文盲
ゆえづ


不自由なペンが
真っ白い紙の上を暴れるとき
あなたは
見たこともない景色を見るだろう

インクを調整しやすい
それだけのひと
わたしは
それだけのひとになった

利かないものは捨てていく
それが利口だって信じていたのに
ねえいつから笑わなくなったわたし

一切の無駄を許さない
自由だって知っていたけれど泣いた
思うように書けないペンなど
片っ端から捨ててやった

そうして眠ったんだ毎晩
全てを見届けて
何一つ見ることもなく
笑ってしまう
真っ白だ
もう笑ってしまう
夢って字が書けない



自由詩 文盲 Copyright ゆえづ 2009-12-03 22:15:07
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