ひとりの温度(冬)
唐草フウ

わたしのなかの毒を 冷たい指先から
触れるものにすべてなすりつけた
その先にあるのは無機質な 温度で 少なくとも
モノであるぶんには ずいぶんあった


かぞくで暮らしているのに ひとりで食べる
テレビは、つけない
食べたくなくても 口に入れる
母が 寝込むと 折れそうになるけど
ひとりの れんしゅう
れんしゅう、する


冷たさからは 毒が出ない
もっているものが 減っているから
君からの一報は とてもとてもうれしかったよ
何を見ても 感情がわいてしまうよ
手はこんなに冷たいのに
どうしようもなく







自由詩 ひとりの温度(冬) Copyright 唐草フウ 2009-12-07 19:43:47
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