すべてのおすすめ
日曜は朝寝
もっちゃり十時に起きて
思いついてラグを洗う
本格的な梅雨前に
サッパリした畳にしてやろう
ラグの洗濯に難儀していたら
心配そうに風呂場を覗く顔
....
一
胸と背中に挟まれた
狭い胸郭のお立ち台で
夜もたけなわと、踊る心臓
ドックドックと五月蠅くて
寝返りを打つベッドの独り身
いっそのこと、止まってくれれば
永遠の眠りに ....
拡がる畑の作物の緑が吹き抜ける風に揺れ
聳える樹木の潤沢な葉々は揺るがず
黒い嘴に薄っすら青い毛で覆われたフクロウの如き鳥が
あちらこちら無数無数留まり細やか敏捷な動きで羽繕いし
ゆったりゆっ ....
お前の臓腑の中で冷たく湿った夢に溺れたい、外気温はウンザリするような数値を示しているだろう、でも俺はそれを確認したくない、もしも俺が銃であれば二度と目にすることも出来ぬくらい綺麗に破壊するだろう、 ....
わだかまりを引き摺ったまま
辿り着いた朝
とびっきり苦いコーヒーで
昨日を飲み下す
垣間見る液晶は
物価高とゴシップと
ヒトやモノが傷ついた話ばかり
息が詰まるような気が ....
一
目ざめの雨音が
昨日の悲しみを洗い流す
クズと呼ぶ声、狂った手もと
外した目論見、無残な成果
傘を置いたまま外に出て
頭から水に打たれると
体温と記憶とが
皮膚から剥が ....
あの頃 樹にもたれて 眠っていたきみを
切り裂いたのものは
きっと 誰かの作り話で
仔猫が、お腹を空かせていたのだろう
という 事になっていて
なぜないているの
と ....
銀箔のヒビキ
青みがかり
深く深く
ヒカリ放ちて 、
たたずむ人の三の狭間に
天空直下 月灯りに照らされ、
救われることなく只々掬う手差し伸べて
治療したはずの前歯が欠けてしまった
すぐに治療して欲しいと歯医者に電話で頼んだら
のらりくらりとはぐらかされて
繰り返し予約日時を予告されるだけ
壊れた機械のように
仕方なく直接出向いて ....
何を書いてもどんなことを書いても
非難されるのではないかと怯え
書くことさえ躊躇う
私の浅はかな行為が創作に死をもたらしたのだ
それは誰も伺うことのできない
私にとっての大きな罰
....
誰にもわからない言葉で僕に伝えてほしい
君の言葉を待っている
ただ君の本当の心のうちきかせて
そっと耳元で囁くだけでいい
君が発する言葉一つ一つが僕にとって心の糧となる
君にしか伝えられ ....
僕に大丈夫だと言ってくれた
人がいて
嬉しさが込み上げる
背中を照らす太陽
自転車での帰り道
ひとり
言葉にならないことを
言葉にしたかったから
そのための経験だと
思おうと ....
群青のうねりと尖った氷山をかき分け
巨大なヤツが俺を片眼で睨んだあの日から
俺は毎日1インチの縄をキリキリと絞り
玉鋼の銛を鍛えては研ぎ続け
ラム酒をあおってはヤツを呼ぶ歌を唄ってきた
....
脳髄の中、
後頭部上辺り
思考の言葉 、
私の意志に従い
ながら刻まれつつ
意識の内に響く時々 、
繰り返し繰り返されながら
次第に意識の私の空の容器となり
地の重力の ....
ーぼくのブログを見ないでほしい
というブログを目にしたので、僕はブログの中身を開けて読んでしまった。
ーぼくのブログには見たこともない惑星の
読んだこともない言葉で、わかれ(◑★⇄)が告 ....
普通の自分に戻る為に
何年か費やした
そろそろ終わりそうだ
軽率な癖に傷つきやすいから
大怪我を負うこともあるけど
それを笑ってくれる人との出会いが
僕をここまで連れてきた
普通 ....
時の澱みに
いほり透く迄
生きるのみと
痛みの試練
課される苦悩
互い違い襲い
事を異にする度
新た宙宇の残響
血流の尚激し
瞑目意識の視界
にほひ立つ迄
光エーテルの
溢 ....
ふわっと、
花びらが舞いあがって、
春風が、
まるで透明なウェーブをかけた毛髪のようだ、
もはやとほい昔の
父親の葬儀の折、
一番哀しそうな
顔をして居た
普段一番欲深かった叔母さん
昨夜の夢に出て来たのは何故だろう
そう云えば今夜は満月なのだと
ふと想う
天空 ....
思いついた時にすぐ書いておけば
よかったもの
いくつあるだろうか
それはつまり忘れてしまったもの
数えられなかった
あの時黙っておけば
よかったもの
いくつあるだろうか
それはつま ....
シーズンを過ぎた大農家
私以外に
東京から来た青年一人
私の話す方言が嫌いなので
話しかけないでほしいと言う
ほほぅと思った
ある日の朝
東京青年と軽 ....
眼前に ぶるり
震える頬の
密度、
何を識ろうか その想い
絶えて久しい肉身の刻印 、
ぱっくり開いた
ぬめる漆黒の口に
呑み込まれる
最低地点でこそ
初めて観識り得た、
....
小学校四年生のときに読んだ『フランダースの犬』が、すべてのはじまりだという。実際、彼の作品は、神を主題としたものが多い。二十代までの彼の見解は、サドが『閨房哲学』の中で語ったものと同じものであった。「 ....
水蒸気が立ち上り
白く烟る農地
遠くには八ヶ岳
折り重なり連なる
パッチワークのそこかしこに
夜明け前から働く人たちが点点点
深く吸い込んだら
山の精 ....
ウメが好きといっていた母が亡くなり
十三年もたち忘れていたころに
実を結んだことで思い出話しの花が咲き
居間の隅で笑っているご先祖様に会釈して
今日一日がやっと終わろうとし ....
死なない日の朝は
母の優しさが欲しかった
歪な世界の片隅
私にしか見えない景色
いつも途中で終わる
意味不明の夢の経緯を
母は聞いてくれた
覚えていますか
夢の途中を
....
女は朝早く家を出て行って、俺は彼女の最後の言葉をシンクの中で火葬する、昨日まで続いていた雨は止んで、ブルーの薄いスクリーンが貼られてでもいるように空は均一に青い、真夏の様な猛烈な光と熱が暴れ始めて ....
私の肉身の
今を生き生きと
筋肉の盛り上がりいき
けれども
着実に滅びに向かい、
私の魂の
今に思考し感じ行為し
未来を切り開きつつ
けれども
眠り入れば意識失い、
何一つ保証 ....
ずらっと並んだ白い大根
土で茶色く汚れた太い脚を晒し
眩しいほど鮮やかな翠の髪を銀色の網目に垂らす
井戸からひかれた冷たい井戸水被っても
気持ちよさそうに水滴浮かばせ
脚を組み自信ありげにそ ....
車窓から見える白樺の森
希望の街を後にして
着いたのは無人駅
ボストンバッグを肩にかついで
見渡す景色に唖然
世界でたった一人になったかのよう
同時に
心 ....
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