すべてのおすすめ
13で終わる貴女
一つ明かりが在ると云う
握る手の熱さに想わず
見返すその顔 、
此処こそ終わりの始まりと
今宵 緑なす
グラウンドに
何時からか
寝そべる男、
半月の光響き銀の色
時を染め抜き刻む音
聴き入る
男の眼瞼
俄に
痙攣し、
到来する時の間に間に
風吹き流るる光 ....
静かな空はまたいつもみたいに太陽に照らされ
夜の闇をまるで知らなかったかのよう
いつもより少し青色が強く
それがまたいつもより元気なアピールかのようで
それを応援するかのように ....
冬の夜空には、三日月、
その視線のさきには、ひとつの星、
まるで、かつての、僕と母、
みたいな、
毛糸の帽子をかぶって、
なんだか無性に微笑ましい、
おぼろげな記憶のまま現在になっている、 ....
ベージュのカーテンで仕切られた三畳ほどの病室は
ゆったりと温かく眠りを{ルビ誘=いざな}う
母の胎内に浮かぶように
睡魔に襲われ入眠時間を間違えた
10時に薬を飲むはずが8時40分だったの ....
光の風に乗り
青みのみちゆく
この街角にて
すこしずつ時の過ぎゆき
みちみちた青みの吐息し
蒼白の波のうねり
重ねに重ねられ
この街角から
逃れゆく光の風の貝殻の
波打ち ....
地下牢に閉じ込められて{ルビ幾年=いくとせ}か
サラリ サラサラ 銀の砂
凍えた肩に積もります
サラリ サラサラ 金の砂
閉ざした心を放ちます
いつの間にか手枷足枷は外れていまし ....
晴れ渡った冷たい青空のもと
中庭の木製ベンチに座り
板チョコアイスを噛っていた
銀杏の葉がつむじ風に舞いながら
ぼくを襲い
ペタペタと黄葉が身体に張り付いた
落ち葉 ....
昨日届いた喪中葉書
十二月が、いそぐ街道で
歩むわたしの跡に光っている
薄いオリエンタルブルーの粘液
これは体のタンパク質と
多糖分と大量の水分
角が右も左も交互に ....
やっとのことで傍まで来た
ああ熱情
文字すら吐息まじり
すぐに結露して
景色を曇らせる
一瞬見えた地吹雪の荒野
温度差はどれほどか
そのまなざし
大きなはめ殺しの窓
....
みぽりんが死んだ日に
アダモちゃんが死んだ
初恋は浮力で去ってゆき
今では老骨に鞭打ち
何処かで働いている と
みぽりんが死んだ日に
アダモちゃんが死んだ
悪趣味の元2チャ ....
インサイダーであることは
信仰なんだと
アウトサイダーだけよりは
いいんだと
単に臆病なんじゃとか
科学ではないんかとか
それはまぁいい
信仰ならば
インサイダーのほう ....
美しい海を観たよ
寄せては返す波しぶき
{ルビ碧=あお}く{ルビ零=こぼ}れた涙色
{ルビ仄=ほの}かに白い月は頬笑み
もうお帰りと{ルビ諭=さと}された
....
きっと
さむい朝だった
口もとを曲げてぐずぐずしてる私は
母に手を引かれ一軒家の自宅を出ます
庭の垣根に糸の付いたミノムシが一匹
若い母は指先で糸を摘み
「ほら」
....
{引用=
いつからか、おなじ風景をみていて その光景が、なにか いつもと違っているような、そんなふうに想えるような どうしてか、陽射しの注ぐ よく晴れた日のこと
ひとの話し声や、遠くのひとかげや ....
毎日むなしさを
通り越してしまい
虚空の身体に響き
吐き気まで感じる
それでも多忙か
このパノプティコン監獄ロックを生き切れ無いなら
空の青悲しいセンチメンタルジャーニー生きるべし
ただし、謙虚なフリして実は他者を見下してる
自己欺瞞のカタマリになって無い限りでは だ
....
山裾の丘陵地
総合病院の裏出口から
人通りすくない小道を往くと
閑静な民家の中にログハウスも立ち並ぶ
金網張られる路端に
あかるんできた雨空をあおぐ朝顔が
緩い風の懐であ ....
白いテーブルに散らばった、
古い痛みと哀しみが
碧色のガラスの欠片とともにある
陽の当たる部屋から外を覗く
破れた写真をページに挿んで
永く閉じている本の背表紙に触れる
想い出は、夢の ....
世界は、ただ一枚の絵だけ残して滅んだという。いったい、だれの描いた、どの絵として残ったのであろうか? あるいは、世界自身が、世界というもの、それ自体が、ただ一枚の絵になってしまったとでもいうので ....
松本さんは
おはよう。こんにちは。こんばんは。
精一杯振り絞るように挨拶をする
今までそれも無かったと看護師は言った
回廊でぼくの袖を引っ張り
彼は時計を差し出し
何かを聞きたいらしかった ....
○「辞世の句」
辞世の句には
その人の人生が集約されている
まことに尊い言葉である
豊臣秀吉
「露と落ち 露と消えいく 我が身かな 浪速のことは夢のまた夢」
吉田松陰
「身はたと ....
星降る夜に
思い出になったはずの
記憶がよみがえる
後悔というよりも
自分の情けなさをかみしめる
あの時電話をしておけば
いつもと変わらない君の笑 ....
空の青がとても悲しくて
黄色い銀杏の葉が飛ぶ時を待っている
中庭に降り注ぐ陽射しは眩しくて
{ルビ眼=まなこ}を閉じて五体を開き暖をとる
ときおり吹く風は透明な北の便りを運んできた
午後 ....
朝の冷たく透明な空気を吸って
土手路を歩き
川面に浮かぶ鴨を数えたら
六羽が静かに泳いでいた
鴨鍋にしたら何人前になるだろうか
などと考えながらコンビニへと向かう
紫と白い小さな菊が寒 ....
金の星の光 滴り落ち
ひとしずく ひとしずく
名も無き人に うた歌い
響かせ 刻み付ける 自らを
金の光の涙充ちて溢れ出し
寄り添い馴染ませながら突き放し
一雫 ....
現在だけしか感じない 001
ルモンドの美味しさに
うつつをぬかしていては
僕たちの前に現れた
ペガサスは宙を駆け巡らない
紅葉シーズンの修学旅行 の
バスから降りた集 ....
そろそろと人間が影絵になる頃
通い路の柳がそのうでを
わたしのほうへ
やさしくのばす
はらっても
はらっても
しなやかなそのうでは
あきらめることがない
からめとられたら
わたしも
....
冬の石畳みの
陽だまりを愛しながら
時計の針で刻めない
とおい未来から届く昨日を
思い起こしてみる
追いもしない記憶に追われもせず
そこに立ち止まって
年齢を重ねる自 ....
昨日、みぞれ交じりの雨が終日降り続き、積った湿雪はさらに重く
あたりを一面の白さに塗しつけている
どこからともなく、なけなしの高揚した気持ちが芽吹いてしまい
はずかしいくらいの言葉を書きなぐ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63