傘までも逃げ散る月曜に
体温を奪われた透明傘
水玉越しの水溜まり
電線は交差しない方が良い
映り込む景色を真っ直ぐ走る
線、雨上がりの青い天井
別世界へ潜りたくて
足を踏み入れて拒ま ....
このところ
夜の音は風のなか。
風のなかなのに
風の音をきいても
夜はいなかった。
心が 心が
心のままでいられなくなりそうです
今 今私
光の速さで
後ろ歩き
だだだだだー
{引用=何を思い出した?
うん。そうだね。
あのときの涙。
うん。 ....
梅雨どきに疲れがでるんだなんて
あなたはやっぱり年をとったんだね
地球がうまく見えないんだなんて
ちょっと余裕なさすぎなんじゃない
かんぺきな芸術
あとだしジャンケン ....
電車に乗ってどこかへ行こうとしていた
何処へ向かおうとしているのかは分からない
病院だったような気がしないでもなく
山奥の施設のような気がしないでもない
見たことのある風景同士が
直 ....
精一杯になりたくて
自転車を目一杯漕いでみた
瞬間最大風速で駆け抜けた
あの時は精一杯になれなかった
精一杯だったかもしれないけど
考えることすらできなかった
....
{ルビ萎=しお}る大葉
はらはらと
死を知る春
老いを知るおいら
{ルビ孜々=しし}とし走る原
遺志を師事し
思惟を維持し
恣意を覆い
示威を張る
威張る{ルビ徒輩=とは ....
ゆっくりと
ふくらんでゆく風船
際限のないあくび
黒点を跳ね上げ 蛇口から流れる闇
コックはねじ切れている
のびてゆくバスタブの海を
あらゆる方向へ沈んでゆく 果実に
大陸が浮かんでいる ....
きみの夢は
ただひとつ
ぼくといっしょに
くらすこと
??????・・・
きみの夢は
ただひとつ
おおきないえと
たくさんのおかね
??????∬
きみの夢は
ただひとつ ....
恐れた 君と離れること
懼れた 君を失うこと
でも君はわたしの誰かではなかった
怖れた 君のこと
畏れた 君と同じ人であること
こんなに愛しくても
こんなに恋焦がれ ....
そうだ
あの夏の日に見たのは奇跡でも何でもなくて、ただの現実だった
忘れないようにしている
夏
僕らは、三丁目の角を曲がることにしていたのだ
赤信号の下にいた少女の制服はすでに白襟の ....
夕暮れ時 太陽の沈む音
二度と戻れぬ今日の日に「またね」と声をかける子ら
薄明かり 絵画のような雲の色
ひとりふたりと木馬に乗って帰っていく
どうしてこうも世界は緩やかに
まるで明日 ....
一つの町に響いた産声
一つの胸に抱かれた赤子
一つの愛を心に受け継ぎ
一人でも歩けるようになる
やがて一つの挫折を経験し
やがて一つの恋を見付け
やがて一つの命を残し
やがて一つの死を迎 ....
大気ら 愛の鉛のように躍動して
大気 豊穣な胸のように揺れる
灰白色の空は疾風に満ち満ちて
風と会話を交わす
神々しい者らを礼拝する
神と神々の御手に触れ
疾風は頬を切る
髪 ....
俺は悲劇の主人公
誰かこの悲劇の間にCMを挟め
俺が笑顔で、バカやってるCMを流せ
視聴者の皆様は怒るかもしれないが
俺はリアルにつらいんだ
最悪の状況 このドラマはフィクションです と思い ....
僕の歩くその上で
猫は二匹で鳴いていた
邪魔者はきっと僕なんだ
邪魔者はきっと僕なんだ
突然雨が降り出した
僕の心の無意識が
二匹の邪魔をしたようで
周り ....
白い絵の中に
あたしひとり
どこかしらへ続く道の上を
あるいている
果てなのか
入り口なのか
雨が降ってきた
どこまでも{ルビ清=す}んだ
スコール 激しく
白い絵は白いままで
....
ちりぢりになった
個はなぜ
女として固まるのだろう
いちど断裂せしめられ
求心力により
私の中で女と言う星がやがて
かがやく
寂しくて
悲しい
心の奥底の詩は
男としての小 ....
何回しても
いくつになっても
慣れることなく
いつも
いつも
恋する気持ちは
初心者で
いつも
いつも
経験が
モノを言わない
それが恋
君が
とても
好きだ
愛している
君の素顔が
とても素敵
心優しい
思いやりのある
君を
僕は守りたい
ずっと
この手で
抱きしめたい
降りしきる雨の中
鞄を傘にして男が走っている
僕は喫茶店でアイスティーを飲みながら
ガラス越しにそれを眺めている
あの男の人のことを
辛そうだとか
悲しそうだとか
形容するのは簡単だ ....
地球最後の日の朝は穏やかに明けた。
夜の濃い青を朝日が少しずつ薄める。
初めに歌いだしたのは小鳥たち。
それからカラスが騒がしく、鳩がせわしなく鳴いた。
僕は空を、公園の欅の木々の間から眺めて ....
松林のにおい
やわらかに透過する光
あなたのその目じりのしわが好きだった
波風がうばっていく言葉に
その想いものせて
わたしたちはあめふらし
ふいに雨音が恋しくなる
傘の下で肩を並べ ....
黒い壁に囲まれた
都会の個室
パソコン画面に映る
真青の空
あの日「向こう側」へ
逝ってしまった君が
今も遺言を語りかけるページへ
クリックする
時の止まっ ....
{引用=
うすいあおでゆびをきった
やましいこころ、あばいて
なみだめで、まだよくみえないころ
きみはこれからどこへいく
ぼくとこれからどこへいく?
ライトブルー、ライト
あ ....
天涯孤独だからさ…
それは、あなたの口ぐせ
帰るべき家があって
待っていてくれるひともいる
それなのにどうしてそんなことを言うのだろう
こころの空白を満たそうと
終わりの無い旅 ....
けれども胸は 青く傾斜してゆく 怯える意識には
透明なふりをする思惟が 蔓草のようにからみつく
窓の外では 涙のように 果実の落下がとめどなく
そのさらに遠く 地平の丘の上では 二つの白い塔が
....
片手くらいの
かわいい顔した手帖があって
女の子のような
詩がたくさん書き連ねていた
僕には
春の風を思わせる旋律が聞こえ
夏の陽気さを感じる水彩画でもあり
ちいさな言葉たちだが
海原 ....
灰色の雨が上がって
ようやく緑が光り始めた
葉脈を辿る水の音さえ
響いてくる気がする
穏やかな五月の庭で
白いシャツが揺れる
遠くから届く草野球の掛け声が
太陽を呼ぶ
きみ ....
閉店間際のショッピングモールで、
世界で一番安く靴下が手に入ると友人は言っていたけれど、
生憎、今日は雨降りだから
せっかくの靴下が濡れてしまうね。
それはそうと今日、仕事帰りに駅で外人に ....
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