ぽえむ君−純愛−
ぽえむ君

ぼくは詩人

思い込みというのは
時として美しいが
得てして真実を追求しない方が
いいのかもしれない

今日もまた

朝の散歩をしていると
中学生の女の子に出会いました

通学の途中
何か落ち着かない表情で
誰かを待っているようでした

道の向こうから制服を着た
男の子が歩いてきて
女の子は彼を見るとすぐに
顔を赤らめ視線を下にしました

その雰囲気はすべてを
理解させてくれました

今どきにしてはちょっと珍しい

彼が近づくにつれ
そわそわと無駄な動き

彼は日常を保った
いつも通りの学校へ

ぼくは思わず
がんばれ
と彼女に心の中で声援

ついに彼女はポケットから
手紙を取り出し彼に話しかける

 あ、あの…

いよいよかと思った次の言葉は
意外でした

 こ、これ、ごめんなさい

彼女は彼からもらったと思しき手紙を
彼に返したのでした

きょとんとして立つ彼は白かった
ぼくもまた心が真っ白

走り去っていく彼女の制服だけが
紺色でした

気持ちに言葉はいらない

明日もまた

言葉のない詩を作りたい


自由詩 ぽえむ君−純愛− Copyright ぽえむ君 2006-05-01 13:44:54
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