すべてのおすすめ
夜のくまは一匹で月を空に押しあげる
おもたい満月も 脆い三日月も
一匹で

ひとりは、孤独をつくらないから
淋しくても平気だった
自分のからだを磨いたあとにやってくる
眠りを受け ....
 陽のかげる時
 美しくなる人だった
 陽の輝く時は
 自分から遠くなった心を
 捜しかねているのだ

 まして雨の時など
 濡れた頬に
 昨夜のベーゼが生き生きと甦っている

  ....
 good day

明るい雨がさらってゆく
うしろむきの心
光をこぼしあう緑の葉はさざめき
笑う
傘なんかいらないじゃん、と


 梅雨明けはまだ先

飛行機がゆく音は
雷鳴 ....
光の骨をなぞる指のことを もう思い出せない

言葉を思いかえすほどに
少しずつずれて嘘になってゆく
そのグラデーションをせめて美しく
夕映えに織り込んで
待っているうちに
身体は闇の鱗で ....
図書館へ続く石の階段
日陰には
きのうの命がただよっている
雨ののち
ひごとに深くする手鞠花の青
カタツムリは絶滅したんだろうか
遠い子守唄
世界に向けて閉じられた手提げの中はやすらかに ....
土を踏んで
滴る花をたしかめながら
きみにあいにゆく
どこにもいないということは
どこにでもいるということ

青いイチョウに
さえずる梢に
ありがとうを伝える
空の匂いを探している
 ....
もうすぐ花火がはじまるぞ、と
キミが誘うから
ボクは藻の家から出た
どんよりした空を見上げる
まもなく雨粒が落ちてきて
はじけて円を描いて消えた
ひとつ、ふたつ、みっつ、
数えられたのは ....
遠ざかる星々に追いつこうとして
ポケットの中の薄い板が
震えてうめく

きらめくきつね雨のまひる
広場を歩けば
宝石がふってくる

こどもたちは争って宝石を拾い
笑いさざめきながらそ ....
ごくありふれた電車がほとんど間断もなく何台も続いてゆく。そんな止めどない彼女のお喋りにその遮断桿が上がり切るのをただひたすらに待っている。しかしどうやら彼女の遮断桿は今のところ、その上がってゆく、ほん .... 団地に風が吹く
床屋のおじさんが
大きな欠伸をする
口の中で夏が過ぎていく
金魚鉢が宇宙を漂っている間
友達の一人は
セメダインでおかしくなった
ベランダの無い人が
ベランダを ....
船の窓から宇宙を眺めると中性になる
雲は薄っぺらな模様になって
海の青のところどころに
赤茶色と緑とに塗られた陸地が
安物のTシャツのプリントになっている


そのプリントの上で
生ま ....
部屋の中に桜が咲いて
僕ら三人は
お花見をすることにした
見上げるだけでも
綺麗なのだけれど
せっかくだから、と
レジャーシートをひいて
君が作ったお弁当を食べた
それからちょっぴ ....
地球という星がある
国境はない
猫に餌をやってから
今日のことを考えよう
子宮から出てきて随分経った
時々帰りたいが
もう帰れない
もう帰らない
今朝出したゴミがそのまま残って
「燃えないゴミは水曜日です」と張り紙がしてあった
水曜日の朝も残ったまま
「今日は水曜日です」

仕方なく持ち帰り部屋の隅に置きっぱなしにしていたら
いつの ....
レタスの先端
心音のひずむところ
温度の終わりに
少し触れる
つめたさ
教室みたい 、
と思う

穏やかな湾の入口を
句読点が航行する
健康的な食事
その後で
わたし、 ....
異国の言葉とびかう
井戸は若狭につながっている
帰省していた彼は
重い瓦に押しつぶされた


壁は厳然とそこにあって
何が起こってもくずれない
宇宙が一点に収斂しても
また膨張して壁 ....
夜空を切り裂く光が
万華鏡みたいに泣いて
涙も乾かないうちに
新しい顔をする

打ち上げられた花火を
こんな風に見ている君は
どこかへ行きたいのに
どこへも行けないまま
僕の夏に飛び ....
オレは世の中の99.9999%以上の事象を知らない
バカで バカで どうしようもないバカなのだ
酒を飲んではくだを巻き
夜の闇に溶けるだけ

たったそれだけの存在を
月だけが優しく頬笑んで ....
 もやぐ朝 

夜が朽ちて
朝が生まれる
霧に覆われた街は
港へと変わる
赤い太陽は
無音の出港の合図

けれど想い出は
いつでも切ない
胸に
錨をおろしたまま


 さ ....
お骨はゆうパックで送れるんだって
へぇ
そんなわけで叔父の骨を預かって
春と夏が過ぎた からんと
最近は近所に犬を見なくなった
骨を差し上げるあてもなし
わたしが咥えてしまおうかしら
叔 ....
  なまこの指に溜まっていく
  季節はうつくしい
  ゴム長靴が 二、三組
  傘もささずに駆け去っていく
  この場所が 貴方の 唇であったなら
卵を割ると中には
砂しかなかった
食べ物を粗末にはできないので
そのまま火にかけると
砂の焼ける匂いがする
今ごろ砂場では妻と娘が
いつまでも完成できない
卵の城を作っていること ....
風が強く テントを打った
毀たれるような寒さの中で
ストーブにあたった

5つの頃 寂れた駅の入口で
飴色の夕日の中で
吹きすさんだ風と
おんなじ音が聞こえてきた
目を閉じると
あの ....
慌ただしい年の瀬に
同行支援の依頼がきた

入院先は山裾にある個人病院だったはずが
いつのまにか医療法人化されて
有料駐車場付きの
大きな心臓循環器疾患専門の病院となっていた

四十歳 ....
都で流行っているひげ茶です
これはご丁寧にどうも
と、そのような取引があってから
何度か顔を洗って
学校にも行きました
戦争があったかもしれません
泣いて帰って戸棚を開けて
ざざーっと海 ....
お前のことを聞いたのは
つい最近のことだった
婚約者を残して逝ってしまった と

お前はビールが大好きで
出張先のホテルで溺れたと聞いた

お前は技術屋でオレは営業屋だった
オレたちは ....
曲がり切れないカーブは
初恋の人の背中に似ていた

触れたくても逃げていく
それは風のように柔らかく
ほんのちょっとの憧れを
焦がしてしまった
胸の中に太陽がいる

私の瞳だけは
 ....
ボーカルのテンコは機嫌が悪い。
向かい合わせの椅子に座った彼女はだんまりを決め込み、ウミネコみたいな目つきでひたすらもつ鍋を食っている。
今日のライブで声の調子が今ひとつだったこととか
取材にや ....
鯛       花は桜いろ
サワラ     甘やかなピアノのメロディーは
赤貝      血潮の香りが胸を刺す
はた      深く広がるハーモニー
つぶ貝     彼方を眺め噛みしめる
え ....
朝は曇っていたけれど
天気予報を信じて洗濯した
どうせ一日では乾かない
束の間の外干し

冬生まれの子はよくミルクを吐いて
深夜に洗濯機を回したものだった
洗濯物はいつでもエアコンで部屋 ....
AB(なかほど)さんの自由詩おすすめリスト(2132)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朝のくま、夜のくま- はるな自由詩324-6-30
或る女- リリー自由詩15*24-6-30
氷菓- そらの珊 ...自由詩15*24-6-30
水へ還る- 塔野夏子自由詩14*24-6-27
素足にサンダルをはいて- そらの珊 ...自由詩17*24-6-25
ソラノヒ- 佐野ごん ...自由詩10*24-6-25
メイストーム- そらの珊 ...自由詩12*24-5-15
ポケットの中の薄い板- 佐々宝砂自由詩724-5-7
開かずの踏切り- 本田憲嵩自由詩624-4-14
故郷- たもつ自由詩724-4-8
ヤー・チャイカ- 藤原絵理 ...自由詩1124-4-6
お花見- たもつ自由詩524-3-30
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今年のさくら- wc自由詩12*24-1-18
ぽえむ- たもつ自由詩9*24-1-5
地震- 藤原絵理 ...自由詩224-1-4
君色花火- ミナト ...自由詩423-12-30
ナメクジの唄- レタス自由詩9*23-12-30
この世に錨をおろしたまま- そらの珊 ...自由詩16*23-12-29
お骨の味噌汁- 松岡宮自由詩13*23-12-29
なまこ- 草野春心自由詩423-12-28
卵の城- たもつ自由詩8*23-12-28
ひとり- Giovanni自由詩9*23-12-26
合成写真と判明した囚われの宇宙人- 板谷みき ...自由詩2*23-12-26
ひげ茶- 春日線香自由詩623-12-26
訃報- レタス自由詩11*23-12-25
真白- ミナト ...自由詩4*23-12-23
いつか星になるまで- そらの珊 ...自由詩5*23-12-23
寿司【改訂】_- レタス自由詩12*23-12-23
冬日のこころ- そらの珊 ...自由詩9*23-12-20

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