化石の荒野
アマル・シャタカ

希望は風に細切れて
愛は化石に埋もれた

思い出は酒の波間に漂って
一口飲めば目から零れた

世界の終わりに宝石はなく
ただ涙だけが幾重にも輝いて

三つの絃が語る未来と
孤独が朗々と歌う過去
そして
ただ闇雲に青い今

葬り去ったはずの面影に
どこか遠くで鐘が響く

青いバラを挿したその胸に
いつまでも捉われて
破滅の荒野に唯一人
愚か者は化石を掘る

愛が化石か
化石が愛か

涙が刻む五線譜を鼻歌に
終わり来る世界と杯をかわし
あなたの胸で眠るため

愛が埋もれた化石の荒野
世界の亀裂
あなたの心


自由詩 化石の荒野 Copyright アマル・シャタカ 2006-05-02 00:25:52
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