90分
瀬崎 虎彦
教壇に立つと足が震える
いまだに ほんとうに
数に圧倒されるわけではない
自分の無知と対峙せねばならぬから震える
それをひた隠しにして
知識を売り鬻ぐ男がここにいて
いつ化けの皮を剥がされても
おかしくない だから怯える
教えることなんて出来ないのです
自分の学んでいる姿を
君たちの前で晒すことしか
僕がもっと要領よく
90分の授業を出来るようになったころ
それでもこの気持ちを忘れませんように
自由詩
90分
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瀬崎 虎彦
2009-11-25 17:11:28
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教壇詩集