グレタの船は火の道を往く
十戒のように海を割り
水面すらない中空を
それでもグレタの船が往く
ジャンヌ・ダルクのように
ドラクロワのように ....
七億をすぎる人の
文字への想い
親の願いを込めた
自分の名前すら書けずに
字を読むことすらできない、少女は
母からの手紙を読んでもらいました
詩はいつも文字や言葉を媒介す ....
なんか、テレビみてて
ロシアとアメリカの大統領が
対談してるとか聴いて
ふと
「世界のど真ん中で」
という歌詞を想い出した
RCサクセション
「カバーズ」の中の一曲
....
明日はいつも私をどこかへ連れて行く
どこまでも私の手を引いて
毎日近い所や遠い場所まで一緒にいたね
やがて歳をとり身体が動かなくなった
毎日一緒にいた明日はもう来ないみたい
私は何処へ行けば ....
烏二羽 先祖を乗せて 宵闇へ
どきどきに すこし
ぬれていく ものたちが
わたしのために 毎秒
再生ボタンを 押してしまった
ドレンホールにむかって
熱のないカップを 頬ずり
ほとぼりのように、かきまぜている
....
どれほど空が抜けるように青くても
君は優しく微笑んでくれたけど、僕は
いまだ精米されていない人々を見て
階段の上の方
ポケットに手を入れて
にやにや笑っていた
本当はもうどうしようもなく
....
シャッター商店街
賑わっていたのはいつの頃だろう
よくかまってくれたおばさんは
今何をしているだろう
丘の上から見る街は
まるでジオラマみたいだな
廃れた景色はなんだかつまらないな
....
いつもの食べるペースを
ゆっくり、ゆったり、スローに
味わい深く
身に染みるこのうまさ
いつものシャワーを
ゆっくり、ゆったり、スローに
湯船に浸かり
芯を解きほぐす
いつもの ....
昨日産まれたばかりの吾子は
わたしの横で寝ている
なんてかわいいのだろう
産毛のような髪の毛
耳も口も鼻も小さいけれど
とても精巧に作られていて魅入ってしまう
閉じられたまぶたの中でどんな ....
築年数四十年を過ぎた中古マンションで
今夏暫くの間、我が家でも玄関ドアの脇に
宅配弁当業社の貸出しボックスが
配置されるようになった
すると挨拶を交わすご近所さんから
「 ....
別に小さくてもいい
現実のギャンブル化にあらがえ
小さな花みたいな汚れだ
達成は
案外いきすぎなのさ
人間はアホだと知る
別に最上位ではない
だからと低いわけでもない
そこには自然 ....
退勤を押す
瀝青が泡沫を吐き出す湿度をまといながら
誰もが楽園を見つけだせなかった旅人のように
骨格を曲げている
さびしい さびしい さびしい さびしい
柔軟さを失いながら猫は歩いて ....
地面に落ちたふたつの実はもうどうすることも出来ないほど腐り果てていて、ああこのまま土に還るのだと…少し悲しい気持ちになりもしたけれど、でもそれは無駄なことではないのだと気付いてはっとした、それを食 ....
四萬
それチーね。
雀卓を囲めば深夜放送から流れてくる埠頭の風
東雲の左手には北の兄貴が居座り考え込んでいる
兄貴はいつも遅くて牌をなかなか手放さない
結果的にはカモ ....
全身に陽の光を浴びて
浅黒く焼けた
おまえの肌に
舌を這わせてみる
薄く塩の味を感じると
俺のイチモツは
俄に屹立する
おまえを味わうことで
俺はおまえを
掌握した気になって ....
風吹かば 風が好きだと 君が言う
大きな楠の下で夏
あなたの上で羽ばたく
それがあなたへ与える効果は
あなたがどこかで
誰かに影響を与える
そうやって次々と伝播する
地球の裏側まで
だから今夜飛ぼうよ
遥か遠くを目指して
but ....
何だ、不満か?
君もいきがりたまえ
いきがれるように生きてこなかった
おまえのミスだな
と、ここで、この歳にもなってくると
人の不幸を笑えなくなり
身につまされるんです
明日 ....
自分自身はどんな人なの
ホモサピエンスのはしくれ
それにしては歴史が浅い
人見知りであり
優柔不断と認識している
肝心なところで
ものごとを決する ....
夏、街は
もぬけの殻になった
開け放たれた窓
ラジオから流れる雑音
駅前からも公園からも坂道からも
人はいなくなった
がらんどうの街路を歩く
私もまた空っぽになっていく
視 ....
{引用=
青い青い水面に溶けこんでゆく、
眩暈、
ふたりの抱擁、
時計の長短針が、
零からいきなり三十になったように、
逆さまにはっきりと映りこむ、
ふたりの不定形、
まるで半透明のゼ ....
墨透海の南にはもう海はない
あのつまらない大きな大陸があるだけ
だからほとんどの人が折り返す
それでも大陸に行こうかどうか迷う
やめようと決断するのが
大抵午前三時だそうだ…
昼間の墨 ....
わたしより
やわこいうえへと もどりはじめる
やさし く だけていた濃度 100%「fu、
おりしずむ。しづみながれて、いったいへ
睡に飽いた ひとつはあめ ひとつはわた
こぼした域は ....
Ⅰ.
夢はすべからくすべすべとしたまるい顔
ひとよんでのっぺらぼうという名の妖怪
さそわれて、肩たたかれて、ふりむけば
人まちがいだろうけれど「なんかようかい」
夜空は月の目玉を ....
星の間を渡る技術を
AIに教えてもらう悲しみ
文明を破壊する知識を持ったAIの
実験のためにだけ巻き戻される
人類の未来
繰り返されるダブルクロス
変えられない指先に込め ....
2025年8月15日(金)
今日は終戦の日
80年の時が過ぎた
黙祷
さぁ今日も現実社会で生き残ろう。
*
貴方に感謝も、非難する気持ちも ....
○「終戦記念日」
いまだに終戦となっている
敗戦ではなく
基本的なことを
間違ったまま
ずっと来ている
○「老いの日めくり」
1日
満たされないのは
足りないからではなく
求め ....
おい
鉛筆を
ずいぶん使ってない指を
みながら昔を知る 残酷さ
このへや
パソコンに
西陽がさしている机
君の香りがしない ときおり
じゆう ....
ほのか
目のまえに
そろそろ終わりがみえる夜
桜降る道 手を繋ぎゆく
いちめんの
向日葵が
満面笑って軽やかに
君の匂いがする 風が吹く
き ....
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