曇り空のずっとずっと上のほうは、いつだって晴れ晴れとしている
涙(ルイ)


考えれば考えるほど
何もかも嫌になってしまう3月某日
空があまりにどんよりしてやさしいから
ついつい泣き言をいいたくなってしまう昼下がり


生きるための理由がどうしても必要だから
必死にこれまで探してきたのだけれど
どれもこれもみんなしっくりしていそうで
あてはめてみれば 決まって寸足らずで
このしょぼくれた連日連夜を
どうやって消化すればいいのか
はっきり云ってしまえば もうお手上げ状態
誰か助けておくれぇってな塩梅なのです


出会った瞬間から用意されていたさよなら
去っていくのは決まって相手の方で
ひとり取り残されるのは 決まって私
それが私に似合いの役回りだってこと
いい加減 そろそろ気づけばいいのにね
いつまでたってもこの状況に慣れそうにないや


誰だって幸福になりたいのは一緒
だけど 自分が傷ついた分だけ
相手の不幸を願ってしまう
そんなに人間できちゃいないからさ
いつだって自分と他人を比べてる
本当はそんなことしなくたっていいのにって
誰かに云ってもらいたくて


やさしくしてほしいからやさしくするのです
はげましてほしいからため息をつくのです
大丈夫?って云ってほしいから
大丈夫じゃないフリをしてしまうのです
傷つきたくないから 自分から手を放してしまうのです
死ぬ気もないくせに いつだって死にたがってばかりです
負けず嫌いの負けっぱなしで
だから他人の幸福をねたんでばかりです
最低です 最低です自分


いつからこんなふうになってしまったんだっけ
いつからこんなにも汚れてしまったんだっけ


子供のころは もっとちゃんとした大人を想像してたのにな
33になっても未だ何ひとつ解らないまんまです


でもさ
でもさ もういいじゃないか

そんなに自分を苛めるなって

解らないことを理由にするなって
それより 自分に何が足りないか
何が必要かを もっとよくよく考えてみたらいい


これじゃいけない これでもまだ足りない
無いものねだりばかりの人生ですか
無いものばっかりほしがってもしょうがないじゃない

解っていることは
たしかに私はここにいて
このどうしようもない毎日を生きている
ということ

大きく息を吸って そして吐く
もう一度 もう一度


私はたしかに存在している
このどうしようもない日々の中を


相変わらず空はどんよりしている
私は 前傾姿勢で立ち上がり
分厚い雲のずっとずっと向こうの方を
ただじっと 見つめていた


自由詩 曇り空のずっとずっと上のほうは、いつだって晴れ晴れとしている Copyright 涙(ルイ) 2010-03-02 22:09:49
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