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「環状線に乗っていつまでも回っているのが好きなの」

東京から来た彼女は言った。

それでも大阪環状線は
大阪以外からやってきた人を
大阪の外に吹き飛ばしてしまう。

奈良から来た人を ....
 
 
冷蔵庫の中から動物たちの鳴き声がする
中に動物園が出来たらしい
食材などに用があったのに
動物や檻の合間を縫って
上手に取り出せる自信がない
仕方なく、冷蔵庫の隣で
キリンの口 ....
吹雪の夜明け
見知らぬあなたからの
着信

もう一度踏み出そう
未来が
ホワイトアウトなら
地図も不要の
幸運
正月が終わるころ、
いつとなく思うことがある。

母の島へいってみたい、
そう思う。

オレさえ生まれてこなければ、
兄と両親は、
幾度となく島に、
かえれていただろう…

 ....
 
 
店員さんが運んできたコップの中に
凪いだ海があった
覗き込めば魚が泳いでいるのも見える
こんなにたくさんの海は飲めそうにない
先ほどの店員さんを呼ぼうとしたけれど
彼女なら里に帰 ....
小吉のおみくじに書いてあった「待ち人、来ず」。
来んのやったら僕の方から伺うさかい、待っててや。
僕の経営するさみしがり屋は年中無休だよ。
店先にちょこんと座り、君が来るのを待ってるよ。
佐藤氏の商店は品ぞろえがよい
金で買えるものは何でもそろっている
あらゆる者が買い物にやって来る
大企業の重役から近所の主婦まで
隣国の政治家から小学生まで
ある者はアタッシュケースに札束を ....
のんだくれ男とやさぐれ女
とぎすまされた場所にはそぐわない

だれも無関心のふりの都会で
新宿で乗り降りするほどの乗客

手を繋ぎたい天使が裏帳簿に記帳されて
探している煙草は違ったポケ ....
真夜中を折り返す靴下に
冷たい指を隠して座った

追われているような気分
追いかけてるような時間

迷路を抜け出す道がない
その胸の果てはどこなの

ススキが揺れて手を振り
さよな ....
駅前でタクシーを拾ったので交番へ届けた。
善い事をしたはずが、690円を支払わされた。
 
 
デモ隊が行進をしている
何を言っているかわからないけれど
行進している
プラカードのようなものも持っている
何て書いてあるかわからないけれど
持っている
先頭が角を曲がる
何 ....
僕はいつも一度だけ改行をする。
その小さな段差に一人で座っている。
ゆっくりと歩く蝸牛
それで
どんどんと黄昏の国が過ぎて
宵闇せまる暮らしの中で

わたしも
立ち止まったままの
蝸牛

さまよえる
迷子

冷たい風が
「シッ!」
っと ....
まがおが交差する
まがおがすれ違う
こころが交差する
こころがすれ違う
まがおが一瞬合う
まがおがすぐそらす
こころが一瞬合う
こころがすぐそらす
えーんえーんが交差する
えーんえー ....
小學校に上がるか上がらない頃でした
ある日の黄昏時
お須賀ばあちゃんは便所で倒れてしまいました
凄い音がしたので
孫の私が見に行くと
お須賀ばあちゃんは横倒しになっていて
小刻みに体が震え ....
終わりにひとこと
祝辞をと開いてみたら

伸ばしているだけで
時は過ぎて

栞の花びら一つ掴めず
風にさらわれ

終わりにと
終わりに
ただひとこと

そう思っているうちに
 ....
なにもしていないのに疲れている
コンビニに寄る
駐車場が広くて
小学校の校庭くらいはある
大きなトラックが停まっている
十台以上ある
一つナンバープレートを見ると
やはり遠いところから来 ....
くまは瀕死だった
ぐるりを人間たちにかこまれて、
路上で、濡れて

だいじょうぶですよ
とくまは言おうとした
ひとりで死ぬから、だいじょうぶです

「殺せ」
とだれかが言った ....
 
 
千葉駅から外房線に乗り南下して
稚内に向かう
どんなに行っても沿線に稚内はない
外房とはそういうところ
風が吹いている

都会なのに美しいジャングルがある
それが稚内
珍し ....
バスを待っていると
昨年死んだお父さんが縄をもってやってきた
電車ごっこの相手を探していると言う
せっかくだから車掌をやることにした

もともと小さいお父さんは
死ぬ前にさらに小さくなった ....
マツモトキヨシの片隅に
僕のマツモトが売っていた
僕のマツモトのはずなのに
どこかちぐはぐで僕には馴染まなかった
僕のキヨシは売っていなかった
僕の、どころか、
普通のキヨシすら売っていな ....
古着の青いネルシャツ、兄に黙って借りた記憶。
もちろん僕に兄はいないし、だけれど必ず返さなきゃ。
鼻がピーピーとうるさいので息を止めて一回死んでみた。
今度は心の声が生き返りたいとうるさいので仕方なく蘇った。
その膜を破ると
きらきらとこぼれ落ちる
母の痛みがうつくしかった。

ぎゅっと身体を縮める
握りしめられないものを握りしめ
抱きしめられないものを抱きしめる

ささやかな抵抗を繰り返し ....
呼吸の出口を塞ごうとした

その光でもあの背中でも

届かなかったと悔やむ間もなく

踵が地面を嫌がっている

誰かのリュックで飛べるほど軽い
夢を抱えても笑わないでね

次のペ ....
問い返すたびに僕が増えてゆく
ジミヘンのファズノイズでもあるまいに
あるいはピンクフロイドのエコーズ

探す程に海は深く遠く風ばかりが吹いている
僕のこころの荒涼が優しく増殖してゆく
 ....
夏の陽が透ける
柳の梢を見ると
春の桜も紅梅も
心の梢に消えず
秋の時雨を飲み
葛の眺めに風畑
冬の雪雀は凍え
霰の豆を追掛る
昔からコッペパン食べるとコペンハーゲン行きたくなる。
小4の秋、昼休みに裏門から脱走したのも、きっとそのせい。
異国のバーバーで髭を剃ってもらうのが夢です。
僕の髭はその為に生まれ、その日を夢見て生え揃う。
AB(なかほど)さんの自由詩おすすめリスト(2134)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
大阪環状線- にゃんし ...自由詩3+*20-1-7
後悔- たもつ自由詩220-1-6
軟らかい耳に抱かれる夢をみた- Lucy自由詩3*20-1-6
- ナンモナ ...自由詩10*20-1-5
ランチ- たもつ自由詩1420-1-5
待っててや- クーヘン自由詩1*20-1-5
さみしがり屋- クーヘン自由詩11*19-12-29
佐藤商会- やまうち ...自由詩219-12-25
のんだくれ- 梅昆布茶自由詩1319-12-24
wasteland- ミナト ...自由詩219-12-24
タクシー- クーヘン自由詩3*19-12-20
行進- たもつ自由詩3*19-12-20
改行- クーヘン自由詩9*19-12-18
くらやみ蝸牛- 立見春香自由詩1219-12-18
にちじょう- 木葉 揺自由詩119-12-17
死のオムニバス- こたきひ ...自由詩619-12-15
時間のしわ- 丘白月自由詩1*19-12-11
夢の共演- mmnkt自由詩319-12-11
くまは瀕死- はるな自由詩6+19-12-5
稚内- たもつ自由詩219-12-5
ほくろ- たもつ自由詩819-12-3
マツモトキヨシ- たもつ自由詩419-12-2
ネルシャツ- クーヘン自由詩4*19-12-1
うるさいので- クーヘン自由詩5*19-11-30
冬の朝の光が痛みをうつくしくする- かんな自由詩1319-11-28
明日- ミナト ...自由詩2*19-11-26
- 梅昆布茶自由詩1219-11-26
真仮名に腰を下ろして- 丘白月自由詩219-11-25
コッペパン- クーヘン自由詩3*19-11-25
- クーヘン自由詩2*19-11-24

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