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 七色のビロードに溶ける思い出

 どんな楽しいことがあっても
 時の流れには逆らえない
 戻らない

 すべてが煙のように
 すべてが幻のように
 目の前を通り過ぎて行く

 あ ....
この歌の横顔にあなたがいなくてよかった

坂の上にぽっかりあいた空は遠くて
青くない方がいい気がした
降ってくる光が指先を透過して
平面なわたしが散らばり始める

透明になれなかった二人 ....
貴方の膝は暖かい。
 
空は薄い緋色。
 
 
たったそれだけ。
 
たったそれだけ。
 
 
失いたくない暖かさ。
 
 
離れていかないで。
 
 
 
離れてい ....
 
あたしたちは愚かな生き物だから
ありきたりで当たり前なことで身を固める

真新しいことは理解できなくって、
どうにも受け入れられないから
昔ながらのことを恋人同士は語り合うの

明 ....
上手く選べないことは分かっているので
国道へと続く道の折れ方を
君たちに任せることにする
右へ右へ、と街は緩やかなカーブで
今も回り続けているらしい

僕を追い越していく光線は
一日を開 ....
目には見えないけど、
耳には聞こえないけど、
手で触れることも出来ないけど、
何となく判って来たことがある。


死んだ人は何処にもいかない。
ずっと傍にいて、
こちらを見ている。 ....
 軽いめまいの横を通り過ぎる晩秋
 人々の装いも移ろい行き
 迫り来る冬をうっすらと感じる

 すました顔をして行く通りの人
 こっそり隠した心の凶器を磨く
 使われることのないことを祈り ....
冬の朝
あのひとを
ミルク色の息が包んでいた

わたしがだんだん透き通る

あのひとを
あたたかいブランケットで包みたい

わたしがだんだん透き通る

わたしがわたしじゃなくなっ ....
 

(もしこの声がきこえたのならば、
 少し耳をかたむけてください
  夕焼が目ににじみはじめたから
   こちらは見ないで、そのままで。)


あなたはいつでもあたたかかった。
 ....
欲望と嫉妬の数だけ顔があるのさ

本当の俺は何処にいる?
俺はいったいどいつなんだ?

顔で
そんな顔で
こんな時どんな顔をすればいい?
だから笑うんだ

名前の無い ....
僕は何も知りませんと言ってみる
何も見なかったから
何も聞かなかったから
何も知りたくなかったから知らない

僕は何でも知っていると言ってみる
見たいと思っていたものだったから
耳をそば ....
君が放つ光は
僕にはいつも眩しすぎる
だから影ばかり探してしまう
くらんですべて見えなくならないように

いくつかの予定された未来のうち
ひとつが選択された夜
選択されなかったすべての可 ....
幸せの中の悲しみ、淋しさ、が。

僕の感情を活性化させるんだ。

幸せを感じれないまま。

悲しみや淋しさは。

ただただ、落ちて行くだけで。

愛される、という最高の幸せは。
 ....
いっそ 四季を消してしまおうか
心地よい日に 均してしまおうか

曇天の雲 垂れ込め
視界は暗く
雨の混じる 歩道に足音

涼しげな日
空も街も
僕の好きな 
灰色に沈んでいる
 ....
硬いベットで独り仰向けで
見上げた天井は高く高く
腕を伸ばしても届かないのは
僕が出来損無だから、

灯りは点けないで
カーテンを開けていれば
月の光だけでも充分
青く照らし出されるは ....
まもれない
バイバイ、の約束
まもれない

切り出そうか迷う
えいえんの別れ、って
あるんかな



これからずっと
ずっと、の約束
まもれない

これまでだって
いつ変 ....
君にみせたい映画があるんだ
ちょっと長くて
難しいけど
きっと気に入ってもらえるさ

君に聴かせたい歌があるんだ
静かな曲でさ
とっても良いんだ
きっと気に入ってもらえるよ

君と ....
貴方を遠くから見る
瞳にその姿を焼き付け
思いは風に乗せて

貴方が私に気付いてくれなくても
私は貴方だけ見ている
そう、ずっと見てきた…

この思い届かなくても
貴方の瞳の片隅の
 ....
死ぬのはね、
こわくないんだ。

地獄にいって
閻魔様に会うのも、
こわくないんだ。

ただ一つ、
こわいと思うものは

いつか君に忘れられること。

それだけなんだ。
夢を失ったあの日
靴なんて忘れて飛び出した
等号でつながれた
綺麗事だろうと
「綺麗」という言葉そのもの
とても汚れていたよ

光舞う未知に
さまよったよ
さまよう理由は
なに ....
夜景を見下ろせるバーは
君のリクエスト

赤ワインに映り込む
夜景の輝きが
ほんのりと僕らを色づける

甘い言葉が
次から次へと出ても
飽きることなく
甘い夜が伸びている

ワ ....
人間が嫌いだった。
どうしていつも私の邪魔をするの。
人間なんて高慢で、わがままで、欲深くて、身勝手。


花は散るからこそ美しいだなんて。
どうしてそんなことが言えるの。
花は散っても ....
雨の降る夜
マンションの入り口に猫
雨宿りしてるみたい
近寄ったら奥に入ってった
でも
見える位置で待機
こっち見てら

毛繕いして
寝転んで
そのくせこっちの動きには敏感で
一 ....
たくさんの鳩がいる中で
一羽が死んだと噂が流れて
ことの真偽を確かめるために
あらゆる鳩を捕らえてまわった
けれどここには様々な鳩が
無限にいるのだとわかってからは
ずっと一羽が見つからな ....
午前1時

待ち焦がれるは
君だけの着信音

部屋中に鳴り響く
君だけの着信音

気まぐれな君の事だから
「一時間も何してたの?」なんて
責められない

惚れてしまった私の負け ....
きんにくを やわらげるため
首をゆっくり 回す
伸びをして 深い息をついたら

本を読みつつ
心が弛緩して
魂が解放されてる

喫煙喫茶のいつもの席
音楽がたおやかに流れて
集う  ....
 
 
しらんだ空が
産んだ青い退屈
駄菓子屋の秘密
ゆうぐれのすきま
 
纏った仮面を振り回す
夏の日の少年
残像の香りはせっけん
ぶんぶんごま
 
鉛筆を構えるより
丸め ....
夜明けとともに
失ってしまう事におびえて
冬の星座がのぼる前にと
眠りにつくふたりには
体温だけが必要で
かたむいていく、その先に
今日の終わりは信じないのです

夜がきます
恐ろし ....
二人暮らし始めて三年
貴方との縺れた愛の糸
解けないのなら
この手で切ってしまいたい

零れる涙に眼を閉じて
瞼の奥で想い出を探す

もうお互い元には戻れない事
解っているはずなのに ....
電波が入らない

電波が入らない

依存していることに今更気づいた

電波が入らない

隔絶された世界で

孤独を感じる

空は吹き抜ける秋晴れだけど

吹き抜ける風の寒さ ....
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