ミンミンと鳴くこともなく
たまたま出会ったセミは
コンクリートの駐車場に
ただ しがみついていた
生きているのか死んでいるのか
さわったら ジ っと鳴いた
逃げることもしないので
ひどく ....
 
 
いつの頃からか口の中に
ハリセンボンが住み着いている
怒らせると針が口中に刺さって痛い
ちょっとした振動にも反応するし
取り出そうとして手を突っ込んでも
針が引っかかって取り出せ ....
{引用=前書き: 
毎日暑い日が続きます。毛深い方、そうでもない方、弁別すれば薄い方、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
ご好評をいただきました「陰毛を考える」もいよいよ最終回となりました。
引 ....
(父、父、父、と泣く声が聞こえるがあれはなにか)
(息子の声か、ならば過去からの声か)
(父の声か、冥界の声か)
倒れたまま父は泣く
足をすくわれ転ぶ
父が「あかの他人」と呼ぶ人々から
湿 ....
夏の朝
水蒸気の味

浜木綿の花が
手を繋いで作った
輪っかから

ヤマトシジミ
ヨロヨロ
飛び立つ

夏の雲
薄荷の匂い

忘れかけていた
青臭い記憶が
鼻先で弾けて

夢遊病者の影
ジワジワ
溶 ....
{引用=
「おはよう、
せっせとお弁当箱に昼食を詰める
この世界のなんらかに収まりなさいと
話しかけてくる忙しげな背中
通学路に捨てられた雑誌には
艶びかりする牡牛の角と蛙の屍
女の子の ....
じんしんじこで電車がこないホーム、ホームをはしからはしまであるいている、きれいな服だねと言われた、せかいは熱湯のなかにある、この駅には猫がすんでいる、猫はよごれている、わたしは白線ぬかしのずるをし ....  
 
「ね」から
「ね」をとると
なんにもなくなってしまうから
かみさまは
「こ」をあたえて
そのどうぶつを
「ねこ」となづけた

「ね」がなくても
「こ」がのこる

もと ....
「織姫、彦星」

一、

年に一度の逢瀬の日だと地上が先に盛り上がってしまい、天上の二人は今ひとつ盛り上がれない。


二、

毎年「あの時の子よ」と織姫は子供を連れて来るが、ど ....
ひらき ひらき
また変わる
ひらき ひらき
変わりゆく


鉄に降る虹
坂をゆく午後
水をすぎる影
花や光や 曇をかかげ持つ


脱げば脱ぐほど
次の次の ....
(?)

お腹のなかの緑色した
涼しい星たち
その
熟成のない
天体の運行。

体内のなかにある
岩窟のような暖簾を潜ると
視えない無数の蟹たちの
ねっとりとした体育館。

 ....
現代詩は難しい
まず発音が難しい
ローマ字で書くとge・n・da・i・shi
軟口蓋破裂音だったり歯茎破裂音だったり摩擦音だったり
口に出すからには覚悟がいる
語末の[si]っていうとこまで ....
やっとアイツから離れることができた
アイツが憎くてたまらなかった
アイツは俺の心を折ったり
傷付けたりして楽しんでいた
幾度となく硬い地面に叩きつけられ
そして俺を罵った
俺は ....
百三十七億光年彼方の
兜率の天のマリンスノウ
シュレ猫とヒッグスのピッグス

いくつもの眼差しが
宙に浮かんでいます
それぞれの波長に見開いた目をもって

あれらは祈りの小函
見届け ....
 
 
庭にいたはずのニワトリが
二羽いない
はじめから一羽だったのか
あるいは一羽もいなかったのか

隣の家から
客が出ていくのが見える
名残惜しそうに
もう柿を食べることはない ....
学生のあの頃
異様な夜のさびしさに駆られて
親しい友人の家に遊びに行った
そんなことは珍しくなくて
ふたり
ベランダで煙草を吸い
きみはギターを弾いて
わたしはその歌を口ず ....
ちいちゃくなる
ちいちゃくなる
ああ今小人になれたらいいのに
誰にも見付からない小人になれたら
臓器を守るようにしてしゃがむのです
普段臓器のことなんか気にしたことないけど気になる
今日
 ....
姿の無いものの気配がする
ガラス戸が小さくカタカタといって
何処か遠くの出来事を伝えようとしているのか
本当のことは良くわからない

日常の大部分は
そうやって解体されることなく消化される ....
絵の具の年譜
金の闇
渇ききった既視の風に
名を呼ばれては遠去かるもの


暗い霧をつなぐ虹
ところどころ消えながら
雨を照らし
雨を鳴らす


岐路の前の影
 ....
すべてのものが途切れた
俺は寝床で
もやのような昨日までが
流れてゆくのを眺めている
あらゆるものの
スイッチを落とした部屋は
空気の音だけが
反響して

 ....
   +  +  +  +

  ワイヤーの入った
  硝子の向こう
  街の暗闇を
  雨粒がはしる
  必ずしも重力方向という訳でなく

   +  +  +  +

  夜が ....
五月晴れの朝
雪が積もったら自然に落ちるように
高めに作った青い片屋根のてっぺんに
ヒキナギが二羽 歩いている
つがいでしか 見たことがなかったから
すぐ近くの電線にとまっている
カラスを ....
ぱらぱらと降りそそぐ
オレンジ色の十字星     / ジュウジボシ
軽やかに土を跳ね
思い思いの居場所に
身を委ねる
 
 ....
フィニッシュは雷電ドロップ
名前はかっこいいけれど
要するにヒップドロップ
仰向けの相手の上で
ぴょんぴょん跳ねて
尻を落とすだけ
やられている側のことを考えてほしい
こんな屈辱的な技は ....
ふらちなよみのくにから来る男は
   死んだ者をむりやりたたき起こし 
   ふとどき者の口からなにごとか聞こうとする

その行為 その汚らわしい行為に
あしも ....
新緑の季節
五月の朝の陽光を浴びた
ニコライ堂 緑青に覆われたドーム屋根

明るい陽光に
くっきりとした陰影を残した
コンドルの遺産は
一二〇年経った今日も
聖橋から靖国通りに向かう坂 ....
 
 
にかいのへやで
あそんでいる
たたみのふちをせんろにして
おもちゃのきしゃを
はしらせている

たたみのかどを
もうひとつのきしゃが
うせつする
わたしもさせつして
そ ....
夜遅く、ひとりで湯に浸かっていると 突然、ふぐりにヌメッとしたものが触れたので あれ、おかしいな 何かいるのかなと俯いて湯の中を見ても これが何もいない 気のせいか このところ出張ばかりで俺 .... 女の声は殆どが水で出来ている


舐めとればそれはひどく甘ったるくて
お祭りの屋台で食べた綿菓子みたいに
口がべとべとになってしまうんだ


男の声は殆どが煙で出来ている


吸 ....
                    
内地から釣りに来た太陽と恋人たちを
島尻の斎場御嶽にガイドする。
財布から百円玉を取り出し受付機でパンフレットを買うのを指笛に
午後の観光が踊る。
 ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1337)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
セミ- ベンジャ ...自由詩9*10-7-31
伝言- たもつ自由詩710-7-29
夏の総力特集_・_「陰毛を考える」_最終回- salco散文(批評 ...14+*10-7-27
書かれた—父- 非在の虹自由詩2*10-7-17
7月17日_土曜日_朝- nonya携帯写真+ ...8*10-7-17
逆創世記- 高梁サト ...自由詩15*10-7-16
ホーム- はるな自由詩210-7-15
- 小川 葉自由詩3*10-7-12
七夕祭- 明楽自由詩18*10-7-7
ひとつ_めぐり_Ⅱ- 木立 悟自由詩310-7-5
文通- 長岡瞬自由詩210-7-3
曖昧なイーミック- 海里自由詩310-6-26
カミヒコーキ- くなきみ自由詩1*10-6-23
フロムノーネームの星たち- 海里自由詩4*10-6-12
早口言葉- 小川 葉自由詩110-6-11
紅茶が冷めるまで- かんな自由詩8+*10-6-10
上野駅- ki自由詩310-6-8
「遠雷」- ベンジャ ...自由詩6*10-6-5
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真夜中、もやのように消えた昨日までとハエトリグモの文学性に関 ...- ホロウ・ ...自由詩5*10-6-1
『もう夏が来る、そんな気がした』- ま のす ...自由詩7*10-5-29
二羽と三羽- 砂木自由詩5*10-5-27
金木犀_零れる- 鵜飼千代 ...自由詩14*10-5-26
涙のサンダー杉山- 花形新次自由詩3*10-5-24
詩を遠ざけるための断章- 非在の虹自由詩4*10-5-23
ニコライ堂_ー五月の朝ー- ……とあ ...自由詩14+*10-5-22
汽車- 小川 葉自由詩510-5-21
妖怪「あそこ舐め」- 花形新次自由詩6*10-5-17
声の実験- あ。自由詩22*10-5-16
蝶の廃棄- 楽恵自由詩19*10-5-14

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