氷の角度の緩いほうから
あけるつもりもなくあけた扉から
かわいた風が入りこみ
指のふくらみのはざまに熱い


奏でること
月から目をそらさずに
奏でること
奏でつ ....
ふと、した時
この世の全部は、蜘蛛の糸に覆われているのではなかろうかと、
心配してしまう
心配性の僕は
心配してしまう
勘ぐり屋の僕は


ふと、した時
魂の全部は、蜘蛛の巣に捕らわ ....
15歳になりたいゆびさきがおいかける
はやく、はやく、
流れだしたわたしの白さをつかまえてよ
すがりついた手の中に
しがらみだけが溜まって
あいしてると言えない
瞳を、
腕を、
唇 ....
ぐらぐらと沸騰している風景の中で
レイザーライトのように蝉が鋭く
生きてる
夏の街路樹をすべて焼き殺すように
生きてる
生きてる

わたしはゆっくりと自転車を漕いで
死んだふり ....
授業中の少女たち
夏にはいったい何をしてる?
始終しゃべり通しなお茶会
トーラス風ドーナッツとクラインのティーポット

ポケットのカラフルなチョコレートは
べたつかないマジックメンブランス ....
空路でやってきた体は疲れ果てていた
予約していたホテルは見つからず
青い夜が頭上を覆い尽くしていた

南フランスの深夜
回りにはいくつものホテル
僕は歩かなければなかった
しかし水もなく ....
リビングでうつむせに戦死をしてると
からんからんとガラスと氷が遊ぶ音がする
目線だけあげて見れば
薬味と素麺とめんつゆをお盆に乗せた母親が微笑んでくれていた


という夢をみた


 ....
水の上の火
空の姿か
底の姿かわからぬまま
ひとり ほどける


風 息 原へ
去るを見る
砕けるを見る
散るを見る


傘をたたむ
遅い夜の色
ひとつやわ ....
  引用符を背負った
  かたちのない人たち



  昨日の影に向って
  蝉の声が落ちてくる



  薄暗い景色は
  横断歩道の向こうで止まった
  僕をさ ....
  
水槽を抱えて
列車を待ってる
水槽の中には
やはり駅とホームがあって
幼いわたしがひとり
帽子を被って立っている
ある長い夏の休みの間
ずっと被っていた帽子だった
水の中もやは ....
 
 
よちよち歩きの頃から
そう呼んでくれた
近所の酒屋の父さんが
亡くなった

いつか帰省した時に
店にタバコを買いに行くと
タバコよりもたくさんの
缶ビールをくれながら

 ....
夏休みを
金属バットで
殴り壊して進む
道の上や
軒下で
いつまでも死んでる鼠

雨の日に近づいて
瞬きごとに色の変わる彗星

君が世界の果てに逃げたら
世界の果てまで行って ....
此処までがわたしで
彼処からをあなたとすると
あなたは夢をみるだけ夢から離れると云うことになります
行進する群れの中から
あなたひとりだけが選ばれたと云うことなのでしょう
上へと還る ....
雨のむこうから
無造作に青空
緑のつややかな木立の陰から
ほら 少年たちが
幾重にも幾重にも生まれてくるよ
君の髪を肩をすべるように
きらきら きらきら
光たちが降りこぼれるよ

逃 ....
プラスチックの板に
七センチの穴が空いていて
父にそれを手渡されて
手伝いがはじまった

実家での農作業は
ずいぶんと久しぶりで
この蒸し上がった季節に
汗の一つもたらそうかという
 ....
パチパチと散る
砕け散る
線香花火
それよりも
音無く夜に
消えていく
無音の夜に
消えていく
悲しい人の
戯言と
可愛い人の
独り言

パチパチ空は
水溜り
水音高く
 ....
あの丘には海がある
風にとけたあなたが ささやいていった
赤い自転車から 深緑の海を見上げる
深緑の糸かせから 糸の先を手繰りよせる

右腕に 螺旋を描いてゆく海の糸
ひんやりと
深緑の ....
俺の中にはもう誰も居ない、よく晴れた朝に死に絶えてしまった
俺の中にはもう誰も居ない、毒の流れ込んだ湖みたいに
跡形も残らず死に絶えてしまった
俺の中にはもう誰も居ない、バクテ ....
「心地よく秘密めいた場所」で
「口に出せない習慣、奇妙な行為」に耽る君たち

ナメクジよ
ふるさとにお帰り
かたつむらないカタツムリ

「去りにし日々、今ひとたびの幻」のスローガラス
 ....
始まりの前の闇
映画はすでに
始まっている
フィルムが
回る前の
見えない
時間が
闇を
生き生きとさせる
次々と
現れては消え
記憶にすら
残せない
微かな痕跡が
薄く折 ....
世界の尖端に
詩人のようなものが引掛かっている
重いカーテンをどんなに引いても
夜の窓から三日月がはみ出してくる
夢の過剰摂取の副作用が
紫色に垂れ込めてくる
中空には透明な旗が翻る
誰 ....
旅に出るときがあるとすれば
あかるい5月
校舎からブラバンの練習
球を打つ高い音
スプリンクラーの音
横切るツバメ
ポップコーン買って
炭酸ジュースも買って

旅ってどこへ?
分か ....
見えない銃の見えない銃弾は
知らないうちに知らない人を撃ち続ける
見えない銃に撃たれたことのない人などほとんどいない
誰しもが一度は撃たれ、そのことに気付かず平然と過ごしている
見えない銃弾は ....
あ、目にゴミが入った。
擦っても擦ってもとれなくて、違和感がずっと消えない。
涙を流しても余計に前が見えなくなるばっかりで。
右目で左目に入ったゴミを観察しようと努力していたけど、いずれなにかが ....
私には皮膚が無い。

自分に目覚めた遠い何時かの日に、ぺろんと全部、それはそれは見事に剥けてしまったのだ。

お陰で今の私は、さながら小学校の保健室にあった、筋肉や内臓がむき出しの人体模型のよ ....
神田方面から三越本店を通り過ぎた
交差点の向こう側が日本橋だ

高速道路が橋の上を覆って景観が
損なわれているとテレビでも書籍
でも当たり前のように言ってるか
らゴチャゴチャ閉塞的な景観に ....
水の中でしか 
  生きられないと 
    思っていた
        日々  
きみの
ゼリーの肌に最初に触れた せつな
素人の二人が 不器用に
一つになって
創造が始まった  夏 ....
あたまに風船がついていますよ

あなた見えないのですね

忙しすぎて 首が回らないみたい


熱心に遠眼鏡を 見てらっしゃるのね

風船が見える?

それは地球を一周して あなた ....
カリッて
あたしの殻を
割って

中から
とろんって
あたしが
溢れ出すから
 
   夏は他の季節よりも、死にちかいと
  たれかがおっしゃったのは天の声のようにも想え
  または蝉の声のようにも想え
  または緑陰をくれる梢の優しさのようにも想え
  私は夏を見極 ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1287)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜と風- 木立 悟自由詩409-8-12
蜘蛛- ゴースト ...自由詩3*09-8-12
消失する十四歳- マナ自由詩4*09-8-10
2009年の夏の横断歩道で- ________自由詩3*09-8-9
自由詩な葉っぱ緑/タオルケット洗濯日和- 海里自由詩209-8-8
マルセイユの夜- 番田 自由詩309-8-7
夏バテ- ゆるこ自由詩809-8-6
すぎる水- 木立 悟自由詩809-8-5
かたちない日々- 草野春心自由詩409-8-5
夏帽子- たもつ自由詩2009-8-4
よちぼ- 小川 葉自由詩409-8-3
金属バットが真夜中にうなりをあげる- 竜門勇気自由詩2*09-8-3
まぼろしの通信- e.mei自由詩3209-7-27
真夏がはじまる- 塔野夏子自由詩6*09-7-27
たまねぎ- かんな自由詩5*09-7-26
パチパチ- 瀬崎 虎 ...自由詩309-7-26
深緑- たちばな ...自由詩11*09-7-25
俺の中にはもう誰も居ない_-ZOMBIE-- ホロウ・ ...自由詩3*09-7-24
短冊と落とし文月/ジメゴン故郷に帰れ- 海里自由詩309-7-21
映画- フクスケ自由詩309-7-21
透明な旗- 塔野夏子自由詩8*09-7-17
あかるい5月- ふるる自由詩6*09-7-16
真空にかすり傷- 木屋 亞 ...自由詩6*09-7-15
気のせい- mad.rabby自由詩409-7-12
人体模型の孤独- きゃとる自由詩5+*09-7-10
日本橋- kauz ...自由詩7+*09-7-9
「愛生」(あいおい)- 月乃助自由詩10*09-7-8
風船男- 瑠王自由詩4*09-7-8
クレームブリュレ- 風音携帯写真+ ...609-7-5
永遠を見極める眼球_2009- るるりら自由詩10*09-7-5

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