左目はいつのまにか
左目になった
今も
怪訝な顔をしている


花を折っても
花のまま笑む
悲しくて
誰も見なくなった


海が窓を切り
壁にしたたる
冬の ....
熱射を吐き出してしまった夏は
老いて死んでいく
鎮魂歌を捧げられながら

あれは一時のめまい

傾斜する意識が
さらに勢いを増して
海の底に沈もうとしている

戦場に散った無名戦士 ....
                   120818




最近は、お米が余るのか
カロリー換算だとジャガイモよりも安い感じだなと思ったら
輸入米だった
海の彼方から運ばれてきたのに
 ....
仏壇がはなやぐことよ
ようきんさったなぁ
帰省した一族らぁが
各地の土産を並べていくけんど
こがーに食べられんでのう、おかあさん
おとうさんはビールがありゃあ良かけん
ほいでも黄色い菊と白 ....
カップヌードルがのびるまで
あなたのこと考えてた
かなしいけどおなかがすくから
ズルズルと

涙がでちゃって
おなかがいっぱいなってこころがすっかすっかになって

日常はなんとなくすぎ ....
いのちの西側に
あなたからの呼び声がきこえる

ようこそクーパー

金星に宿るピアノの旋律

わたしは幸福な者たちに包(かこ)まれて
とおいとおい場所で眠っています

ジュゴンが息 ....
わたしは写実をつなぐ
紙に沈む点を見捨てる
森のむこうの森
水たまりにくちづける


紙を裂いたかたちたち
紙を裂いたかたちにつづく
涙を抄い抄われる手が
別のし ....
風鈴の音 きいんと透けて
わずかな'かげり'に
縫いとめられた記憶をめくる
甘やかな午睡の あと

ブラインドの引きヒモを握る
強く握って また
ひゅうひゅうと眠ったふりで
憎いのは誰 ....
うつくしい人の想像をこえた
あなたのかかえているもの
すべては朝だった

*

きもちいいくらいの遠心力で
渡り鳥は群れていて
ふゆ、なんてたった一言で
言っていいことと悪いことがあ ....
夕食前に
好きなウィンナーでもいい
好きそうで好きではないチョコバナナでもいい
夏だからアイスがいいのか
まず最初に7本 さらに2本食べることになっている

ぜんぶでいくつ?

夕食前 ....
また、夏が
また、あの光景が見えて来る
田圃の畦道を
母と一緒に歩いている
手を繋いで歩いていく

畦道の陽射しは強く
麦わら帽子の隙間から
頭髪の汗をさす
揺らめく道端
青い稲
 ....
どんな窓にこんな猫がいるのだろう
忘れもしない通った白い家の窓辺で
まどろむ幸せが充ち満ちて
目を覚まさないようにと
やさしく襟元に、毛布を寄せてくれる手は
だれのものなのだろう

いつ ....
たくさんの傷が同時に治りかけ
あちこちがみじめにむずがゆい
降る花のなかの
在る言葉 無い言葉


蛇の肌
猫の首
落ちつきのない
みどり みどり


三つの角 ....
石ころひとつ置いてきた
あなたの庭に

あなたがいないあいだに
そっと

昨日もひとつ置いてきた

一昨日もひとつ置いてきた

その前の日も置いてきた

どこにでもある ....
地下鉄降りて改札抜けて階段上って、パンツ、パンツ見えパ、見えないし、ふつう見えるわけないし、適当に広告でも眺めてたふりして視線を流して、熱風にやられる、マックブックを脇に抱えたランチ帰りの会社員を見送 .... ぼくの左手首には縫った傷痕が
はっきりと分かる様に残っている

外出の時は腕時計で隠せるけれど
家にいる時は時計は外すので
意識しない時にその傷痕が眼を突き刺す

愚かなことをしたものは ....
さかんに水が降りますね
明日に蓋でもするように
おびただしく注いでおります

地面の下はどうなっているだろう
私はこんな時決まって
泥濘に埋もれた兵士の白骨を連想します
それから恐竜の化 ....
買ってそのままにしていた自由帳が腐っていた。白い紙がずうっと続いていて白く腐ってい
た。目をそむけてもその白は瞼の中まで追いかけてきてだんだん日常の景色までも白く見え
始めていた。夏休みの初日に亀 ....
玄関の横の向日葵の鉢植えの横で
腹筋運動をしている奴がいる
奴が男なのか女なのかは分からない
(ホタルは、男が光るんだけどな)
分からないそいつは
無意味ともおもえる腹筋運動を続けている
 ....
停泊中のフェリー
汽笛を鳴らし動き出す
運河を越えて大海原へ

波に流されることなく
様々思いをその身に携え
水平線の遥かその先へ

乗り越えられない夜があって
置き去りになった思い ....
ビルの入口は吹きさらしだった

そこは風の通り道みたいになっていて

息できなくなるくらいの強い風が吹いていた

お弁当を食べたとき

だれにも食べさせたくなくなった

こんなおい ....
空耳か
外を行く誰かの声か
妙に近い場所で
聞こえてくる誰かの声
聞き取れず
無視できない
例えるなら
かすり傷の
痛みのような
その声…


 ....
裸足で
知らぬまに 遠くまできていた
虹色の汽車にのって帰ろうと想う
歩んだそこには、
軌道がしっかりのこっている
帰りは 来るときほどの苦労がないね
そんな声がする
ただ、さびしいあき ....
赤いサンダルと
傷だらけの膝小僧
くくく っと
笑いをこらえた君の影が
僕の靴をはらりとかわした

日曜日の太陽は
すぐに傾いてしまうから
それぞれの
背中に淋しさを背負ったまま ....
どこまでも続く屋台の間にたちこめる
お祭りのにおい
お囃子の音は少し遠くに聞こえてる
すれ違う人は
恥ずかしそうに手をつなぐ二人だったり
肩車をした親子だったり
浴衣姿の少女は
金魚 ....
電車の
先頭車両の
運転席の
後ろに陣取って
景色の中に
割り込むように
のびていくレールを
眺めるのが好きだった

クハ モハ クモハ サハ

駅に
着くたびに
一息入 ....
同じ格好した仏像さんが二、三十

指の腹で撫でながら

ひょいっとひとつ持ち上げたら

あぁこのおもさがちょうどよい

ひんやりどくどく

てのひらの中から身体の中へ

巡る巡 ....
雨の日に
西瓜をノックすると
入ってます、と声がする

ぽこん

西瓜まるごと持つと
かなりの重量感があるのに
成分はほとんどが水なんだってね
ふうん、そうなんだ
果物を食べると
 ....
あなたは眠りにおちる瞬間のあなたを知っているか
あなたは知らないだろう
あなたのからだは一瞬のこわばりをこえて
完全に脱力することになっていることを
あなたは
ときどき
それに失敗して ....
ぼくらの町に
ヨシキリがかえってきた
一羽は川沿いの桜の木に
もう一羽は中州の葦のしげみでなきかわし
恋の歌をうたっていた

そんなとき、子どもたちがドヤドヤやってきて
このちょっと変わ ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1371)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ノート(冬とけだもの)- 木立 悟自由詩512-8-23
不可逆- 乱太郎自由詩25*12-8-21
過剰- あおば自由詩8*12-8-18
盆にぎわい- そらの珊 ...自由詩7*12-8-16
かがみよかがみ、あたしは元気です- じじ自由詩20*12-8-12
夜のうた- 由比良 ...自由詩2*12-8-11
ノート(羽音)- 木立 悟自由詩912-8-10
- ゆえづ自由詩112-8-5
立冬- ことこ自由詩14*12-8-4
足し算---a_hidden_curriculum_befo ...- N.K.自由詩6*12-8-3
夏休み- ……とあ ...自由詩17*12-8-1
花嫁- 灘 修二自由詩7*12-7-30
冬と息- 木立 悟自由詩312-7-28
石ころ- ルナク自由詩1012-7-27
テレビデオガール- 魚屋スイ ...自由詩1112-7-26
左手首- HAL自由詩4*12-7-24
黒アンモナイト記- salco自由詩10*12-7-21
熱源- 砂煙自由詩4*12-7-17
骨折ホタル- 草野大悟自由詩3*12-7-16
運河- 1486 106自由詩612-7-15
風の通り道- 吉岡ペペ ...自由詩712-7-14
樹海の夜- ホロウ・ ...自由詩4*12-7-10
雑想- 月乃助自由詩21*12-7-9
かげふみ- nonya自由詩21*12-7-6
まつり- 森未自由詩5*12-6-27
クハ_モハ_クモハ_サハ- nonya自由詩24*12-6-23
蚤市の仏像さん- 灰泥軽茶自由詩11*12-6-22
雨の日に- そらの珊 ...自由詩17*12-6-16
眠りとあなた- 美砂自由詩5*12-6-14
夏草の蔓がからむころ- 寅午自由詩812-6-12

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46