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(一)

明治通りと靖国通りの交差する
新宿五丁目交差点から
ABCマートの軒先に並ぶスニーカーでも品定め
数メートル歩いたところに
スターバックス新宿三丁目店はあって
いつものように通 ....
(一)

「ぴーちゃん、ぴーちゃん
トイレってどこなのぉ」

河原の石をひっくり返しては
何やら探していた
まーちゃんが突然立ち上がったと思ったら
おいらの元へ駆け寄ってきた

こ ....
湯船に浸かり
うつらうつらしていたら
突然誰かが部屋に入ってきた気配を感じ
バスタオル胸元に巻いて飛び出すと

消したはずのルームライトに薫る
わたしの大好きな秋桜のアレンジメントに
添 ....
ねえねえと肩を揺すっても
寝たふりしてたはずの
あいつは
いつの間にか深い眠りに落ちていて

久しぶりに触れ合いたかったのに
わたしのこころは
ちょびっと傷ついてしまった

それでも ....
今日も一日誰とも話さずに終わってしまう
仕事柄何十本もの電話をこなし
お昼には職場の友だちとランチなんかしたけど
それで誰かと話したってことにはならない

パソコンの電源落として
机のまわ ....
(1)

掛け声と干物の臭いに押し流されるようにして
昼下がりの賑やかさに身を委ねてみる
所狭しと商品の並んだ店先を覗けば
一見かと値踏みする手練の客あしらいに
思わず半歩後ろへ下がりつつ ....
(1)

あなたにはじめて出逢ったのは
この廃屋が未だ駅舎として機能していた頃のこと
夏草の浸食に怯える赤錆びた鉄路と
剥がれかけた青森ねぶた祭りのポスターが一枚

この駅を訪れるひとと ....
自ら築いた家庭を守る
そんな当たり前の事ができなかったのだと
あのひとは言った

幸せそうな笑顔の傍らをすり抜けるとき
言い知れぬ悪寒を覚えるのだと
あのひとは呻いた

家族のために自 ....
両の人差し指でぱたぱた
ニワトリが餌でも突いているようで
思わず吹き出しそうになるけど

なにやら真剣に打ち込んでいる
あなたの横顔
見方によっては男らしいとも言えそうで

古いやつだ ....
天涯孤独だからさ…
それは、あなたの口ぐせ

帰るべき家があって
待っていてくれるひともいる

それなのにどうしてそんなことを言うのだろう

こころの空白を満たそうと
終わりの無い旅 ....
好きとか嫌いとか
そのような感情と同じ速度で
五月の空はわたしのこころを蝕んでゆく

そして陽射しに揺れる葉桜が
散り行く先など知る縁も無いように
他者への憎しみを
こころの襞奥に抱え込 ....
はじめての出逢い
それは父親に肩車されてのこと

ガラスの向う側で
愛らしそうな顔して笹を食べていたっけ

何時でもいるのが当たり前
そんな存在でもあったような気がして
パンダってまた ....
先週末に桜が散ったばかりなのに
あなたは
物置から引っ張り出したビーチパラソル
具合を見たいからと
これ見よがしに拡げてみせる

どうやら使えそうだな

アルミパイプの椅子まで組み立て ....
ジャズアンドブルースはムードなんだよ
たばこの煙を吐き出しながら
あのひとは言った

ちょっと吸い過ぎなんですけど

その背景に何があろうとも
あったとしても
そんなものとは切り離され ....
近頃やたらと
涙もろくなっちゃった
なんでかな

自宅で映画の予告編を眺めていても
気がつくと
ぽろぽろしている
自分に気付く

やっと梅雨入りしたんだってね

紫陽花は
お隣 ....
わたしが生まれ育った郷里では
要らぬものを裏山に投げた
村外れを流れる川に流した
囀る野鳥の気配に誘われて
ひとり裏山を彷徨えば
要らぬものは朽ちて土となり
夕餉の支度でも始めたのか
潜 ....
どうしても捨てられないものがある
幼い頃母に買って貰った運動靴
靴入れの奥に今も大切にしまってある
いつかあなたもシンデレラになるのかなと
七歳の誕生日に買ってくれた運動靴
そういえばこの季 ....
わたしは感じてしまう
小綺麗に片付けられた部屋の
飾り棚の上で
あなたは仲間達と腕を組み
屈託の無い笑顔をこちらへ向けて
壁際に吊るしたドライスーツからは
泡立つ潮騒の音色がする
そんな ....
今朝卸したばかりのお洒落なパンプス
爽やかな淡い色合いのパンプス
新人さんと間違えられたくない思いで
ヒールをちょっと高めにしてみた
でもつま先はさっきからストッキング越しに
どこか逃げ道を ....
逢いたやあなたと浜千鳥
緋と思しき爪折れは
叶わぬ侭の夢吹雪
いつかなりたや恋女房


待てど暮らせど来ぬ文を
遠い都と香り立ち
揺れる簪 手の鳴る方へ
棗に忍ぶ 恋は霞と


 ....
プロント入ったアキバのサテンで
何故か君に出会ったよ
孤独な魂の叫びを聴きたいと
君は誓いのリングを探す旅に出た
確かにこのサテンはネットで繋がっている
居ながらにして魂たちの叫びを聴く事は ....
何故かホームレスは街に棲む
しょざいなげに地下道に
初夏の花咲く公園に彼らは居る
両手いっぱいに袋を下げて
おきまりのレゲエ状態のヘアスタイル
かの国でも何故か彼らは
ショッピングバックを ....
思想が消え去った
世の中で
金の重さだけが
身にしみる

生の果てに迎える
死でさえも
路上で死に絶える者と
大学病院で手厚く
看取られる者がいる

同じ死であっても
同じ死で ....
モリマサ公さんの恋月 ぴのさんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
転がるひと- 恋月 ぴ ...自由詩16*08-9-26
渡り損ねたひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*08-9-19
ゲリラなひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*08-9-5
考えるひと- 恋月 ぴ ...自由詩25*08-8-29
働くひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*08-8-6
消費されるひと- 恋月 ぴ ...自由詩25*08-7-30
無人駅のひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*08-6-29
守れなかったひと- 恋月 ぴ ...自由詩22*08-6-18
古いひと- 恋月 ぴ ...自由詩18*08-6-7
支えられるひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*08-6-1
五月のひと- 恋月 ぴ ...自由詩34*08-5-19
パンダなひと- 恋月 ぴ ...自由詩18*08-5-13
気の早いひと- 恋月 ぴ ...自由詩33*08-4-5
Jazz_and_Blues- 恋月 ぴ ...自由詩21*07-12-9
- 恋月 ぴ ...自由詩37*07-6-15
見えない力- 恋月 ぴ ...自由詩28*06-8-28
捨てられない運動靴- 恋月 ぴ ...自由詩47*06-8-1
Star_Ship- 恋月 ぴ ...自由詩30*06-6-26
Blue_Note(斜光線)- 恋月 ぴ ...自由詩27*06-5-23
新宿区「神楽坂」- 恋月 ぴ ...自由詩21*06-3-1
Coffee_Beat- 恋月 ぴ ...自由詩11*06-1-6
ホームレス- 恋月 ぴ ...自由詩15*05-6-29
死想- 恋月 ぴ ...自由詩6*05-6-27

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