※この詩は、下の行から上の行へと読んでください。
人間というものを。
私たちは知らなかったのです。
私たちアンドロイドは、母の葬式で涙を流しませんでした。
だから私たちアン ....
街十夜である
さびしさのかたまりとぶつかりあう
場所
たいしたことないと
みんなが強がり
たいしたことないと
みんなが慰め合い
たいしたことないと
これくらいどうにでも ....
お尻のまあるい少女たちが
猫が甘えるみたいに
僕に擦り寄ってきました
ねえ
“おっぱいなぜて、胸がくすくすする”
僕は
皆可愛いとおもったけど
皆をなぜられるほど
少女たちに 愛情 ....
水槽の
底でひかっている石を
無断で拾いあげてみる
だれか、子どもの
たからものみたいなひかりかた
今朝見た
ふたつの夢の話をする
いつまでたっても終わらない
ゆるいカーブを描く用 ....
もう亡くなった女性患者さんとの会話で、今でも印象に残っている言葉がある。その人には夫がいたが、その昔、ある若い男性と愛人関係にあったそうだ。ところが、ある事がきっかけで40代半ばにして自分から20代 ....
旅人は唄をくださいと言った
それならばと
僕は悲しみの唄を
突き刺してやった
旅人はよろこび通り過ぎて
行った
また新しい旅人が来て
唄をくださいと
言った
それならばと
僕は ....
一度だけ、神の存在を感じた事がある。その日私はホテルで恋人と過ごしていた。
その時私はコカインを吸っていて、恋人は隣で微かな寝息を立てていて。
私はぼーっと仰向けになって、定かではないが、恋人 ....
わたしは感じてしまう
小綺麗に片付けられた部屋の
飾り棚の上で
あなたは仲間達と腕を組み
屈託の無い笑顔をこちらへ向けて
壁際に吊るしたドライスーツからは
泡立つ潮騒の音色がする
そんな ....
加藤だ、
おまえだ、
セスナ飛ばしたろが、
ちゃんとしまっとけ、
って言ったろが、
加藤、おまえのことを言ってるんだ、
黒沢、おまえは振り向くんじ ....
線路の向こうを街がながれる。
中刷りを睨んでる男の前で、
女子高生はケラケラ、
大事な話にまだムチュウ。
ドアにもたれて外を眺めるあのムスメが正しい。
ボクもイヤフォンで耳を塞ぎたい。
....
おれは火のついたタバコを深く吸い、くちびるをつきだすようにして
煙を
赤ん坊の顔にふきかける
赤ん坊はむずがるが もはや
泣き声を上げる元気はないらしい
なあ、おまえさあ、 ....
ある日とても落ち込んでいた私に鼻の長い象が話しかけてきた
君は空に継ぎ目があるのに気が付いてしまったのだね
私は空に継ぎ目があるのに気が付いてしまったの
苦しいの
それはすごく ....
都会の川で子供の変死体が発見された
それと同時刻に、屠殺場で豚が悲鳴をあげた
恐怖は肉に染み渡っていった
鶏舎で一列に並べられ管理されている鶏たちは
産み落とす卵の中に自分達の気持ちを込め ....
離れることを考えている
どれだけ謝っても
足りないだろう
なのに
傷もつけてくれない
その歯で
わたしの足も
手も
食いちぎればいい
眠ってる間に
殺ってしまえばいい
怒 ....
突然、閉所恐怖症ですか、
と聞かれ
慌ててそうじゃありませんと
笑顔を見せる
笑顔を見せたって
MRI撮影室の
空洞の中に居る私の顔は
見えやしない
ただ、
むっつりした顔で答えたら ....
満足せよ
何としても満足せよ
満足するなら徹底的に満足せよ
おまえが浮かれるのはまだ早い
今のおまえは新幹線に乗っただけで博多に着いたと思ってるんじゃないか?
今のおまえは行列の出来るラーメ ....
オリジナリティの追求を、
私は私自身であることに置き換えて
世界と一切の交流を切断し、
心で心を増幅、私で私の世界を描く
そうしてできあがったオリジナリティを、
誰かに見せようとして ....
いつも通る公園の入り口に
いるホームレスのおばちゃんがいなくなっていた
でも
そこにあるマグノリアの木に
真っ白い 大きな花が咲いていた
おばちゃんがその大きな白い花の中から
にこにこ手を ....
僕たちがパズルだったら良いのに
そうしたら擦れ合うことも
痛むことも無いのに
こんなにも寂しがる必要も無いのに
ピッタリ枠に嵌れたなら
そのままずっと 固定されるのに
見えないものを
....
人々から罵倒されても
何度でも立ち上がれる勇気を
この心に投与して
気付けばいつも独りきりで
少し離れた場所から
数人が囁き嘲笑している
僕が醜いから
蒼穹もいつの日か堕ちてくる ....
深夜の地下道
両脇に並ぶ店のシャッターは全て閉まっていた
シャッターに描かれた
シルクハットの紳士は大きい瞳でおどけていた
胸からはみ出しそうな秘密を隠して
彼は独り歩いた
....
ちょっとポイント制について言わしてくれ。
気を緩めると、ついつい説明的になりすぎるので、あくまでアグレッシブに行こう。
えっと、ポイント制に不満を持って退会したり、問題を提起したりする人が ....
とうとう壊れた
ボクドラえもん
今日は良い日だった
天気も良かった
行きのバスで
最近話してなかった
ナカマと会話出来た
仕事も順調だった
大工さんのそばで
....
おっぱいは夜明けの頃がいい
まだ暗い丘を踏みしめていくように
夢と{ルビ現=うつつ}の{ルビ間=あわい}をなぞるように
その危ういしなやかさに頬を預けたい
夜のおっぱいがいいのは言うまでも ....
笑顔は大事です
職場の花たれ
何かおかしいことがあったら
上司にすぐ伺いをたてましょう
あ、 蠅
課長、お家から連れてらっしゃったんですか?
ペット
学習は反復です
教育は ....
ある日妹が分裂病を発病して
ぼく自身のやまいは存在してはいけないこととなった
いつからだろう
この奇妙な感覚がはじまったのは
ぼくにとって精神活動は実体をともなうものだ
じっと座ったまま ....
いや、
もう私が書かなくてもねえ
素敵な書き手の方はゴマンといますね
じゃあやめるわ
読むだけにするわ
と思うときは沢山あるですよ
あるですよってどうよ
けど、
そういう時に限ってなん ....
衝動買いしたあたらしい
さくら色のミュールは
今日もぽつねんとお留守番
靴箱で雨音を聞いている
いつものズックを取り出して
水たまりもひとっとび
バスぎりぎりまで朝寝坊
....
おかげで
その夜
人間は初めて
魂を分かち合った
誰もが泣いた
泣かない人間はいなかった
ひとしきり泣いたあと
その罪の重さに耐えかねて
誰もが死んだ
死なない人間はいなかっ ....
想いはどこへ連れて行こう
涙はどこで手放そう
忘れられないことばかりを持って
僕らは何度もここに生まれた
円く繋がった道を歩こう
いつまでも終われない街を抜けよう
ガードレールの上で両 ....
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