鳥たちに怒られながら、桑の実を摘む
抱えたボウルに次々とほうりながら
これは私のものよと、何度言っても怒られる
何度も何度も、鳥たちは同じことを言う
こちらも負けじと言い返す
だけどすぐに疲 ....
 目覚めた時にすでに憂鬱

 カーテンを斜めに開いて落ちる雨に憂鬱

 「ごめんなさい」が言えなかった昨日の自分が憂鬱

 下駄箱を蹴っ飛ばして靴の踵を踏んでいる自分が憂鬱

 土砂降 ....
ひぃらひぃら
ふぅわふぅわ

舞うの真上に舞うの

おぉいおぉい
とぉいとぉい

響くの微細に響くの 

するっするっ
あったかぁい
光に充たされ

ずんずんずんと

 ....
もうひとつの夜の街が動き出す
灯火はみな偽蛍
背筋を伸ばした猫は
糸を池に垂らしてザリガニを釣り
夢遊病者たちは公園に集い
おとがいを比べ合う
看板描きの落としていった
無邪気な絵筆は
 ....
  川を越えて
  戻ってこなかった
  砂利になった言葉ならば
  ひとつかみにして 気のすむまで
  玩んでいられるのだが


  駅の屋根に
  ふる雪のかなしさ 静かさ ....
あごあしまくら込みでも
赤字になってしまうライブを打って
ツアー巡業をしていた頃
芝居小屋と劇団を持つ
江別ドラマシアターどもⅣで
弾き語りライブをした

店主は演出家でもあり
ボクは ....
海の泡になって朦朧と夜を渡りたい
明け方を待っていたあの頃のようにうたた寝をしながら
海岸に打ち寄せられた残留物は思念波を発している

思い出を手繰り寄せてはみるものの
何もかも元には戻らな ....
ラベンダー絨毯の中、東へ東へ向かうバス。
点在するハーブ園、スィングするカラフルな
文字、流れる。ラジオから「セージ、パ リ、
マリ 、タイム、、、」と聞こえ、「行くの
ですか」と問い掛ける。 ....
叫び出したい言葉を飲み込んでいたら
耳が聞こえなくなりました。

夜になると、トイレの窓に
ヤモリが現れて
ひたすらに蛾を捕食しています。
吸盤のついた手足と、
くねくねと動くしっぽのヤ ....
樹にもたれて、手のひらをひらいた。

死んだ鳥の上に、木洩れ陽がちらちらと踊る。
陽の光がちらちらと踊る。

鳥の死骸が、骨となりました。
白い、小さな、骨と、なり、ました。
 ....
檸檬が眠っている
そう伝えると
Leの発音が上手すぎて
たくさん笑った
水辺にある満員電車の名残り
その色と形
黄色い皮の中に
幾筋の風が吹いている
わたしの皮膚は汗ばんで
 ....
あなたは静かに家をつくりはじめる
静かに 何年もかけて

あまりにも美しくそれは成されたので
家ではなく 森や 額縁や ひとかたまりの風に見えた

静かに何年も何年も
何年も何年 ....
雨が用意されている
雨は、いつも用意されていた
夏の終わりに
情けなく溶けだした
アスファルトの上に
生き延びた午後の渇きに
焼き場の長い煙突に
ひとすじの
細く白い煙に
(鉄の塊
 ....
人里離れた木の家で
タイプライターで小説を書いていたい

静かに、小さく、ひとりで



忘れられたピンボール・マシン
白黒写真にだけ残ってる
白骨化した遺体みたいに

静か、 ....
              じっとしていろ
子供のころはよく言われた
      じっとしているのが苦手で手脚が     鶏
                        僕  みたい
 ....
空のかなたで消し忘れたファンのように独楽がまわっている

地上から見れば小さな欠片のチカチカする煌めきでしかない

花嫁の消えたぬけがらの白い衣装が独楽の近くをたゆたって

さまよえるその ....
 

五反田へは品川まわりの方が早いけど、君を
思いだすために、久しぶりの家並みを見なが
ら。今の僕には、池上線がちょうどいい速度
で。君と出かけた日、洗足池で降りだした雨
は五反田で本降 ....
炎天厳しい8月
森の木々はまっすぐと
燃える円球のような日へと
ごつごつした両手を伸ばす

枝が大事そうに抱える緑葉は
ああ 体に新しい力を抱いた
小さいお前そのものだ

それは決し ....
 ホントに海なんだって
 あるつってんだよね車座のばあちゃん連が
 あの丘をこえたらザザザ

 と、むかし たぶん一度きり
 お波とお供からあっとさらわれると云い
 舟のり達なら躊躇うわず ....
青ぞらの日の、
雑用のつみかさね、
フォークリフトに雑巾をかけ、
ゴミを拾ったり、あるいはホウキで掃いたり、
している、
どこか緩慢な、土ようびのしごと、
けれども思いのほかいそがしい、
 ....
ごみみたいな感性で放てよせいぜい
きらめかないミラーボールに反射する銀のクローバーの中に君が四人いる、IHコンロの音で殺される妄想ばっかりしてる

友だちのやり方もわからないまま
大人になると ....
 ある晴れた日に一軒家の庭で
 赤い五枚の花片をしっかり開く大きな花を
 母と見たのは昔の話
 花の名前が思い出せずに 覚えた小さな胸さわぎ

 茎が真っ直ぐに伸びた葵科の花
 「この花は ....
駅前で少し遅めの「朝定食」を食べる。
ご飯、焼鮭、大根おろし、味噌汁、生卵、漬物という定番だ。
客も少なく静かなテーブルに座り、ゆっくりした朝を過ごした。

バス停がある時代を生きている。僕は ....
朝 目がさめて

僕がお布団ともっと一緒にくっついてたい
という日



僕はもう起きてなにか始めてもいいと思うのに
お布団がやたら僕にくっついてくる
という日

がある

 ....
真新しいマンションが増えてきたこのまちで
わずかに残った古いモノ
ああ、あのぼろっちい空き家ね
頑固に過去にしがみつく
なんとも無様な姿を地域住民にさらしながら
はや数十年が経過した
 ....
春の日も夏の日も、そこに行けばそこに海辺があり磯があり、秋の日も冬の日も、そこに行けばそこに丘があり林があり、そこはいつもやわらかく甘い匂いが流れてくる場所。焼き場があるのだ。木陰のさしかかる三角屋根 .... 木が
出勤する
細長い体を折り曲げて
平べったい車のアクセルを踏む
木が
押印する
枝のような指と指の間に器用にはさみ
重要書類にぺたり、と押し付ける
木が
驚愕する
予想外の出来 ....
 にこやかに前を歩く私の後ろから着いてきてくれる
 あなたの足取りはまるで
 デパートの屋上へ遊具目当てにやって来る幼児の父親

 やっぱり、ここからが一番綺麗なのよ!
 自慢げに私がそう言 ....
眠りの国に戻りたいけど
扉はすぐに閉ざされてしまった
誰も知らない金属でできていて
こじあけるのは容易ではない
布団の中で孤児になり
なくした祖国を懐かしもうか
そうこうするうち外が明るむ ....
数ある刃物の中でも一番の迫力をもつ
刃物界の大御所といえば
包丁氏である
おいしい料理で人を魅了するかと思えば
殺人事件までひきおこす
まことに波乱万丈な人生


そんな包丁氏が今熱を ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1338)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
その次のこと- 妻咲邦香自由詩7+*23-10-16
憂鬱- 佐白光自由詩3*23-10-14
詩想22- ひだかた ...自由詩523-10-13
よるのぜんまい- そらの珊 ...自由詩11*23-10-10
歳月- 草野春心自由詩923-10-9
記憶に残るライブエピソード- 板谷みき ...自由詩1*23-10-5
海の泡- 久遠恭子自由詩323-10-2
ハーブ園_(散文詩_9)- AB(な ...自由詩4*23-9-26
トイレのヤモリ- 初代ドリ ...自由詩4*23-9-21
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩14*23-9-17
檸檬風- たもつ自由詩323-9-14
- はるな自由詩1723-9-8
雨が用意されている- ちぇりこ ...自由詩1823-9-6
- 由比良 ...自由詩7+*23-9-5
やじろべえ- アラガイ ...自由詩14*23-9-4
雲の披露宴Ⅱ- 菊西 夕 ...自由詩6*23-9-3
帰る_(散文詩にしてみました_4)- AB(な ...自由詩7*23-9-1
緑葉- Giovanni自由詩11*23-8-1
ザザザ- soft_machine自由詩8*23-7-28
土ようび- 本田憲嵩自由詩823-7-2
生活から逃げたい- 撫川自由詩223-6-14
紅葉葵[まち角4]- リリー自由詩6*23-6-4
通行人1- 空丸自由詩1023-5-27
相思相愛すぎる- 日朗歩野自由詩7*23-5-13
よしやの秘密- うめバア自由詩623-5-10
わたしたち死ぬと甘く軽い生きもの- 片野晃司自由詩1023-5-3
きが- やまうち ...自由詩2*23-5-1
相合橋- リリー自由詩8*23-4-25
アカルム滞在記- やまうち ...自由詩223-4-20
刃物物語- 昼寝ヒル ...自由詩123-4-18

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