Future Days
木立 悟






秒針が描く
冬の森
糸を吸い 粉を吐き
はらわたの筒の冷たさを見る


陽の離陸跡
砂とひかり
夜の木のなか
微笑む水


瞼は凍り 空に近く
空は凍り 遠去かる
何もかもから
遠去かる


わからない藍
わからない金
雪の層の底
未来を仰ぐ


階段の
はじまりから終わりまで踊り
くりかえす
行方なき行方
くりかえす


灰と鉛
夜を誘う手
冬の奥の奥
水の におい


何も無い器に燃え落ちて
緑と光沢を空へ帰す
言葉への供物は
常にいのちのみ


虚神の証
ふたつの心臓
荒れ果てた水
真昼のひかり


雨曇はみな
むらさきの鏡
空はひとり
空を覗き込む


冬を降りるひかり
いのち削ることば
手のひらにこぼれ
手のひらに立ち上がる

































自由詩 Future Days Copyright 木立 悟 2012-01-11 23:13:36
notebook Home 戻る