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閉店間際のショッピングモールで、
世界で一番安く靴下が手に入ると友人は言っていたけれど、
生憎、今日は雨降りだから
せっかくの靴下が濡れてしまうね。

それはそうと今日、仕事帰りに駅で外人に ....
 耳という耳を串刺しにして歩く避雷針。
レコードの針。世界を夕暮れにするための音楽。
 
 夕闇の中で僕は、蝙蝠と一緒に飛び回る
真っ白な一羽のニワトリだった。梁から梁へ
飛びうつる大工のよ ....
蝶のように舞うのか蜂のように刺すのか
黒板消しを片手に、
アルファベットの「b」を脅す少女。
俺の靴がゴスペルをしている
扉の向こう、
掃除夫のモップに合わせて
 キリストの父親である男が、玄関の扉に磔となって帰宅する。
彼の三歳になる息子の「オモチャ!!」の叫び声が、戸棚の奥に隠されていた
ぬいぐるみの、スヌーピーのキンタマの後ろ、階段裏の水道管のなかで ....
 びしょ濡れの二人。川岸に這い上がった恋人達。
「永遠はカナヅチなので溺れてしまう」と彼は言った。
僕は、口から水を吐き出す彼女にハンカチを渡した。
すると彼女は「不条理の相方である可能性のよう ....
 こんな所に 靴を置いていったのは誰だ?―
道路脇の藪の中に くたびれた革靴が転がっている。
そこに一台の霊柩車が止まり、棺桶の中から少女が現れる。
彼女は靴に足をすべり込ませたが、いささか大き ....
 ジョンガリアーノは囚人のために服を作った。
サーカスで焼け死んだライオンの葬儀と称して
ズボンには、尻尾が縫い付けられていた。
 彼らは看守がやってくると尻尾を揺らした。
すばやく振ったつも ....
まず
捨てられたままの
目くらのテレビの
スイッチを入れてみろ

おはよう と老婆が
自家製ジャムの瓶に向かって
声をかけると同時に、眠そうに目をこすった
孫たちが起き出すから

 ....
「一日」

「歩」だけの将棋。
まるくてほそい盤面。
太陽の一手と月の一手。
ぼくらは見届けるだけ。

「ドリスについて」

愛していると言わぬこと。
永遠なんてありはしないと嘘つ ....
昨日、中国語教室のある、
ビルの入口から飛び出してきた小学生と
電車の中で席を譲る小学生を見た。
毛沢東よ。あなたの遺した中国は
こんな風に、僕の中で息づいているよ。
一万匹の野良猫たち―。私はそれを
誰もいない地下トンネルのなかで見た。
小さい火花がパチッ、と弾けるのを
「―死ぬまで身体をこすり付け合うのさ。」
イギリス人の学者の亡霊が囁いた。
 まった ....
水底は、くぼませたぼくの手の平と同じ形
あるいは蜃気楼かもしれないそこに
フラミンゴはいない。一匹も。
もう、すでに?
ぼくの手の平には羽根がある。
眠らない詩人は、そこにいる、誰もが眠っている間に
手にしていたスプレー缶を空にした。
彼、彼女が去った後、無数に立ち並ぶ
壁という壁は痙攣していた。
何故って、シンナーの匂いのせいじゃない。
 ....
鉄橋の側で三十分間立っていた。
三十分前は十二時だった。三十年前も。
三十年前はなかった鉄骨がピーンと伸びていた。
甲斐性のない俺の影は砂鉄のように交わった。
磁力に音はなかった。音はなかった ....
私たちは死ぬまで生き続ける。
幽霊は死に続ける。いつまで?

さまよえる幽霊が躓いた。その幽霊は
浮いているはずじゃなかったの?と、
困惑した表情。悲しいのかもしれない。
死んでいるのに? ....
都市の地下には、巨大なトンネルがある。
憶えておくといい。この地面の下にトンネルがあると。
「工事再開まで後わずか―、」一面を飾った新聞記事。
鼠たちは配水管のなかを走り回っている。男たちが
 ....
ガソリンスタンドの自動販売機は
ドリスのために置かれている、なんて話が
囁かれている人気のない小屋。雨風に曝された
プラチック板は、透明というより白濁色。
おぼろげな陽射しにあふれた―、そこに ....
ドリスは世界中の言語を使いこなす。アマチュア無線も。
電波の類はお手の物といった感じで、彼女は
星のあかりさえ消すことができた。
ドリスは注文する。「自画像を描きなさい」とか、
「表現する前に ....
泣いている文字は、
餌を欲しがる豚みたいだ。
間もなくすっかりゼロになる。
幸福よりも興奮を選ぶ世代―、路上に転がる
ポリタンクから危険な液体が流れるように。
 洋服屋の娘は、ハンドバックが見つからない!と
二階の窓からその他一切を放り投げている。
落ちてくる花瓶や本 ....
光沢感のあるベロアトップスの列車が、
ボーダ柄の線路の上を走るシルエット。
三分も経たない内に、次の
大きな国旗形のバックルの形をした駅に止まった。
「ブーツイン」「ブーツイン」
小麦色し ....
タオルに拳銃が包まっている。
「拳銃が欲しいの。」と、彼女は言った。
革命したいんだってさ。注射でも
打ったかもしれない。
 男が町を歩いていると、
彼女と思しき女性に呼び止められた。
先 ....
「それが一番大事」が、
車のラジオから流れている。
はたしてそれが一番大事か?もちろん、と
ぼくはくちずさむ。
「あの人も唄っていたよ」助手席に座る妹が
すれ違った車の運転手を指差して
笑 ....
跡形もない道の上にやってくる、まっつぐな照明シグナル。
一体、幾つの尾根を越えてきたのか?数えもせずに―、
しんしんと、それは鏡のような無銘の星々から飛躍する。
彼方からの鋼鉄の遠吠えに、
お ....
狭いスクリーン。ジャンボジェット機の窓に
たくさんのおつむが映し出されていた。けれど私は、
そこに登場しない場面を見ていた。
きみの瞳のなかから。
そう!その通り
未だ窓は狭く世界は広い―
自由はみな、無重力の選択圏内を潜行している。
そして、揺るぎない遅れを知る。

 しわくちゃな角笛を持ったサンチョ・パンサ
この身を一体此処からどこへ連れて行ってくれるんだい?
 二月の闇に ....
 真昼の冬空 
風は片っ端から雲に形を与えていたが
僕は言葉に出来ず 見つめる視線は気絶した
灰色が潰れた雲の上でジェット機が飛ぶ
ぼろぼろとなった空の鼓膜は 僕の声はおろか 
トラクターの ....
 悲しまないで悲しんでいるような男や女が
広場になだれ込む
梢の上 彼の手は彼女の腰を出発した ようだ
ジュテーム ジュテーム 利根川に雷魚が戻ってきた
またもや文字は泳げなくなった
誰も見 ....
街の箱

そこで遮断機は間延びした挨拶をする
走り出した少年は億劫な表情で振り返る
無益な背中へ 罵声を上げるかも知れない
少年の背後でにじむ夕暮れは
街を陥没させ、
「磔にされた。」
 ....
モリマサ公さんのプテラノドンさんおすすめリスト(30)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
駅ロータリー周辺に降る雨は止まずに- プテラノ ...自由詩508-6-1
- プテラノ ...自由詩3*06-9-3
Re:- プテラノ ...自由詩4*06-4-18
アーネスト- プテラノ ...自由詩2*06-4-17
「祝祭の夜」- プテラノ ...自由詩1*06-3-23
永遠の- プテラノ ...自由詩3*06-3-21
藪の中の靴- プテラノ ...自由詩3*06-3-17
「囚人」- プテラノ ...自由詩2*06-3-10
ゴミ山とテレビの象徴- プテラノ ...自由詩4*06-3-4
『ドリスの一日』- プテラノ ...自由詩2*06-2-19
毛沢東よ- プテラノ ...自由詩1*06-2-15
詩力発電- プテラノ ...自由詩5*06-1-29
「オアシス」- プテラノ ...自由詩2*06-1-28
壁、眠らない詩人と- プテラノ ...自由詩2*06-1-17
鉄の- プテラノ ...自由詩4*06-1-10
幽霊じゃない- プテラノ ...自由詩4*05-12-13
「トンネル」- プテラノ ...自由詩2*05-10-21
『ドリス、ささやいて』- プテラノ ...自由詩3+*05-10-20
『注文するドリス』- プテラノ ...自由詩3*05-10-20
ペテンの詩一篇- プテラノ ...自由詩2*05-10-14
アーケード- プテラノ ...自由詩3*05-10-11
着まわし力抜群!この秋大活躍するトレンディアイテム続々登場! ...- プテラノ ...自由詩6*05-9-21
チンピラ- プテラノ ...自由詩1*05-9-16
帰り道- プテラノ ...自由詩3*05-9-6
夜にとぶもの- プテラノ ...自由詩3*05-8-2
「飛行機」- プテラノ ...自由詩4*05-7-28
roots- プテラノ ...自由詩4*05-3-25
こみあげる景色- プテラノ ...自由詩6*05-2-11
広場の悲しみに- プテラノ ...自由詩4*05-2-8
街の箱- プテラノ ...自由詩5*05-1-23

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