠片もないのか
保温とセクシ ...
哀しみに崩れ落ち
生きながら麻痺し
尚も未定形の想い
抱え込み育みながら
日々の金勘定忘れず
七色に走る霊の打刻
行使する肉身鍛えつ
夜陰に至り病発作

意識溶解しかかる
上唇に木 ...
卵は繊細だから、
ゆっくり丁寧に扱ってやらなきゃならない。

黄身が崩れて、白身と混ざってしまっただろう。
大丈夫。目玉焼きは諦めて、スクランブルエッグを作ろう。
少し牛乳を入れるのが、曾祖 ...
心が震えたのは
勝ち越しホームランのときでも
世界一を決めた
ダブルプレーの瞬間でもない

ブルペンで
投球練習を始めた
そのときだった

まさか行くとは
思わずに見ていた

...
十一月一日
 悪天だったがこの日を逸すると雪が降ってしまうかもしれないと思い、向かった。冬枯れの登山口は老いた自分の終末への入り口のように静まり返っていた。
 冷たい雨が時折強く、その上風が木々を ...
毛細血管が切れて
紫が広がる肌
平手とはいえ
憎しみこもった手で打たれた
痺れたけれど
少しも怖くない

お互いの匂いが甘くて
相性を確かめた夜
家族が待つ家があるとか
知ってたっ ...
二二五唯の数字に囚われる今日は土曜日フルーツパーラー

降りそうで降らないこの手に掴んだら自転車で行く一人の道を

窓の外眩さの増し嘘つきの耳に聞こえる絶え間無き雨

わかり合うすべを知ら ...
久しぶりの神戸
妹と二人で往く

生田神社は朝から多くの参拝者
ほっそり引き締まった狛犬を眺め
お詣りしてから坂を上る

異人館通りを右に曲がって
ハンター坂を横切り
賑わう北野 ...
大文字になって寝かされ、倒れるように横たわるも
煤けたランプが瞬いている 肉を刻む出口は遠い
開始を告げるアラームもまた鉄骨のした
あかりが 途切れない という 身を 投げて 死ぬ
ハ ...
短い秋みつけた

ふだん飲んでいるペットボトルのお茶。
冷蔵庫で冷やしたりレンジで温めたり
冷たくても熱くてもおいしいのだけど、
短くなったにせよ行楽シーズンのこの
季節は常温のままでもお ...
漏れてる
あっ、漏れてる
あっ、あっ、漏れてる漏れてる
漏れてるってば
もーれーてーるーぞー
どうして漏れてるか知らんけど
何が漏れてるか知らんけど
漏れてるという事実は如何とも ...
人魚姫対岸を見て泣いている男女二つの影の七夕

地球では雨が降っても宙は 晴れ人魚の思いと裏腹に晴れ

織姫がもどる頃には泡となり人魚は永遠の1年の旅

自転車をこぎ忘れゆく日常の都会の暮 ...
滅多に弱音を吐いたりしない我慢くんは
このところ少し様子が変でした


今まで無遅刻無欠席で 無断で休むなんてなかったのに
度々遅刻したり休んだりすることが多くなりました


いつ ...
毛糸を無心した

小母さんに

何に使うの

あやとり

優しく笑って毛糸玉

手に取って切ってしっかりと結んで

はい、って
六歳が一番欲しかった
赤い色の毛糸でくれた
...
綿毛、その種、
ほとんど重さのない、
雪のしたの土のなかでも、春へと耐えしのぶ、
石ではない、ちいさな有機の礎、
晩秋のくもり空の下、
とてもめずらしい、
綿毛のタンポポが、白い球体のまま ...
時間の叫びの中にいるせいで
目が眩んでいる。

手足は地面に吸い寄せられ
すべてが重くなっていく。
ぼやけた視界に映るものたちは
重力に耐えきれない為か、
叫びから逃れる為か、
ただ静 ...
午前2時の沈黙は
私を深海へと{ルビ誘=いざな}う

そこにあなたはいない
私はゆっくりと呼吸しながら沈澱する
ひかりも届かぬ真宙の海で
腕も脚も折り畳まれたように
小さく蹲り
このま ...
更年期がつらいのです

だからどうした

なんですが

ああ


枯葉が風に舞う

それを
なぜだか

僕は愛してるといってるように

みえて




遅 ...
上弦の月 、
膨らみ帯びつ
円周描く折まで
見えるもの観入り

住む庵の翳り始め
絶えず内に雨降り頻り
濡れそぼり崩れ続け
地に 砕かれる時 

煌々と満月 、
陽の光受け取り
...
明日はどこいこう 夢見たいな夢

動かぬ心 走れぬ足がいて

痺れる指が ものを落として

それでも笑う 自分を笑う


未来はどこよ 明日はどこよ

寝床を動けぬ朝 それは今日 ...
秋になりました
昼がどんどん短くなって
夜がどんどん長くなって

つまりは太陽が
月に追いやられているということなのです

つまりは太陽が秋分の日の決戦で
月に敗れたということを意味し ...
このコートのポケットにはまだ

約束をたくさん残しているの

果たすべきありがとうたち

それは深呼吸の幸せ
狗尾草の季節に立って

金の風の漣を聴く

東京の空は世界一のあおさ ...
詩人たちよ

詩を書くな

風になれ
母と姉と出かけると
僕は逐一
足りない子扱いされる
ので
出かけたくない

特異な次元の
超正気で生きる
僕は
足りない子に見える
あぁ、舐めやがって

と、父がいない
女二 ...
新しい住居は
川のほとりだ
川と言っても濁ったドブ川の色をしている
生き物の気配はなく
夏は悪臭を放たないか心配だ

近所のスーパーまで2キロある
コンビニと薬局が側にあるだけましか
...
魂はどこにあったの
飛び出ちゃった僕は
目を瞑った僕を初めて見た
そして気づいてしまった

僕は死んだ
僕にしがみついて
戻ろうとしても
戻る場所がわからない

僕だったはずの体は ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
立冬が近くなりましたけいこ俳句7*25/11/3 22:12
おやすみ私 / 未明のサンクチュアリィ蒼風薫エヴァル-ジ...自由詩525/11/3 21:09
おむすび  もっぷ自由詩625/11/3 20:42
船に揺られて泡沫の僕自由詩225/11/3 20:34
オバシャツりつ自由詩4*25/11/3 20:11
月下、夜陰の光点にて(改訂)ひだかたけし自由詩6*25/11/3 20:10
炒り卵(曾祖母のスクランブルエッグ)泡沫の僕自由詩125/11/3 19:43
山本由伸花形新次自由詩425/11/3 19:09
山仕舞い山人散文(批評...6*25/11/3 15:15
泥棒猫自由詩6*25/11/3 12:54
産経歌壇2017・02・466   もっぷエヴァル-ジ...短歌225/11/3 12:49
北野坂の白昼夢花野誉自由詩6*25/11/3 11:48
しょうめいたんあらい自由詩4*25/11/3 10:12
短い秋みつけた足立らどみ自由詩325/11/3 9:36
漏れてるたもつ自由詩5*25/11/3 7:43
もう一つの七夕伝説  もっぷエヴァル-ジ...短歌325/11/3 5:38
いつか報われるはずの、いつか(悩み多き感情の詩 その8)涙(ルイ)自由詩225/11/3 4:42
微震  もっぷエヴァル-ジ...自由詩525/11/3 2:50
晩秋の綿毛本田憲嵩自由詩1125/11/3 0:43
叫びの中で沈むーー彼岸のスキップ泡沫の僕自由詩425/11/2 21:19
月の子守唄りつ自由詩6*25/11/2 20:57
めもうし自由詩225/11/2 20:25
聖杯ひだかたけし自由詩625/11/2 19:41
病人短角牛自由詩4*25/11/2 18:24
秋という言葉にのまえいつ...自由詩325/11/2 17:51
柵  もっぷエヴァル-ジ...自由詩625/11/2 16:52
詩人よ  もっぷ自由詩225/11/2 16:31
足りない子りゅうさん自由詩4*25/11/2 14:45
徒然りつ自由詩12*25/11/2 14:02
魂の居場所自由詩7*25/11/2 13:09

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加筆訂正:
晩秋の綿毛/本田憲嵩[25/11/3 1:26]
最後の行、若干加筆。
0.42sec.