松の根元に
腕を組んで眠る彼女である

彼女はここいらの生まれではない
こんなにも湿った(朝の)あぜ道のそばでは
彼女は豊穣なる火の国の生まれだ
だからよくしゃべりもするし
燃えたりする ....
風を脱がされた雨が淋しげに
吶吶と落ちている
かなしみだ
わたしのかなしみのうつしみだ

晒されて
ほら聴こえる
よおく聴こえる
嘲笑い

わたし、宛て





風 ....
 耳鳴りがする、ずっと遠い。

 静かになったと思い、見渡すと、島国は無くなっていた。

 鳥がやっと一羽、乗ることができるくらいの岩礁が、
 まだゆっくりとした白煙を上げている。

 ....
一日に関して
使用される時間の箔は
旅人の首筋に降りかかり
その歩みを止める

魅惑される獲得は
馬の口への旅
正しく終了した
多くの古代文明


海岸
通過

クモの ....
我が家では去年の秋から
家電品が壊れるという【 連鎖 】が始まっている

最初に洗濯機が壊れた
スイッチを入れても作動しなくなった
もう7年は使っている 
そろそろ寿命だったのかな
洗濯 ....
寝息を立てる背中に心の中で呼びかける
世にも優しい人
ベニヤ板で塞がれた窓に蒼い月の光を描こう
今は夜中、外は涼しいはず
都会も眠り、時の歩みも止まったよう
月光と小さな鉢植が要る(習慣化の ....
積乱雲が雨を降らせる。
空が好きだな。雲が好きだな。それを映す
水面が好きだな。言い出したら霧を見つけた。靄も好きだ。
雲の根源は地上に流れる水にある。
葉の裏から出た水蒸気にある。
空が私 ....
木々の緑を水面に映す静かな湖のほとり
子どもたちが乗るボートが1艘
桟橋の近くのサンドイッチ屋に到着しました

「いらっしゃい、みんなおなか減った?」

女店主が言うと

「減った。」 ....
想像してごらん
額に猫を載せて歩いてゆく人を

想像してごらん
通りを横切る犬の大きな糞を

想像してごらん
派手なミニスカートをはいた金持ちの貴婦人を

想像してごらん
パレード ....
吐息だけが白く昇って
何を祈るでもない
ただ
彼女はちょっとした暇潰しに
空き地にどこからか
降ってきた神様が
お配りになられた
愛についての本を開いたのだ
何にせよ説教じゃん
明け ....
純白に広がった眩しき光の画用紙に
身を震わせながら生ぬるいみずを垂らした
祈りに悶えるおんなの吐息を筆にふくませ
なぞりはじめてみた
何故だか気怠い何故だか
満ち溢れてくる月の情緒の沸騰のよ ....
マカロンをもらった
もらいたくもない奴からもらった
カラフルでやわらかくてかわいらしいマカロン
もらいたくもない奴からもらったのに
カラフルでやわらかくてかわいらしいマカロン
そして俺は負か ....
サンデーバザールのあと
あらしが何度か通りすぎ
片腕の乞食が食いっぱぐれ
捨て猫みたいに骨と皮だけになって


水気で頬をいっぱいに膨らませた雲は
策略的なハンターの目つ ....
「遍ねきもの」
         木の若芽


世の中で起こっている一切の事は
まさに自分の心の中でも起こっている
同時に進んでいる
遍ねき時間
ああ また
わたしに台風が発生した
 ....
河田町のランチ時
ショートカットの急坂を
曙橋へと下りる時
おとこ社員を従えて
登って来たのはお地味なあの顔
あべちよ
羽織ったカーデのあいだから
堂々お山の五合目見せて
やっぱ露出度 ....
ハモニカ吹く奴って
なまらモテるんだぜ

場末の小さなライブハウスで
弾き語りブルースを歌った奴が
ハモニカに詰まった唾を
取りながら言ってたっけ

慈恵とか静修とか香蘭の娘とか
兎 ....
きょう
夕焼けをみていたら
いきなり空が
あかい舌をだした


空よりもずっと
遠いところ
飛行機にのって
バスにのって
橋も渡ったのに
ここは山ばかりなのね
と少女はいった
 ....
小学校の卒業アルバムには
「僕の夢」という題で書かれた作文があった
何も知らなかった頃に 間に合わせで書いた
他愛もない夢


日中のオンラインゲーム世界の中は
比較的 閑散としていた
 ....
夕暮れの残骸が
重くのしかかる西の空に
今日は今日も消えていく
名前のない主人公たちの夜が静かに始まり
何かが終わり何かを忘れていく
思い出してほしい
思い出してほしい 誰か
私たちの名 ....

かまきり が袖を引く
貧弱な鎌をカフスに突き立て
出勤する私を引き留める
そんな鎌じゃ 草も刈れまい
まして人間なんて 狩るもんじゃあ ないよ
生地がいたむから 
その鎌 どけておく ....
「秋のワイン」
           木の若芽

ぶどうの木に宇宙が実っている
一粒一粒の小宇宙の魂が
ほろ苦く ほの甘く かすかにすっぱい
この味こそ宇宙の味わいだ
だが宇宙の香りにつ ....
天井から集まる
星屑のめいめつが
頬からこぼれそびれて
睫毛にからまり
目を閉じると
角膜の表面に錨をおろし
浮標のように
ただ揺れている
覚束ない眩しさを
ひとつ摘んで
たやすく ....
桜色のファブリーズ
求めたのは 春の 語らい

風が 冬の匂いを 撒き散らす 
その代わりに

白が 消毒液を 連想される 
場所を 離れて

もともとは アロマ成分を
重視し ....
夢精した、全裸で煙草を吸いながら、パンツを洗濯機にかけていると、不穏な音、次第に加速し、やがて一定の間隔で、洗濯機が大きくゆれるようになる、傍の金属のラックが軋んだ音を立てる、きょうは電車に乗って、電 .... 急に外からブレーキ音が聞こえて
部屋のカーテンを開けると
景色がゆっくり動いて止まった

どうやら
どこかの駅に着いたようだ

部屋の窓が電車の窓と繋がる事は
たまに起きるらしいから
 ....
きっかけは女の子がいれた一杯のコーヒーだった

「エスプレッソが苦いって誰が決めたの?」
その余韻は記憶となり小生意気な声で
私を侵食して何かを変えた
その時感じたフルーツのような新鮮な酸味 ....
左目はいつのまにか
左目になった
今も
怪訝な顔をしている


花を折っても
花のまま笑む
悲しくて
誰も見なくなった


海が窓を切り
壁にしたたる
冬の ....
熱射を吐き出してしまった夏は
老いて死んでいく
鎮魂歌を捧げられながら

あれは一時のめまい

傾斜する意識が
さらに勢いを増して
海の底に沈もうとしている

戦場に散った無名戦士 ....
                   120818




最近は、お米が余るのか
カロリー換算だとジャガイモよりも安い感じだなと思ったら
輸入米だった
海の彼方から運ばれてきたのに
 ....
仏壇がはなやぐことよ
ようきんさったなぁ
帰省した一族らぁが
各地の土産を並べていくけんど
こがーに食べられんでのう、おかあさん
おとうさんはビールがありゃあ良かけん
ほいでも黄色い菊と白 ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1337)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
彼女の来歴- オイタル自由詩5*12-10-20
とつとつと- もっぷ自由詩812-10-17
耳鳴り- Ohatu自由詩2*12-10-16
- 和田カマ ...自由詩3*12-10-15
【_連鎖_】- 泡沫恋歌自由詩11*12-10-14
世にも優しい人- salco自由詩13*12-10-13
一昨日の私は明後日の空を想像できない- かんな自由詩12*12-10-12
パスコ- 和田カマ ...自由詩4*12-10-11
想像してごらんイマジンをージョンの誕生日によせて- ……とあ ...自由詩18*12-10-10
誰も知らない- ブルーベ ...自由詩1*12-10-8
火の粉のようになりたい- マーブル自由詩412-10-4
マカロンにまかされて- 新守山ダ ...自由詩812-9-29
街角で簡潔に詰め込んだ食事のあとで- ホロウ・ ...自由詩7*12-9-25
遍ねきもの- 木の若芽自由詩512-9-24
がんばれあべちよ- salco自由詩8+*12-9-20
ハモニカ吹きの男- 板谷みき ...自由詩3*12-9-19
やまぶどう- yo-yo自由詩1412-9-18
ゴミ箱の夢- 結城 希自由詩4*12-9-16
reaction- 砂煙自由詩2*12-9-13
かまきり- りす自由詩16*12-9-11
秋のワイン- 木の若芽自由詩212-9-4
暗礁- sample自由詩1012-9-3
桜加減を_もう一度- 藤鈴呼自由詩6*12-9-1
自動二槽式マキナ- 魚屋スイ ...自由詩7*12-8-28
ブレーキ!ブレーキ!- Seia自由詩312-8-27
海の記憶とコーヒーと- 深水遊脚自由詩10+*12-8-24
ノート(冬とけだもの)- 木立 悟自由詩512-8-23
不可逆- 乱太郎自由詩25*12-8-21
過剰- あおば自由詩8*12-8-18
盆にぎわい- そらの珊 ...自由詩7*12-8-16

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