陽はひらき
もの皆きしみ
葉を迷い
土へ降る色


曇をせばめる音は冷え
路はひととき白くなる
風に生まれる幼いまだら
水たまりの空のはじまり


ゆがみを抱いた黄 ...
 
 
世が世なら

「どこでもドア」で
君に会いに行けるのに


世が世なら

ふたりニュータイプで
解りあえるのに


世が世なら

風の谷で
平和に暮らせるのに ...
霧の朝僕は
白い虚しさにまかれる
あるいは
あるかなきかの徒労に
世界は音もなく沈んで
僕一人を孤立させる部屋
あの夏の日
彼女が湖水に指をすべらし
その音のない{ルビ水面=みなも}を ...
やりたいことがあるならば まず目標を定めて
自分の棚卸をしなさいと
本に書いてある
棚卸とは会計で使う言葉で
自分が何を受け取ったのか
自分が何を支払ったのか
自分の元手は何か
自分の返 ...
都会の中の植物園は
いつも静かなまま
大きな木の根は
下水道や地下鉄よりも
ずっと浅く
かすかでしかありません
雨をしのげる大きな葉が
静かに広がる

都会の中の植物園は
いつも黙 ...
夜も根津に三日三晩太り続け
国へ帰ることを決意した
氷点下の愛娘は午後を食い散らかし
ポツリポツリと降り注ぐ体毛に分け入ると
へその辺りになんと小さなほこらを作った

ぎゃーぎゃーわいわい ...
世界はすでに水没していて
君の名を呼んで駆け寄る時も
僕の口から無数の気泡が空へ昇る
この環境に不慣れな僕は
まだ少しだけ息苦しい

澄み渡る空の半分がメタファーになってしまった
誰かの ...
かわつらさんの奥さんは
精神を病んでいるそうだ
深夜
誰も居ないキチンで
皿を一枚ずつ割るそうだ
あの夫婦は
せっくすれす
だから
ってすずきさんが言ってた
そういうすずきさんに ...
くすぐったい
くすぐったい
可愛い君の吐息

やわらかな朝
淡い光の中で
そっと息づく白い小さな花

無邪気な君の微笑みは
僕をやさしくしてくれる

くすぐったい
くすぐったい ...
冬の中のジャングルジム
僕登り
君降りる
色とりどりの鉄パイプをカサカサの手で握って
きのうは一晩中雨が降っていたので
手のひらが濡れるよ
嗅げば鉄のにおいがする
僕はとりあえず天辺まで ...
午睡のさなかにある子らの
頬に翳る
おだやかな昼下がり
行進
 行進
行進
  行進
チェシャ猫は唇に
笑い笑い笑い
チェスゲームは再開
矛と盾が衝きあう
伽藍に響く泣き声
祝 ...
救急車が近づいて遠のくてっぺんの通過点で何の皮膚をつつくのか
酔い宵の空気からんからんいつの間の間の疲れてヨウ宙に浮いているよ
ぼくら人間はやわらかいよ簡単だサクリサクリ、とか
フロム月
レデ ...
 言葉は音を伴う。
ちいさな音は大きな音に呑み込まれて、ちいさな言葉は擂り潰されてしまう。
耳を澄まさなければ聞こえない、そのような叫びがあるのだ。
大音声のなかで生きるしかない世紀に、沈黙は余 ...
この土地が
湖や海のやうに
青空や星や月を
映さないからといつて
卑しめてはならない


何といつても
この土地には
{ルビ人間=**}が住んでゐる


夜の闇しか映さない
...
「最初で最後の、黙礼を交す」



いまはむかし
(この{ルビ宇宙=そら}もなかったころ)
それは無としかいいようのない、事象でした
そんな折に私は、
星占いをゆめゆめ零さぬようにと、 ...
突き刺さるケイタイ抱きし子の寝顔 引き上げて欲しくて
手を伸ばそうとして下げた


泣きたい 叫びたい 触りたい
そんな衝動をどうしようもなくて
笑う以外の方法が見当たらないの


おはよう

ご ...
白い光の下で八月はゆっくりと腐っていく
粉々に飛び散った十四歳の欠片たち
世界など終わればよかったんです
世界など終わればよかったんです

恐る恐る触れた背骨の上に走る電流
鎖骨に ...
{引用=わたしのからだが
一秒ずつ 剥がれて
浴槽の底に積み重なる

さわると
あかるい蛍光灯のように
熱く ひかり
はじかれたとおもうと
くたり と しおれた}


彼のみぎは ...
あ、と
きみをおもいだすのは
たぶんとても自然なことで
それでいてとてもいいかげんだ

ことばのあいだのくうはくに
わたしたちは寄りかかろうとする
かなしいのかたちをしたよるが
よろけ ...
あたし、くちびるが花びらで
いつも
ちょっとしょっぱい

くるしい感情はおっぱいがつくってて
って言ったら

すぐわらうきみです


あたしの
おっぱいはまるい
人並みにまるい ...
体育館のジム
一定のリズムで筋トレしている男
耳にはポータブルプレーヤー
顔には無表情 もしくは集中
体には戦い 汗


タバコを持って出て行った

ああ
その営みに
私は悩まし ...
 
僕の好きな温度
 
僕の好きな湿度
 
摂氏5℃ 湿度20%
 
この腕に眠る君は何を見ていたの
 
僕の居心地のよいこの場所は
 
君にとって少し寒かったの
...
まいとし
たんじょうびがくるたび
きもち
のつまったいれもののかたちを
のーとにすけっちした
ちいさなころは
はーとがたが
あっとうてきたすうだった
すなどけいとか
かびんとか
...
ラジオで流れたちょっと古い歌に
思い出す学校の教室
見上げると野焼きの煙
校庭の空にあいつはいない

  工場跡がショッピングセンターにかわる
  空を割っていた煙突が消えて
  秋の花 ...
まるで
淋しさを塗りこめた顔

化粧をした顔しか知らない女が
人肌の温度をした湯で顔を洗い流したときの
薄暗い失望

くちびるを手繰り寄せる
失望の詰まった袋にある
ほつれ ほつれ
...
失恋は感傷に浸るためにある
そんな捨て台詞
あなたは残し
ひとり、わたしは取り残されて
遠く過ぎ行く機帆船の陰に
絶望の甘い涙を流す
(白い砂浜で貝殻ひとつ拾った
身体の隅々にまで刻まれ ...
指を絡めて、乾いた唇をそっと食む
カルピスの味、がする

喉にねっとりとべたつく原液を
そのまま飲み下す

甘いものでいっぱいになれば
傷から染み込んでたものは
溢れて流されていく?
...
蝋の羽根を手折って

身体ひとつ飛べ

陽に灼かれて墜ちたなら這ってでも

光に眩んで盲(めし)いたなら 耳を立てて

澄まして


心音を聞いたなら行け

望みを抱 ...
 人里離れた静かな丘に立った
 風が悠々と流れる様を感じながら
 子供の頃にみたような記憶のある夕陽を眺めた
 息を呑むような迫力、美しさ
 ゆっくり、ゆっくり西の地平線に落ちて行く
 その ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
ひとつ めぐる木立 悟自由詩406/11/2 16:39
世が世なら橘のの自由詩306/11/2 16:29
霧の朝僕は石瀬琳々自由詩12*06/11/2 16:28
会計的な詩イダヅカマコ...自由詩6*06/11/2 16:11
都会の中の植物園はぽえむ君自由詩8*06/11/2 14:50
果て無き空腹の果てに不老産兄弟自由詩106/11/2 14:42
水没した世界yukimu...未詩・独白1*06/11/2 14:25
近所のひとたち吉田ぐんじょ...自由詩1406/11/2 13:24
カスミソウ未有花自由詩12*06/11/2 12:52
冬の中ジャングルジムで水町綜助自由詩5*06/11/2 12:32
或る日竜一郎自由詩006/11/2 11:36
ボディ冷nm6自由詩406/11/2 11:35
「図書館では お静か に。」竜一郎散文(批評...0*06/11/2 11:21
いのちの灯杉菜 晃自由詩9*06/11/2 10:09
星と礼こしごえ自由詩20*06/11/2 9:23
父娘WILLY俳句106/11/2 9:07
去年と今を繋ぐ恋愛詩瑠音自由詩106/11/2 8:23
Août pourriUtakat...自由詩206/11/2 7:18
金木犀自由詩7*06/11/2 4:33
ユーフォルビア・レウコケファラ自由詩7*06/11/2 4:22
ダリアみい自由詩706/11/2 1:52
男の戦いに見るのはもち子自由詩2+*06/11/2 1:43
摂氏5℃ 湿度20%れるむ自由詩106/11/2 1:40
きもちアンテ未詩・独白206/11/2 1:11
僕たちはあの頃にいないたりぽん(大...自由詩906/11/2 0:20
ほつれた糸を引っ張るユメアト自由詩206/11/1 23:53
冬の蜃気楼恋月 ぴの自由詩28*06/11/1 23:52
甘いものに騙されていたいユメアト自由詩206/11/1 23:48
『イカロス』しろいぬ自由詩106/11/1 23:34
時が止まった山崎 風雅自由詩606/11/1 23:23

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加筆訂正:
偽の刃/かぜきり[06/11/2 14:12]
題名のみ残して書き換え。
星と礼/こしごえ[06/11/2 10:01]
第三連最終行、やはり、「自由へ流れます。」を「自由に溺れてしまいます。」とすることにしました。
パリ/もも うさぎ[06/11/2 8:02]
一言加えて、一言消した。
6.15sec.