終る夜
朧月

少し前に雨がやんだ
吐息のような匂いがたちこめている
冬というものは罪の意識の現われのように悲しい

ガソリンの足りない車のように
とまる心配ばかりして生きる
走りながらとまることを考えながらまた走る

人の歩かない高速道路みたいに
人の感情を無視して主張する


親子であっても兄弟であっても
生まれるも生きるも
ひとりからのはじまりであり
ひとりからの終わりだ

それなのに なにを連ねて想いを吐き出すのか
この中になにが眠ってるというのか

雨にうたれたようにしおれた今の
自分は弱くて 必ず親に似ている

同じように 生きたくて 生きたくなくて

抵抗してみる 自身に痛みがかえっても

泣いているのは どちらなのか
泣かせているのは 

いつか 抱き合えるのは理想か
許しあえるのは理想か

雨はあがる 空気はかわる
それならば と 願う
その繰り返しの 夜は 
また終る



自由詩 終る夜 Copyright 朧月 2009-12-29 23:08:24
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