言葉が時代の上空を走っていく
夜も昼も黒も白も
ハイソもセイホも
自民も民主も越えて
想いがやせ衰えて行く
かぼそい真実が怯えている
見過ごすのか生贄か
選択を洗濯に ....
森の夢―古いボート 前田ふむふむ
1
青い幻視の揺らめきが、森を覆い、
緩んだ熱を、舐めるように歩み、きつい冷気を増してゆく。
うすく流れるみずをわたる動物 ....
たんぼの土手に立つと
風が強くあたる
しろかきが終わり
水の上に浮いている
稲わらをとって
土手に集める
もうすぐ田植え
晴天の太陽が たんぼの水に輝く
強い風は水の上をう ....
小さな まぁるい
金魚鉢の形した器
浮かぶあなたはビー玉
ぷかぷかくるりん
今にも融けそうだ ねぇ あなた
助けられないの
あなたはすっぽりはまっていて
金魚鉢を独り占めするあなた
....
風のバラ
とはわたしの愛した詩人
の五月
をうたう冒頭のことばだ
しかし
肉厚の花びらをかさね
内部へ密度を増す花は
きみに似合っていない
むしろもろい花弁に
あざやかな色彩で
緑 ....
初めは小さな湧水だった
流れの始まりは
始まりの音
川の変奏へと
流れる川の音を
聴いていると
行く先々で
音が変わる
一人
佇んでいる
二人
柔らかなやり取り
....
少年が瞬きをする間に
世界は始まって終わった
髪の長い女の睫毛の下には
よく潤った泉がある
古くから伝わるやり方で
劇場の赤幕を閉じた
背中を丸めた老人が
その前で立っていた ....
大雨で
強風で
桜の大木が
折れる。
栄枯盛衰
古いものはすたれ
新しいものが
栄える。
若者は
老人を
馬鹿にする
何も知らずに
カッコをつけ
人を傷つける
....
男には戦わなければいけないときがある!
男には自分の強さを証明しなければいけないときがある!
男には暴力に訴えなければならないことがある!
男には心に浮かんだ疑念を振り払う必 ....
まるいかたち
ぱすてるなおれんぢ
やらかくはねて、すいてき
ゆびで
かるくつぶすことも
くちびるで
つみとることも
わるいこ、にしない
やさしさ
....
思い出がスライドしていく
綺麗な言葉でくるまれて
一点の曇りもなく磨かれて
愛しているよと
愛していたよと
優しく思いを投げかけるばかり
君の瞳の中でも
あの光景は映 ....
あなたの傷を数えてあげる
いつ傷つけられた
どこで傷つけられた
誰に傷つけられた
僕も同じだから
なんとなくわかるよ
でも
明日の朝日を見てごらん
美しい
輝く光が
....
仰向けになった僕の胸に、女がうつぶせていた。二人は裸で、繋がったままでいるから、少し動くたびに、女は小さくため息をこぼした。キスをするとその湿った息で、重たくないかと聞かれた。大丈夫、胸の上で寝かせる ....
久しぶりに夢を見ました。半年振りです。あんなに良い夢は滅多に見れるものではないと思います。だけど私の場合、夢の中に出てきた人をそのまま置いてきてしまうことがあるので、反芻しておかなければいけません。 ....
わたしのいつも見ている景色です
ありきたりです
でも、たまに
はっとして
おもわずカメラで収めたくなります
記憶に留めるだけの時もありますが
後に悔いてしまいます
焦ってカメラを構えても ....
テーブルの向こうには
崖しかないので
わたしは落とさないように
食事をとった
下に海があるということは
波の音でわかるけれど
海鳥の鳴き声ひとつしない
暗く寂しい海だった
....
それで結局君は何を相談したいの?
それで結局僕に何て言ってほしいの?
優しく言うなら
君の思った通りやればいい
厳しく言うなら
君は悩んでなんかいない
考え込んでいる自分を見てもら ....
煙突の先端の黒煙が、落陽と混ざり合う。ガードレールに腰掛けたまま、上を向いて堪えている。
拘置所の壁と堤防の間の、入り組んだ小路。正月にも人っ子一人いない、住宅街の中にぽつんとある古い神社。ずっと昔 ....
今にもねようとふとんにもぐり
君の肩に鼻を押し付けていると
とおくのとおくで猫が
ぎにゃあ、ぎにゃあ、と生きているのがきこえ
君もわたしもまだ死んでいないみたいに
はじまるの ....
・
わたしの家の郵便受けには
朝になるといつも
赤い花がいっぱいに届けられる
露を含んでぽったりと
流れ出しそうな赤い花だ
どこかにわたしを好きな人でもいるのだろうか
捨てるに捨てられな ....
はじめての出逢い
それは父親に肩車されてのこと
ガラスの向う側で
愛らしそうな顔して笹を食べていたっけ
何時でもいるのが当たり前
そんな存在でもあったような気がして
パンダってまた ....
歩みを止めて
立ち尽くし
しゃがんでしまった
立ち上がらなきゃ
そう思うけど
思えば思うほど
立ち上がれない
いいジャンプをするために
そうだ
いいジャンプす ....
春が過ぎ
夏来るらし
冷房ガツン
夏が過ぎ
秋来るらし
太っ腹
秋が過ぎ
冬来るらし
ストーブボンと
冬が過ぎ
春来るらし
朧月
わたしの棲む場所を流れる川に
水はない
誰かが
橋の上から捨てた言葉を
灰色のさかながついばんでいる
*
夏の暑い日、わたしは
忘れてしまいたい過去の過ちと ....
080513
水色の空に雲が流れ
時間が止まっているようにも見える
体育館では
子供たちが遊んでいる
にぎやかな声に
忘れかけた記憶 ....
{画像=080513015507.jpg}
春が過ぎて、
夏になった。
けれども同じように、
ぼくの目蓋は痙攣する。
ひくひくと
嗤うような調子で、
ぼくの目蓋は痙攣する。
ひくひくと ....
5月というのにこの寒さだ
風邪をこじらせてしまって微熱が出ている
昨日バウハウス展に行った
ドイツワイマールが生んだ芸術は無機質で冷たい
芸術は時代に生まれ、伝統的な技術が加わって新し ....
敷石に降り注ぐ、柔らか
少し離れてある、生に弄ばれた
幼いミズカマキリの死
旧道を走る
路線バス、あれには乗れない
ただの声だから
管理人の男はフェンスをくぐる
その先で交差点は息 ....
響いているのは雨音
夜が深くなると
それはいつか
遠い海に似てさざめき
わたしは
波に洗われたひとつの貝を思う
ところどころが欠けた貝殻は
すこしの闇を内包しており
誕生からずっと ....
ボクらはお茶をわかして
お菓子の交換をしました
冬のある日
おねえさん達の
おしゃべりは
永遠の謎です
http://www2.bbweb-arena.com/banzawa/02 ....
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