胃草が散げると
眠廻獣の柔嘴に
熱涎を揮めなう
這がうことなく
忍かに屠猟する
すぐさま逃潜げ
剥べられる眼筒
いま昂髄を奔ぐ
あなたの誕生日はいつだったっけなぁ
と思いながら
刻々とすぎてゆく日々
選ぶべき言葉も選べないまま
大切なもの
いっさいが流れてゆくというのなら
それは、きっと
わたしが ....
私は元々、リストカット癖がありました。
今はもう落ち着いていますが、今も腕には
沢山の傷跡が深々と刻まれています。
また、私は何度も自殺未遂を起こしました。
包丁で自分を刺そうとした、
....
にぎりこぶしに
ひかる心臓
はーと逆襲せよ
学習
なんちゅー
なにちゅう
航行中
どこ中?
たぶんいなかの
誰もしらない学校
ちゅー
ちゅーとはんぱにっく
心臓
....
屹立した断崖に守られた
小さな浜である
波は平たく伸びて
漂着したものたちの空ろを
静かに洗う
持参した
小瓶のコルクをひねると
砂つぶのような詩がこぼれて
波にさらわれてゆく ....
小花の、シナモンとマーブリングしている
庭先で教科書を開くキミの紅茶
ユルユルした{ルビ蜉蝣=かげろう}になる朝
キライなともだちのプリクラ
姉妹の関係に似ている 笑顔
笑顔笑顔笑顔 ....
吊り皮を枕にした朝
素肌の味を思い描き
定時を目指す
学食を想い
立ち止まってはみたが
正門のサイズが合わない
すれ違った後輩が
陽ざしに目を細め
素肌をにじませようと
侵入 ....
夜の街道は
甘い匂いに充ちていた
火を付けるまえの
煙草の葉のような
甘い匂いに充ちていた
ぬくもり
ふれあい
ひこうせん
夜の街道は
甘 ....
{引用=
器用な
きみでさえ
泣いている
恋は
単純で
むずかしいのと
きみは言う
不器用な
ぼくは
そんなきみを
好きになりそうで
ああ
だめだ
と
からっぽの
....
きみを知って
わたしのコトだらけでゴチャついていた引き出しを
まずは区分したいと思った
それはすなわち
シンプルになりたいということだ
きみを知って
つぎに シンプルになったわたし ....
夜のドレープに裂け目が入る
夜明けが裾にそっとくちづけると
私はすべてを脱ぎ捨て
一羽の鷹になって飛んでゆく
まとわりつく冷気を翼で切りながら
あなたを求めて飛んでゆく
私は ....
僕達は容易に
たくさんのものを失ってしまう
取り戻す事のできないものですら
時計はその時を
刻み付けたまま沈黙している
瞼の裏に
残響だけを刻み付けて
無くなってしまったものを ....
確かなものが欲しい、と泣いた
そんな日々には
野良犬たちも
たんぽぽも
いつもの帰り道さえ
他人だった
君の小指と僕の小指を何度絡ませて
....
雑居ビルの中にある小さなライブハウス
彼女が鍵盤に指先を下ろした瞬間
スタインウェイは真っ直ぐに彼女を見つめた
たたみかけるような熱い音の重なり
スタインウェイと彼女の間には
透き間 ....
好きとか嫌いとか
そのような感情と同じ速度で
五月の空はわたしのこころを蝕んでゆく
そして陽射しに揺れる葉桜が
散り行く先など知る縁も無いように
他者への憎しみを
こころの襞奥に抱え込 ....
朗読会の司会を終えて
{ルビ塒=ねぐら}となったネットカフェの個室で
目覚めた朝
古びたタイルの便所に入る
鏡の前に
薄桃色の花柄の
トイレットペーパーが
置かれている ....
臨み込んだ剣士 飲み込んだ欠児
傾れ込んだ食物 腹のなかで もう二度通す
痒いんだ身体 地面を転がって
風の蹴りで胸をやられる僕
土から虫の生えた夢を
どうして眠るときの夢 ....
ささら
降る雨は
きらり
きらり
あたたかい
曲線を
なぞって
温度を
中和する
泣き崩れた
君も
柔線
逆撫でて
可愛いよ
と
ちらつかせて
吐いた
かくれ ....
「ここは秘密の特等席なのさ。
嫌なことや考え事がありゃやってきて、
仕事サボって、プカプカくつろいでんだよ」
昨日はセールスマンのおじさん、煙草をふかしながらこんな話をしてた。
誰 ....
都市伝説の革命が毎秒誰かを殺めている。
リモコンの電池が切れたから僕はそれを見つめている。
ハイヴイジョンの向こう側には名前も知らない小さな世界で、
逃げ惑う子らの悲痛な叫びが鼓膜を震わせ響いて ....
ネアンデルタール人はホモサピエンスにブチ殺された。原因がなんだったかは知らないが、曰くネアンデルタール人は発声に不自由があったらしい。仲間同士の意思疎通に関して、ホモサピエンスの方が一歩秀でていた。 ....
忘れるために楽しんで
楽しむために忘れない
チックの消えぬ心の傷を
少しほじくり血を流す
愛なんて重過ぎて
右手の震えが止まらない。
鼓動する
線路上の心臓の
信号ではじまる旅
信号で終わる旅
点滅する
信号の果てにある
命の駅
信号は
出会いの青だから
別れの赤だから
動脈と静脈が
行き交う街に ....
電気をつけないままの部屋で だらり 弛緩
久しぶりの死体ごっこ
死体の損壊状況は脳みそが酷くただれている位
胃の内容物は八海山と寒梅、久保田
最後に電話で話した人物は元バイト先の先輩
ホ ....
瀕死の夕日がこっちを見たままで
もう三十分が過ぎようとしている
愛しさえしなければ
関係は容易に築けただろうに
名前も知らなければ
容易に愛しあえただろうに
昔あった出来事か
昔 ....
空白のページに
跡をつけたのは私
全体の四分の一にも満たない
まだ短いストーリー
ベストセラーになんかなりっこない
本屋の端の方で埃をかぶっている
ちょっと悲惨なストーリー
....
三ヶ月前に死んだ夫、二吉の
葬式代の支払期日が迫っていた
今夜夜なべして内職をすれば
明日の期日にはなんとか間に合うと
お芳は思った
一条通りから小間物屋の
横道に入ると
あとは暗い夜道 ....
?値の概念
きっちり敷きつめた箱
早回しの時計
生まれたばかりのドットに侵略
引き裂かれた白地の残骸
曖昧なグレイの幸福
水色の融合
ユデタマゴを食べる風景
ピンクの破壊
極 ....
きみに
あげるものは、
ない
どうやって、わたしたちは
他人同士なのか、
きみも
わたしも、
何も
分からなくなったとき、はじめて
何かを
送る機会がおとずれる
....
{画像=080518024305.jpg}
疲れた後の浅い眠りのように
私を誘う女の手よ。
私を誘わないでくれ、
私は弱き男なれば。
死の後の深い眠りのように
私を見つめる女の目よ。
....
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