風と体
まほし

あっ、わたし
ふきとばされにきたのかもしれない

冬の砂浜では髪も波打って
耳も引きちぎられそうに寒くて
 ワタシヲ
 マモッテキタハズノ
 カタイカラサエモ
泡となっては
あとかたもなく消えていく

ただ、ひとり立っていることだけが
たしかになって
コートのせんいのすきまから
さみしがりやの風が
忍びこんでくる

そう、きみも、いっしょだね

両腕でぐっと
風に包まれた体を抱きしめたら
芯から潮の匂いがした




自由詩 風と体 Copyright まほし 2006-01-30 07:04:55
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