ぽえむ君−春花−
ぽえむ君
ぼくは詩人
詩であれ絵画であれ写真であれ
題材を探すのではなく
題材の中に入るものかもしれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
春の花々に出会いました
水田にそばでは
レンゲ草の
白と赤がやさしくぼくを迎え
シロツメ草は
シャボン玉のように飛びまわり
ヒメオドリコ草も
紫の頭で自分を知らせ
奥ではノゲシの花が
黄色くささやいている
少し歩いただけでも
まぶしいくらいの黄色を放つカタバミ
ほかの草にからまりながらも
淡いピンクを奏でるカラスノエンドウ
足元をみればオオバコにも気がつく
それらはまさに春の色
春をすべて集めたこの風景にとって
どの言葉も通用しない
ぼくはただその題材の中にいる
気持ちに言葉はいらない
明日もまた
言葉のない詩を作りたい