ぽえむ君−雷雨−
ぽえむ君

ぼくは詩人

静は動の中にあり
動は静の中から生まれる

今日もまた

朝の散歩をしていると
雷雨に出会いました

家を出たときから
ゴロゴロと遠くの方で聞こえていた

ちょっとの間だけなら
降ることはないだろうと思って

でも
轟音とともに黒い雲はぼくに向かって
銀の直線を投げつけてきた

蝶や鳥は葉や林の中へ
少し前々まで開いていた花々は
花びらを閉じて身をかためる

夜かと思わせるその雲は
空を支配する

ぼくは走った
服が濡れるからではなく
その世界から逃れたい

全身ずぶぬれになりながら
足が重い

空に響く雷は
ぼくの心には入りきれない
何度も鳴り響く

草木に当たる水の音が
少しずつ
少しずつ
小さくなる

背中から弱い光を感じる

林の奥からチチチッと
鳥が鳴きはじめた

緑の葉に銀の粒がちりばめられ
花は潤うかのように
色に光沢が加えられる

新たな世界のはじまりが
そこにはあった

気持ちに言葉はいらない

明日もまた

言葉のない詩を作りたい


自由詩 ぽえむ君−雷雨− Copyright ぽえむ君 2006-05-02 12:02:25
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