零は零れる
存在と存在のすきまから
消滅と生成のすきまから
音も立てず零れる

零という名で囲われた
自らの内の虚無へと
絶え間なく零れる

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  0    0 ....
 
 広くつづいた枯野の道は
 骨ばかり
 高く乾いた冬空に
 黄昏月の悲しげな瞼の赤らみ

 涙の匂いがしないように
 化粧水をたっぷりふりかけて
 いかなる慰めも求めていない
  ....
「それじゃ
 敵に塩を送るようなもんだよ」
「先輩、そうです
 塩を送って高血圧にして組織の血管を
 ボロボロにしてみせますよ」

「いやいや、敵に塩を送るって
 苦境にある敵をあえて助 ....
 あまねく日は西へ傾き
 道に日は照り
 わきたつシャンパンゴールドの
 彩雲がおだやかな貌をみせる

 隣人やあなたから見える
 ベランダで洗濯物を干す「わたし」は、
 知らないまに
 ....
走り続けて
転んで動けなくなった日々
未来の自分に話しかけても
返事がなかった
明日が怖くなる
夢だったらいいのに
眠らせて
眠らせて

上辺だけの真面目
崩れ落ちていく
どんな ....
土佐の海辺の村で
毎日毎夜薄暗い電灯の
野外畳の上にでんと座り
鍋に茹でられた貝という貝
爪楊枝でほじくり出し
それぞれ異なる磯ノ味覚
噛み砕き引き裂き食い喰らい
瞑黙ひたすらに味わい尽 ....
東京へ行くなら
電車、おぼえないとね

やっとついた
借り暮らしの
街中の
扉をあけては
指を鳴らしていく
新人らしく
土砂降りに打たれながら
みんな ohayo!
たくさんある ....
よく会う散歩の犬が
寄ってくるなり吠えた
いつもは尻尾振って
甘えたそうに来るのに
何か憑いているのだろうか
疲れていることは確かだけれど

よく会う野良の猫が
寄ってくるなりシャーと ....
主体 オーソドックス
詩的情景に内包された因果から
比喩の限界を 探求しなさい

ガラスは虹色の反射 矛盾的伝統色彩
触れ合う指先の共鳴は 電子の瞬き
黒い金属の海たちの 冴え渡るような獣 ....
横から見た姿が
千葉のかたち
けして犬ではなく
赤い皮膚を着せられている

ぼくの足は
館山を歩き
鼻先で野田を指し
おしりで鴨川の波を撫でる

だれかの手のなかで
ゆるやかに笑 ....
こんなふうに、結局のところわたしたち似たもの同士だし。こんなふうに、流れ、うずまき、ぶつかりながらまじりあい、あわだつ分子のひとつひとつだし。

ペイズリー柄の緑色の安いバンダナを買いたかっただけ ....
訳もなく
溢れる涙があって
訳もなく
叫びたくなる夜で

独りがつらくて
それでも孤独をもとめて
飲み込んだ薬が
にがい

誰にも知られなくなくて
こんなにこんなに
吐きそうな ....
トコトコ トコトコ 路を拓いて歩いてきた
山あり谷あり色々あって生きてきた
雨の日も風の日も晴れた日も

トコトコ トコトコ 路を拓いて歩いてきた
路端にはいつも美しい花々が咲いていて
乾 ....
いちごイチゴで苺だし
ちょいとスポンジ乗せましょう
明日が晴れなら問題ない
毛糸丸めて逃げ惑う
22日にチェック付く
可愛いからにきまってる
おかわり即ちありがとう
生死の世界のエントラ ....
女は朝早く家を出て行って、俺は彼女の最後の言葉をシンクの中で火葬する、昨日まで続いていた雨は止んで、ブルーの薄いスクリーンが貼られてでもいるように空は均一に青い、真夏の様な猛烈な光と熱が暴れ始めて .... 171号線を

バイクで走る

奇跡的に壊れずにいたから

赦されたのだろうか


色々なものを振り切って

走る走る


道がずっと続いていて

色んなところに繋 ....
五月の緑が伝い合い
誰かが消えた満月のよる
なみだとずっとの約束を結んで
いくつもの場面を通り
ためらいなくわたしは生まれた
しらほねしらぬか
しとしと
しとど ぬれそぼり

問い尋ねる先の

みえないみない
むなしい
だけ だから

隠れたお月様
姿を現しませぬか
陽を求める迄を
しませぬから
 ....
嗚呼もう
愛してる
阿吽の息
逢えたね
青い鳥も
赤くなる
飽きたら
悪夢見て
明け方に
憧れたの
朝日の方
足を向け
明日から
汗かいて
遊びたい
あたしは
あちこち ....
あの人がまだ何か言ってるのに
灰青の夢が覚めてしまった
また置いてけぼりだ

溶けたまま起き上がる
準備しなくちゃ

背中にあるはずの羽を隠す
曇りガラスの眼鏡をかける

おっと ....
狂った国土で正気を保つのはむつかしい
猫なで声が
泥で出来た人形たちを踊らせ
盲いた人たちが
拍手喝采する枯野のアンフィテアトルム
野糞を始末するトイレは
すぐに壊れた
だれもが
口か ....
自由詩のお墓参り(10年ぶりの)、
黄色い花を想像しながら。
そこに何を見ましたか?
水仙、菜花、ミモザたち。
爪にもピアスをした、
耳にも、めにも、内側にも。
だから自由詩にも穴をあ ....
朝方は雨に近いみぞれだったが、いつのまにか大粒の牡丹雪となり
真冬のような降りとなっている
誰にけしかけられるでもなく、雪は味気なく空の蓋を開けて降り出したのだ


すべての平面が白く埋め尽 ....
夜が狂うから眠りはぶつ切りにされる、幾つもの夢が混ざり合って、筋書が存在しない奇妙な色で塗り潰される、なぜこんなに身体が強張っているのか、眠ってはいけない理由がどこにあるのか、俺は理解することが出 .... 毎日アンパンを食べている
このアンパンはすべての栄養がバランスよく入ってると宣伝されていて
飢えないためだけに食べる

完璧な栄養のアンパン
それを手にしたブラウン管のなかの刑事、張り込みを ....
はる、
勉強机と低い本棚の間に架けられた、
一本のクモの糸、
その事が今なんだか妙にうれしい、
それは春が春のなかを渡り歩いたという、
ささやかで、
たしかな軌跡、
ひさしぶりに開け放っ ....
三角形を甘く飾って、光る石を食べようよ
うん、そうしなよ
飴玉と目があうのは君とだけ
君と目があうのは飴玉とだけ
チョコレートをたくさん用意したんだね
パフューム、
オルゴール、
ストー ....
わたしの三十歳になる
自閉症の息子は
通っている作業所で
仲間のリクエストに応え
曲をYoutubeで再生して
みんなに喜ばれているそうだ
小さい頃から
誰が教えた訳でもないのに
ただ ....
瓦礫しかないところに生まれた
悲しみにあやされ泣いた
涙を飲んで眠った
夢の中で大海を漂っていた
目覚めれば変わらぬ瓦礫がそこにあり
泣くことしかできなかった
破壊が運んできた種が
瓦礫 ....
近頃は三途の渡し場も
やたら混んでいて
三途の川も
一年に一度しか
渡ることができなくなった

高度経済成長の団塊世代の人達が
大勢でやってくるように
なったからだ

中学生時代の ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1370)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
零は零れる- 塔野夏子自由詩5*25-7-27
ヒヤシンス- リリー自由詩10*25-7-26
敵に食塩を送る- イオン自由詩425-7-26
天日- リリー自由詩10+*25-7-12
自分との闘い- 自由詩1125-7-10
底の記憶- ひだかた ...自由詩9*25-7-3
がたんぽとん- fujisaki自由詩425-6-30
尻尾- 自由詩9*25-6-15
機械的天使の腕のなかで- みぎめ  ...自由詩225-6-11
チーバくん- 無名猫自由詩525-6-8
ペイズリー- 片野晃司自由詩1325-6-7
枯渇- 進羅自由詩125-6-2
- レタス自由詩9*25-5-30
ショートなケーキ- 饂飩(う ...自由詩225-5-29
氷河の朝- ホロウ・ ...自由詩5*25-5-11
京都へ- 花野誉自由詩6*25-5-7
初めて泣いた夜- 唐草フウ自由詩13*25-5-3
しらほね唄- ひだかた ...自由詩525-4-23
あ+五十音/アハ体験?苦しい- 自由詩10*25-4-21
出勤- ◇レキ自由詩3*25-4-20
ユニオンの悪夢- 室町 礼自由詩4*25-4-14
じゆうしのお墓参り2- はるな自由詩5*25-4-8
初雪- 山人自由詩11*25-4-3
冷えた眠り- ホロウ・ ...自由詩4*25-3-29
アンパン- 凍湖自由詩425-3-24
春の糸- 本田憲嵩自由詩1825-3-21
フォビア・フィリア- 凪目自由詩4*25-3-13
息子の肩を揉む- 花形新次自由詩425-3-11
瓦礫を生きる- 自由詩5*25-3-11
物故者リストの旅- ばんざわ ...自由詩9*25-3-3

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