囲炉裏ばた。なまはげがつくってくれたチャンプルゥがすさま
じくマズく、涙目でごちそうさまをいうと、「ドウダッタ」な
んて、あんのじょうの禁断の問いだ。このばあい、ぼくが悪い
子にならないためには ....
唯物論的なエスカレーターを上る
さっきの人身事故も
きっとこのエスカレーターを上った誰かから始まったに違いない
最後の一歩を登り終えてホームに向かう
ビル群が私を見下ろして空は狭かった
列車 ....
薄い薄い薄い薄い
透明な、点滴のパックを
銀色に遡っていくもの、の
私は(あなた

手放して、
空気の中へ、

あなたは視界の果てで
輝きを受ける、
あなたはあなたの星空の中
一 ....
まゆとまゆを繋いだたおやかな峰に
みえるいくつかの不均衡な螺旋機構
きみとあなたの感情とことばの辺縁に
ひそむ約束の不特定で不埒な内省模様は
燃えつきそうなとおい炎のような

自前の足 ....
          草葉に風の足音
夏の光の深い底で焼かれる虫たち
夜に置き忘れられた
艶やかな目に乾いた夢が映り込む
生と死の歯車が柔らかく噛み合って
素早く回転する
  濃厚で豊満な匂 ....
わたし、
根なし草に
転がる石
つよいつよい風に
笑ってひらめく柳の枝葉

だれか、
土に据わり花を咲かせ
苔むしてふかみどり
ずっしり受けとめ
ある日倒れゆく樫の木

わたし ....
指先で、
するすると水面を辿っていく。
水面は指先の森だ。
いくつもの指が、
滑った痕がある。
指紋が重なって枝になる。
いくつもの記憶の羅列が連なり、
あたらしいいのちをつくる。

 ....
風の強い春の日の中を走る
この二両編成のさびしい列車は
さながら私の部屋のような
根付いた親しみで満ちている
シートに座れば座布団のようで
人が乗れば来客が来たかのよう
そう思える寛いだ春 ....
新しい街には風が吹いていた
壊れた楽器の音のように
太った空間の波がはためいていた
誰かが瞬きをするその眼の湿り気
この風の湿り気はそれと何ら異ならない
異郷と故郷の間に区別はあるか
異郷 ....
曇の上の雨
陽が照らす鏡の背
朝の径に降るかけら
午後の径をすぎるひとひら


空の海が
黝く干いてゆく
まばたきのなかの無数の月
夜が 流れ込んでくる


 ....
ハイフン時々アンダーバー
ドットとコンマを見間違う

たった少しの違いでも
送ったメールは届かない
贈った思いは届かない

ハイフン時々アンダーバー
コロンと間違えセミコロン
できた ....
あばら家、破れ屋、壊れ家 晴天
差し込む陽光、隙間だらけの板壁から
床に降り積もった雪、凍り付き
裸足で滑る、裸で踊る

絹糸束ねた光の帯
肉身に巻き付き熱と化す
内から沸き出す熱流、合 ....
気持ちの整理がつかない
ふつつかな子どもは今、いくつかな
もう気づくかな、ここに生きている価値を
蟻と平行線を続けてく
キリギリスには追いつけず
一心不乱に取り乱す
生きて行く道はオリジナ ....
空と海の混沌に
突き刺さる黒い陸の先端
に白い少女が立っている

淡い彩りが現れ
生まれた風が海を押す
押されて海は岬に駆けのぼり
少女に白い言葉を飛沫く

潮鳴りにひそむ遠い記憶の ....
雪の中に囚われた叫び声が
雪とともに融けて大地を舐めた
苦い大地の表面に
瞬間ばかりが足跡を残した
今日から始まっていく事件は
まだ卵の中で育っていて
それぞれの孵化の時期は未定で ....
スイッチだ日常の点けて弄ぶ消しても眠らない
壁を這いまわる夜にふやけた未発声の《》は過呼吸のまま乳房を求め
夏の光に目隠しされた幼い逢引と声の影法師
皮膚下の水脈を辿る山椒魚のふるえ蔓草が覆う戦 ....
雪のような歌がある
静かにふってきて
いつのまにか景色を一変する
真新しい一面の白紙を前に
こころ躍らせる者
昨日を忘れてしまい
ペンのように立ち尽くす者
雪のような歌がある


 ....
とにかく雨が酷いし午前一時五十分 眠ると
かそんな気持ちになんてとてもなれない す
ぐそこの中川が氾濫する氾濫する レベル4
だと携帯は鳴りやまない(気がするほど怖い)
そんな夏の終わりのこと ....
換気扇がぶっ壊れて
機関車みたいな音がする

台所であなたと目を合わせたら
困ったような笑顔がどこかへ旅立つ

暮らした年月を
思い出させるすべての劣化

年をとったわね


 ....
アフリカ鍋には
キリンさんの首と頭がまるごと入っている
そういうと、
動物愛護協会から
クレームが来るかもしれない

キリンさんも可哀そうだが、
それならなんで戦争がなくならないんだ
 ....
小平市の住宅街でバリバリと音が鳴り
とつぜん、目の前の住宅が取り壊された
私は三か月前から仮の住まいを持つだけなので
家が壊されるこまかな事情は知らず
事情を知らないゆえ
その家は突然、取り ....
庭の草が伸びてむさくるしい
植えている花が埋もれてしまって
見栄えが悪いし
こころなしか虫が増えた気がする
なのでそろそろ頃合いだと思い
草をむしりはじめる
鎌などの道具は使わず
手で草 ....
バス停から歩き出した 暗くなった歩道に
街頭に照らされて 燦然と 
一本だけ落ちている 大根の葉っぱ
ベビーカーを押す母親が スーパーの袋から落とした


午後7時 今ごろぶり大根にな ....
横たわり 落ちる意識
解剖台の照明が点灯する



僕の感じるコドクは
大したことはない
この社会の同世代にとって
全くもってありふれた
何の変哲もないモノなんだ(多分)
 ....
かわいそうを
拙い力で摘むその指を
見守っている

指輪にしようか
髪飾りにしようか
一本、二本、3本
束にして編んでいる私は
数分後にはこのかわいそうが
無造作に捨てられることを ....
大根の葉についた青虫を
箸でつまんで地面に捨て
それを踏み潰す
青虫を見つけては
箸でつまんで地面に捨て
それを踏み潰す
そして小さな畑を一周する

朝の仕事を終え
しばし畑を見つめ ....
魚を釣りに行きましょうと
手を引かれて行く
氷のように冷たい手である
連れてこられた川辺には
沢山の人がすでに釣りを始めていて
思い思いに竿を上げ下げしている
自分もどこからか
骨のよう ....
そんなことより聞いてくれ
母と大声で喧嘩して
家を出て行く夢を見た
母は僕の靴を隠し
どこにも行けなくしようとしてた
母は途中で謝って
仲直りしようとしてくれたけど
僕はそれを振り切って ....
そんなにだいじなことが
あるだろうか
陽に透けている髪の毛や
ひびくように聞こえてくる帰りみちの子どもたち
なにかの秘密くらいちいさな爪のいちまいずつ
写真集にかぶったほこりのおどるとこ ....
午前四時
デスクライトに集まる仄明かりを
指でつまんでは
窓から捨てた
けれど
捨てても捨てても
それらは群がり
夜は徐々にまみれてしまう

冷えている
二度目の底で
私は起 ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1287)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
なまはげがつくってくれたチャンプルゥ- コトコレ自由詩2*16-10-28
缶コーヒー- 倉科 然自由詩216-10-26
病室(レターパック)- 由比良 ...自由詩7*16-10-26
つつまれる- soft_machine自由詩4*16-8-24
火葬詩転生- ただのみ ...自由詩14*16-7-20
- 田中修子自由詩5+*16-6-13
指先の森- あおい満 ...自由詩5*16-5-13
飯坂線- 葉leaf自由詩416-5-3
新しい街- 葉leaf自由詩216-4-14
夜へ_白へ- 木立 悟自由詩316-3-11
ハイフン時々アンダーバー- イオン自由詩2*16-2-20
湧出沸点- たけし自由詩4*16-1-19
押韻詩人- 独奏自由詩516-1-11
暁光- イナエ自由詩20*16-1-7
年のはじまり- 葉leaf自由詩216-1-4
スイッチ- ただのみ ...自由詩16*15-12-16
歌が聞えてくる- ただのみ ...自由詩21*15-12-5
ロンドン橋ならば落っこちない?- もっぷ自由詩415-12-4
夜汽車- ガト自由詩14*15-11-19
アフリカ鍋- atsuchan69自由詩16*15-11-10
窓枠- 高橋良幸自由詩9*15-11-3
草むしり- 春日線香自由詩215-10-25
落し物- 藤原絵理 ...自由詩7*15-10-14
解剖台#10/6-19:43:15- 凍月自由詩5*15-10-6
かわいそう- あるみ自由詩7*15-10-5
呟き- 小原あき自由詩815-10-2
夜釣り- 春日線香自由詩815-10-1
取り返した靴- Neutral自由詩415-9-26
- はるな自由詩715-9-15
明け方の事故- Seia自由詩415-9-14

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