海と空は手を合わせ
真っ白で
ふわふわの
雲のじゅうたんをつくっている
風はごうごうと
じゅうたんを
夕日にひきわたし
夕日は
やさしく
オレンジ色に
染めている
通りか ....
目標のために歩きすぎた男が疲れ果て国道の自販機にもたれる
もはやそれが何のためかも判らず、目はかすみ、喘ぐように
排気ガスと埃に汚れた空気を吸い込む
ああ、あいつの心はもうすぐ折れてしま ....
WARNING!WARNING! (←無駄に英語。笑)
このページには人を不快にさせる表現が載っています。
自己の判断と責任でご覧ください。
あと、意外とテキトーなのでテキトーに見てください ....
皆揃いに揃って終息へと向かう
くたびれた終列車に乗って
規律正しい、けれど弱々しい
街灯の列へと突っ込んでいく
こうやって抜けていく
現実を
夢となぞって
ねえほら、もうすぐ
....
■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□
不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】
第92号 2004/3/27発行
■■■■□■■■ ....
淡い群青の海で
君は溺れる
カタカナ表記の僕ら
未熟な青年果実
病むときもあるのさ
電工掲示板みたいな孤独
握る握る未来
とか
ミルク色の憂鬱
シャツのワールド
....
*
窓辺に置いた椅子の背のあたりから
沈黙が広がっていく
雨の予感がゆるやかに部屋を満たし
そしてひとつの声がおわった
山腹の地下駅は深いトンネルの底にある
プラットフォームに降り立つ ....
+誤報+
夏蜜柑色の
カーブミラーに
映る
途方にくれた宵の
ちっぽけな存在感が
ちっぽけに健やかに
廃している
森の陰でぐったりと元気な蕨を折る
麦藁帽子の奥が宇宙のように ....
どうしようもなく不自由で
どうしようもなく縋るものに縋って
どうしようもなく飢えていて
どうしようもなく自分を殺してきた
(絶対的な値が欲しいと努力した、誰もが認める値 ....
闇に川音の迷う{ルビ硲=はざま}の村
トンネルに切り取られた高架橋
しじまを蹴散らしていく道しるべ
{ルビ硲=はざま}に閉じこめられていた記憶が目を覚まし
一瞬顔をしかめるも
手招きに不安を ....
こちらにいらしたあをの過程さん、がいなくなって、
私にはどうしてもどうしても、彼を、とか彼に、とかの詩や散文は書けない。
ただ、これから私が書いていく詩の中に、少しでも良いものがあったら、
そこ ....
落とし穴を掘った
たくさん掘った
通り行く人たちが
すこんすこんとはまっていった
はまった人のいる穴に
名札を立てかけて
名前なんて知らないんだけど
名札があった方が便 ....
夕暮れ色の飛行船、
たくさん空に浮かんでいたけれど
空と一緒の色だったので
誰にも気付かれないままでした。
*
毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
....
帰ろうとしたら壊れていた
自転車
サドルが遠く 曲がって
きっと人ごみに
押されたのだろう
かたちあるものは壊れていく
いつから
怖くなくなったんだろう
父の記憶も
それに似 ....
きょうは風がつよくて
さむくてさむくて
雨もふったりやんだりしてて
でも風がなにもかもを追いやるのかな
別府湾の夜景はこれまでになく
きれいで
電車が湾に沿ってひかりのまちに向かって行 ....
ある学校の授業で
問題が出されました
イヌ クマ ヘビ ヒツジ ウサギ
この中で仲間外れはどれ
先生も生徒も
別に答えは何でもよかった
答えの理由を楽しむ
そんな問題でクラスは盛 ....
頬つたう流れに小指吸われつつ鏡のなかの老いを見つめる
死にかけた小鳥を隠す藪はいま蕾の波に覆われており
窓たたく冬の名残りをふるわせて排水口をふさぐ髪の毛
....
反芻し過ぎて擦り切れそうな程ささいな逢瀬
回想から想像に変わる
あなたの表情より手のひらの感触が伝えてくれる
淋しい言葉は口封じされる
甘く甘くいるためには2人は申し合わせない ....
猫が激しく鳴いて春で
いや正しく言うなら地球のこのあたりは春なのだ
こちら地球そちらは
あずかり知らぬあっち側の諍いに
液体ヘリウムをぶっかける
それから逃げだす
ものすごくものすごく ....
ひかりが刺す
季節を切り取って
差し出す
ひかりがさす
まぶしいから
細めて
睫に燐光がいくつか
引っかき傷もいくつか
ついて
それできみの輪郭がようやくはっきりした
....
僕の大好きな貴女は
「もう泣くのは嫌なの金輪際」
という気の強そうな発言を
電話の向こうで言う
でも
目にごみが入ったら涙が出るだろうよ
悲しい映画を見ると泣き出すのはいつものことだし
....
久しぶりにおばあちゃんに絵てがみを出す。
庭から取ってきたホトケノザ。
よくある絵てがみみたいに葉書いっぱいに描くというのは、
なぜだかどうも私にはできない。
一般的にいうとやや遠慮がちな、
....
駐輪場で鳩がむねを撃たれて
仰向けに休んでいる
白い翼をとじ
両足を揃えてたたみ
なにを見ているのか
つめたい檻の外へ
まばたきを急ぎながら
その心臓は重すぎる
あかをはき出し ....
ジッタを起こしているので
それぞれのベクトルが揺れている
空一面を対象として考えるなら
水晶体の焦点距離も図れず
寒さに途方に暮れていた
補正をかける事を辞めれば
笑うべき事も解ら ....
ドライバーを炙って
ペットボトルの横っ腹に
突き刺す
こぼれない位置
そして
沈まぬ位置
僕はこの世界を
わかると思っていて
繰返し
そのまま
ボールペンで
広げて行く
....
柔らかく 昏い光が
ひっそりと漏れだしたように
わずかに傾斜した平坦な地の
襞に、影
鉦がきこえて
列がゆく野は
さびしい海にむかって開けていった
或るひとつの手の
美しい ....
遠い空間という名前の洞窟があります
近い空間という名前の肉体があります
詰め込めるだけ詰めてしまうと
当然パンクしてしまいます
なんでもかんでも入れたくなるのですが
入口があるのなら当然 ....
・
友人に
擬態する癖のある女がいる
よく家の中で
かくれんぼうをする
二人で
わたしが鬼で
十数えて振り返ると
家の中はしいんとして
空気がうす青い
百年前からこうし ....
吹きすさぶ風音
窓をたたく雨音
ベッドに横たわり
耳に入る外の音に耳を傾ける
自力で寝返りをうつこともできない
かろうじて動くのは左手のひじから先
声も出せず
ただ目の玉だけを動かし ....
互いに背を向け
曲がり またたき
空と波を
指おり数える
月が隔てる言葉たち
手のひらの海
無数の帆
とまどいは澄む
濁りのあとさき
透明でもなく鏡でもな ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45