落下する、天使
AKiHiCo

定規で垂直に線を引いたように
羽ばたけなくなった羽根は
風の抵抗を受けて揺らめいている
金髪に似た銀髪が諦めた風に
静かに空中を落下する
僕は自分の流れる髪を眺めながら

どれ程のスピードで落下しているのか
視界に映る世界は素早いようで
時折ゆっくりな気さえする
僕はこの後どうなるのだろう
羽ばたけない羽根で
なびく銀髪だけが僕を支えている幻視

やがて地面に辿り着く運命で
叩き付けられてぼくは壊れてしまう
いつから飛べなくなったっけ
神が僕に与えた物は白い羽根なのに
それに依存しすぎた僕がいる
両手を拡げれば再び風を感じ取れるだろうか


自由詩 落下する、天使 Copyright AKiHiCo 2005-08-15 03:14:47
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