ぽえむ君−精選−
ぽえむ君
ぼくは詩人
多くの生まれてきた言葉を選ぶとき
それは選ぶのであって
捨てるのではない
今日もまた
朝の散歩をしていると
ツツジに出会いました
黄緑の葉の上を赤や赤紫に染め
初夏を世界に知らせつつ
芝生の海の上に浮かぶ
時おり雀がその海を渡るも
花に隠れたミツバチの姿を見失う
開花したその花は人に言葉を生ませ
心にも詩にも潤いを与える
多くの言葉は無限に広がり
心の海にもさざなみとなり
深い底までも浸透する
雀が飛び立った静寂の中に
今度は蝶が蜜を吸いに
花に下りてきました
気持ちに言葉はいらない
明日もまた
言葉のない詩を作りたい