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ぼくは詩人
夢は自分で見るもの
そして自分でつかむもの
今日もまた
朝の散歩をしていると
少女に出会いました
道ばたに
持っていた枯れた草花を
やさしく蒔いていました
....
抱きしめると
あなたが
ガラス玉の寄せ細工に
思え
はじけ飛ぶ
その寸前を確かめたくて
そっとぎゅっと
力を入れる
と、
あなたは
小さな咳をするので
腕をゆるめて
顔 ....
春、という5月の
光って市ヶ谷の駅の光って階段の小さな窓の
(その駅は、黄色い線の入った電車が水のほとりを走るところの)
ちいさい音楽を
グレーをつつみ隠す太陽色の平行四辺形が4つに
手のひ ....
ぼくは詩人
多くの生まれてきた言葉を選ぶとき
それは選ぶのであって
捨てるのではない
今日もまた
朝の散歩をしていると
ツツジに出会いました
黄緑の葉の上を赤や赤紫に染め ....
閃光を浴びる波打つ腕を貫く
静脈の彼方から、疲弊した虹彩がため息を吐く。
朦朧とした街は、たえず銑鉄を溶かして
都会の人々の苦悩の鋳型を作り続けている。
すべての窓には、水がなみなみと注がれて ....
あなたが大声で「ロバの耳」
とか叫ぶ意味が判ったわ
解き放つのね 何かを
解き放ちたいのね 何かを
あなたはこの町一番の床屋
それは誰もが認めていて
あなたが決めた髪形に
誰も逆 ....
ぼくは詩人
孤独を感じたとき
それは自我への認識である
今日もまた
朝の散歩をしていると
少年に出会いました
1人ぼーとして
土がむき出しになっている
広大な畑を眺めて ....
ぼくは詩人
静は動の中にあり
動は静の中から生まれる
今日もまた
朝の散歩をしていると
雷雨に出会いました
家を出たときから
ゴロゴロと遠くの方で聞こえていた
ちょ ....
10センチメートルに
来てはくれない
ので
美しいオーツーと
悲しいシーオーツーが
かすか、乱れ
誰かの名として震えては
10センチメートルの位置で消 ....
タンタンタン
ぼくは『かえるのうた』をうたえるようになった、カエルのカスタネット。
いつもぼくとあそんでくれる、ともちゃんが『かえるのうた』をおしえてくれたの。
ともちゃんは、とてもものしり ....
湿気ばかり多くて
気温が上がらない夜は虫なんかの
季節を送る歌など気にせずに
眠ってしまえばいい
閉じた瞼の裏が
奇妙な色に透けるのはまだ生きている
証だと思えるのなら
眠ってしまえ ....
希望は風に細切れて
愛は化石に埋もれた
思い出は酒の波間に漂って
一口飲めば目から零れた
世界の終わりに宝石はなく
ただ涙だけが幾重にも輝いて
三つの絃が語る未来と
孤独が朗 ....
それがどこから降っているのか
何時やむのか
今がいつなのかもわからない黒い雨
傘の中に閉じ込められた
空気の湿った匂い
耳を塞がれた胎児のように
雨に打たれたまま眠っていれば
だ ....
ぼくは詩人
自分では新鮮な考えと思うことは
他の人も考えていたり
また昔から思われていることが
多いかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
猫に出会いました
ぼ ....
混沌とした世の中
自然はしゃべらなくとも
何かを語っている
人の心にオニが宿る
人の心に天使が宿る
長く寒く暗いトンネルを抜けると
しばしの楽園
安らぎの季節
....
ぼくは詩人
思い込みというのは
時として美しいが
得てして真実を追求しない方が
いいのかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
中学生の女の子に出会いました
通学 ....
寄りかかった柱の
きずあとを指でなぞる
地面すれすれまで
しおたれた こいの
恨めしげな ギョロ目
ソヨともなびかず
すみきった あおは
....
ぼくは詩人
自分を願うことよりも
他人を願う願いこそ
自分への願い
今日もまた
朝の散歩をしていると
短冊に出会いました
神社の境内の中に
堂々と祭られた太く大きな竹の ....
薄曇りの空がからだを湿らせるだけの
ちっぽけな夜だから追いかけてみる
西の地平に月
最後に沈んだ
星の名を知らない、と
静かに胸に沈めた備忘録
この体は赤道儀だ
....
ぼくは詩人
ふとした疑問を考え始めると
その流れは勢いをやまない
今日もまた
朝の散歩をしていると
水のせせらぎに出会いました
生い茂る葉の下をくぐりぬけ
心地よい{ルビ ....
遠い
いつになく
ほそく笑む
青ざめている唇に
小指で すっと紅をさす
星は 、
籠の小鳥と目が合った
さみしい というわけではないけれど
痛むのはなぜ
こんなにも嬉しい朝なのに震え ....
あれは人の形をした始まりだから
哀しいことだ
指の音楽が散乱する部屋
色のない幸福
乱反射する
使えない傘を持ったまま
満月の夜に干した
洗濯物は乾かない
あれは哀しい ....
長い髪を引かれた後に、残していった重さ
開いては閉じて、を繰り返す手のひらに
理由を隠す隙間なんて、どこにもないことに気付く
もうここにはないもの
空をかき混ぜた手
海から斜めに ....
水見える能力
ある晴れた日の空の下
干したばかりの洗濯物の
内包された水溜りを
始めて見たのは 何時の事やら
いくつもの柔らかな固まりは
それから数時間かけて
風に ....
ぼくは詩人
詩であれ絵画であれ写真であれ
題材を探すのではなく
題材の中に入るものかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
春の花々に出会いました
水田にそばでは
....
横顔しかない女の人が
土木事務所の壁に
縦書きの落書きをしている
ビニル袋いっぱいに
梯子を詰め込み
狭い路地を走る子供
その影の跡を
母親が掃除しながら
やはり走る
隣 ....
高村さん お元気ですか! お忙しいんですか!
しばらく書き込みがないから 案じてます
猫目石さんもエールを送っておられますよ
私たちには春4月は多忙な季節です
人類は好き勝手に忙しがってま ....
祖父が死んだ夜、私は世界の夜たちが一斉に瞬くのを知覚した。私はそのとき、一つのうつろな音階として瞬きの中に捕えられ、祖父の死んだ情念に触れた。その日、夜は間違いなく私を通過したのだ。背面から視界に向 ....
ぼくは詩人
人は人として失いつつも
失った以上に人と成す
今日もまた
朝の散歩をしていると
タンポポの綿毛に出会いました
めしべと花びらを落とした
小さな子房はがくを翼に ....
先週教室のみんなで飼っていた「リス」が死んだ
死んだというか「窓」から逃げたのだ
クルミを食べるときに動くほっぺや小さな歯
かごの中を走ったりしているときの爪のかりかりする音
たいそう人気者の ....
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