ぽえむ君−玉響−
ぽえむ君

ぼくは詩人

自分では新鮮な考えと思うことは
他の人も考えていたり
また昔から思われていることが
多いかもしれない

今日もまた

朝の散歩をしていると
猫に出会いました

ぼくと目が合うなり
のそのそと草むらの方へ
ぼくの方に振り向き振り向き
どこかを案内しているようでした

静かにあとを歩いてみると
草むらの中に大きな板が
敷いてあるかのように置かれていました

その板はお店の看板でした

 玉ゆらの宿

今はこの猫が主人なのだろうか
角にちょこんと座った猫に合わせて
ぼくは板に靴を脱いで
上がらせてもらいました

それにしても古風な名前

ふと
昔の人の歌や言葉が湧いてくる

ぼくはその宿の名前どおりに
春風を周りの草の匂いと感じながら
心を休むひとときを過ごしました

気持ちに言葉はいらない

明日もまた

言葉のない詩を作りたい


自由詩 ぽえむ君−玉響− Copyright ぽえむ君 2006-05-01 22:06:59
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