五反田へは品川まわりの方が早いけど、君を
思いだすために、久しぶりの家並みを見なが
ら。今の僕には、池上線がちょうどいい速度
で。君と出かけた日、洗足池で降りだした雨
は五反田で本降 ....
炎天厳しい8月
森の木々はまっすぐと
燃える円球のような日へと
ごつごつした両手を伸ばす

枝が大事そうに抱える緑葉は
ああ 体に新しい力を抱いた
小さいお前そのものだ

それは決し ....
 ホントに海なんだって
 あるつってんだよね車座のばあちゃん連が
 あの丘をこえたらザザザ

 と、むかし たぶん一度きり
 お波とお供からあっとさらわれると云い
 舟のり達なら躊躇うわず ....
その村には不労所得者もいれば乞食もいたが
多くは葦の舟に乗せられて流されてきた
物ぐるひのものばかりであった

村人は機織りを生業としていたが売れるわけ
ではなくまた売れるようなものでもなか ....
青ぞらの日の、
雑用のつみかさね、
フォークリフトに雑巾をかけ、
ゴミを拾ったり、あるいはホウキで掃いたり、
している、
どこか緩慢な、土ようびのしごと、
けれども思いのほかいそがしい、
 ....
ごみみたいな感性で放てよせいぜい
きらめかないミラーボールに反射する銀のクローバーの中に君が四人いる、IHコンロの音で殺される妄想ばっかりしてる

友だちのやり方もわからないまま
大人になると ....
 ある晴れた日に一軒家の庭で
 赤い五枚の花片をしっかり開く大きな花を
 母と見たのは昔の話
 花の名前が思い出せずに 覚えた小さな胸さわぎ

 茎が真っ直ぐに伸びた葵科の花
 「この花は ....
駅前で少し遅めの「朝定食」を食べる。
ご飯、焼鮭、大根おろし、味噌汁、生卵、漬物という定番だ。
客も少なく静かなテーブルに座り、ゆっくりした朝を過ごした。

バス停がある時代を生きている。僕は ....
朝 目がさめて

僕がお布団ともっと一緒にくっついてたい
という日



僕はもう起きてなにか始めてもいいと思うのに
お布団がやたら僕にくっついてくる
という日

がある

 ....
真新しいマンションが増えてきたこのまちで
わずかに残った古いモノ
ああ、あのぼろっちい空き家ね
頑固に過去にしがみつく
なんとも無様な姿を地域住民にさらしながら
はや数十年が経過した
 ....
春の日も夏の日も、そこに行けばそこに海辺があり磯があり、秋の日も冬の日も、そこに行けばそこに丘があり林があり、そこはいつもやわらかく甘い匂いが流れてくる場所。焼き場があるのだ。木陰のさしかかる三角屋根 .... 木が
出勤する
細長い体を折り曲げて
平べったい車のアクセルを踏む
木が
押印する
枝のような指と指の間に器用にはさみ
重要書類にぺたり、と押し付ける
木が
驚愕する
予想外の出来 ....
 にこやかに前を歩く私の後ろから着いてきてくれる
 あなたの足取りはまるで
 デパートの屋上へ遊具目当てにやって来る幼児の父親

 やっぱり、ここからが一番綺麗なのよ!
 自慢げに私がそう言 ....
眠りの国に戻りたいけど
扉はすぐに閉ざされてしまった
誰も知らない金属でできていて
こじあけるのは容易ではない
布団の中で孤児になり
なくした祖国を懐かしもうか
そうこうするうち外が明るむ ....
数ある刃物の中でも一番の迫力をもつ
刃物界の大御所といえば
包丁氏である
おいしい料理で人を魅了するかと思えば
殺人事件までひきおこす
まことに波乱万丈な人生


そんな包丁氏が今熱を ....
 春 おそく
 雲低い空の下
 裾のほつれをまといつけておいた
 小花柄のフレアースカートはいて街へ出る

 図書館の帰り、線路わきの公園で
 ひとり眺めみる 
 八重桜 
 ぼったり ....
燃えている、燃えている、それはいつだったか、砂利道。石炭を運搬する線路のレールで擦りむいた、街街からころげ落ち、ひとり おいてけぼりにされた。それはみなに追いつこうと自転車を必死に漕いでいた、市(まち .... ビジネスホテルの
小さなお風呂
お湯ためて浸かるの
ものすごいワクワクする

ここにお湯ためて入ろう
と決めるところから
ワクワクする

熱めのお湯をためて
うぃーと入って
小さ ....
白く
雪崩れ落ち
伝いながら
その人、包み込み




何処にも属していない
ことの
この心地ちよさよ
風は吹いて 吹きつづけ
「あるもの」から意味は脱落し
すべてすべて「我 ....
影の尾が地に触れ
うたっている
忘れかけていた蒼が
目を馳せる


特別に
彩られているはずだった
その衣は
どの空を刻んでいるのか


手のひらは白く ....
柘榴をお目当てにやってくるヒタキは
ながら、の達人
羽ばたきながら実をついばむ
秋を経て
冬へと持ち越され
艶を無くし
死んだようになったその実は
つつかれて
したたるようなルビー色の ....
夜は
好きだな

生まれ育った田舎町の
みあげると
こぼれ落ちそうに瞬いている
満天の星たちの
清らな想い出とか

とある大きな街の
猥雑で
酔っ払いでいっぱいの
たむ ....
雪は走る床を裂く鋸のように
摩耗した光の道で苦笑する花は砕け
蝸牛の胆汁より苦くほとばしった
祈りの結露に午後は潮解する

書き変えられた値札の意味を問う
蔦のような沈黙が蓋のない箱を締め ....
ひとり山道を歩いていると大蛞蝓に遭った
私は呼吸も荒い中、足を止め
元気ですか――と、声掛けした
彼は特に気にするでもなく、じっとしていて
じっとしていることが最大の防御ですと言わんばかりに
 ....
女がひとり
かかとの低い靴を履いて
同じところに
つたないステップを踏んでいる
流れているのは
伝線のような雨がちりちりと降る
在りし日の歌

むかし
命知らずのテストパイロットあり ....
ふくらめる レンズ
喉で固まって
何度くちびる、噛んだろう
柔らかい毛片
ほこりかぶる列
奪われたあめ色

ぶつかれる 氷晶
固化する汀
鳥達の円錐

夏は溶けていたかった
タ ....
あこがれ、
朝に目覚めて
濡れ光るアスファルト、
無数の影、映し
進む時間

傘、さしたり ささなかったり
遠い山並み、蒼く連なり
冷たい風吹くなか
人、忙しい営みに生き
傘、さし ....
おち葉
ひかり 透明にしてきた日
まっ直ぐじゃいられず
影も欲しかった
くるくる舞った

金網かぶせの
十字路 貯水槽ぷかり
星はひとりでなったんじゃない
誰かにまるめてもらったもの ....
三階の窓辺で釘付けにする
ひとつ
こころゆくまで
北側に向けた隔たりが囲っている

近隣都市の感覚より目と鼻の先の憧憬を
通りがかったほとりが覗いただけ
これが散歩がてらにちかく
並び ....
知らないナンバーが並ぶ街までワープしてきたので
実感がなかったが実際あるべきものはそこにあったのだった


スープガーデンの会議にでようよ
カラオケにスープはいらないんじゃね?
採算とれる ....
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