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叶わなかった人を呼ぶ名前に
瞼を腫らす涙が
膨らんだ蕾のような思いを
逆さまにしたままぶら下がってる
まつ毛の上の蜃気楼に
擦り抜けてしまう人の身体を
いつかは触れて覚えていたいよ
永遠 ....
 
 
木立ちを抜けていくのが
私たちの木立ち
だからすっかり抜けてしまうと
教室がある
先生は、と先生が言うと
先生は、と復唱する私たち
やがて始業のチャイムが鳴り
つまりそれは
 ....
プレパラートと実験室
ハサミの形をしたコウモリが
逃げ出した。
そいつは
闇に馴染みながら、
すいすいと夜を裂いた。
研究者たちは
議論するばかりで
探し出そうとは
しなかった。
 ....
つづら坂のてっぺんが赤く燃えて
曲がり角のそれぞれに暗がりが生まれる
それがくねくねと蛇のように眼下の町へ
影法師が一組
手前の角の煙草屋の暗がりからあらわれて
穏やかな夕日にそっと目を ....
ひとつの風景の動きが
瓶に詰められてゆるやかに
はっこう、していく

風景は酵母となり詩情とざわめき
月明かりが窓から注がれて神々の手が
攪拌を始めれば乳白色の神話の海になる

言葉に ....
風が語りかけます
という詩的なフレーズからも
白い饅頭しか連想できない
埼玉県民の悲しき性に
想いを巡らせつつ
北風に逆らってペダルを漕ぐ
世の中とちょっと
気が合わないだけの今日
お腹と背中がくっついて薄い紙切れとなった僕。
北風に天国へ飛ばされ、祖母のぼた餅が食べたいな。
時間は止まらない
止めてから
後に戻せない

だから
後悔が生まれるんだ

時間はなくならない

人それぞれに与えられた時間が
日々目減りしてはいくけれど

足らない
足らな ....
見えていないから指先に触れて
輪郭を描く
知りえないものを
自明と思い込み
書き足さなければならない線など
もうないと
絵の具を塗る
好きな色
みなさんにお馴染みの色
私だけに
見 ....
 
 
海水浴場で父を洗っていると
監視員さんがやってきて
ここは海水浴をするところです、と言う
洗っている、といっても
石鹸もシャンプーも使ってないし
水を身体に濡らすところなどは
 ....
わだかまりが
嫌で
夜を歩くのです

わかってもらえない
プライドを捨てて
夜を歩くのです

すべてを終わらせるために
生きてきたわけではない

夜を歩いて
たどり着いたコンビ ....
僕は今夜
晩年に娼婦の肖像を描く
マネの孤独の深さを知った

今宵 彼のアトリエを訪れる
ボードレールとマラルメの
美を語らう声が聴こえる

――汝のいる風景の〝今〟を視よ
 ....
尊敬でもなく憧れでもなく

ただ

その人がいてくれてよかったと思う

恐れ多いな

地球の歴史の一時代がチバニアンになったんだって

二回繰り返すとやばいんだって



 ....
あの時計は今はもう札幌あたりに
転がっているだろうか

砂浜のボタンがまだ鳥取の近辺で
埋没しているみたいな世紀末

そういえば《少女》を革命するアニメが
20年以上前に流行ったけれ ....
がらにもなく
人間を信じてしまったのです
生まれ持った右肩の小さなアザは僕の友達。
ナウシカにとってのテトのような、かけがえなき。
終わりを迎える背中で
始まりを迎える淡い空
まるですれ違いの感覚に陥るが
紛れもなく同じ時空を生きている

時は必ず待ってくれると
そこに甘えて寝床につく
そして起きたその時は、やはり時 ....
川の此方と彼方
静かな川面に浮かぶ船
準備はまだなんだ
もう少しだけ時間を
そう言ってもたついている間に
船は遠のいていく
それはまるであの日の貴方の様だ
振り向かなかった貴方の様だ
花散里

僕の小さな世界史が
源氏物語だったら

次元を超えて愛を語れるものなら
あるいは1970年の山下洋輔だったり
アルバートアイラーだったりするのかもしれない

僕は何に対して ....
脱いだサンダルが戻って来る
さっき蹴飛ばした光のように
潮の道連れをピンクに照らし 
夏の端っこを避けて歩いても
トングが切れて指が挟めずに
サンダルの分かれ道で止まると
初恋みたいな伝票 ....
呼んだかな
呼ばれたのかな
気にしすぎかな
気のせいかもな
いやでも待てよ
本当に呼ばれたとしたら

振り向こうかな
チラ見しようかな
思わせ振りな態度をとろうかな
偶然を装えばい ....
雪のことを知っていますか。「誤解しないでくれ」と言っていた海賊とは無事に地獄で会えましたか。こちらはもうすぐふぶきです。海に降る雪が紙吹雪のようなのと、あなたは言っていましたね。紅白の小林幸子をいつも .... アダムとイヴは
キラキラ光るアキラメを
バケツ一杯ぶちまけた

そうして星ができたんだって


大切な不安を食いつぶして
やっとこさ残ったのは空っぽの心

何もない


今二 ....
 
 
辞書に雨が降り
やがて水溜りができた
海と間違えて
文字たちは泳いで行ってしまう
僕は代わりに
いつか拾った流れ星を挟んでおいた
柔らかいものはみな
今日は朝から倒れている
 ....
黒い布で顔を覆い隠した女が
まるみをおびた重いはらをかばいながら
前から、後ろから早足で通り過ぎる人々に
おびえるような足取りで市場を歩いている
ときおり女の腰のあたりにぶつかっては
”ベバ ....
日本語を間違えている

「純」と付けば

混ざってはいけない

献立に洋食なんだ

ガッツリ洋風が占める



たぶん「店の内装が」

純和風でこだわったんだ

 ....
ズボンの下にスカートの下に
ヒトは何でパンツを穿くんだ
そしてせっかく穿いたパンツを
何で脱ぐんだ

ズボンの下にスカートの下に
あるパーツは
そんなに特別なのか

そこは
凹凸の ....
 
みかんの皮を剥く
皮が出てくる
剥いたはずなのに
と思って皮を剥く
皮が出てくる
ええっと、何だろう
と思って皮をむく
皮が出てくる
落ち着け、今までのは気のせいで皮など剥いてい ....
詩は動いている
迎える向こうの死を前にして

絶えず絶えず動いている

暮れては明ける、
遠い山並みのシルエットのように
 


黙して待つ
それだけのことが
辛い

私はここよと
叫びたくなる

目を閉じて
眠ってしまえば
逃げ場を亡くし
回り続ける

水の中に
ゆだねたのは
存在理由 ....
AB(なかほど)さんの自由詩おすすめリスト(2134)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
明日の行方- ミナト ...自由詩120-1-22
教室- たもつ自由詩920-1-21
[:urban_legend- プテラノ ...自由詩420-1-21
つづら坂- wc自由詩420-1-21
風景を食む- 帆場蔵人自由詩6*20-1-20
今日風- Tsu-Yo自由詩420-1-20
ぼた餅- クーヘン自由詩3*20-1-20
時間が足らない- こたきひ ...自由詩420-1-20
着色- Lucy自由詩7*20-1-19
父洗い- たもつ自由詩520-1-19
夜を歩く- 立見春香自由詩720-1-19
或る女の瞳- 服部 剛自由詩420-1-19
アンタッチャブル- かば自由詩220-1-18
瞳の行方- 秋葉竹自由詩720-1-18
死んだ妖精- 丘白月自由詩320-1-17
テト- クーヘン自由詩2*20-1-16
迎える時- ympy自由詩420-1-15
離れていく貴方の様だ- 卯月とわ ...自由詩420-1-15
花散里- 梅昆布茶自由詩920-1-15
潮騒- ミナト ...自由詩320-1-15
イル- たいら自由詩120-1-15
届けよ、跋文- 万願寺自由詩320-1-15
もう一つの- ◇レキ自由詩2*20-1-15
しおり- たもつ自由詩1120-1-13
石榴2020- wc自由詩320-1-13
純和風の洋食屋- 木葉 揺自由詩320-1-11
くだらない詩だけど- こたきひ ...自由詩420-1-11
みかんの皮を剥く- たもつ自由詩420-1-9
シルエット- ひだかた ...自由詩520-1-9
ハシビロコウの憂鬱- Lucy自由詩7*20-1-7

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