六十八匹の鈴虫を埋めた墓を
母の庭帚が一掃した
落ち葉をしだくような
笑い声に見合う顔を思い出せずにいる
まだ蝶結びができなかった
大雪を抱えた空の下
厚いコートにナイーブな獣を隠 ....
○「人生」
人生は
問題解決学習である
さて今回は
神社の大麻販売問題
大麻とはお札のことだが
割り当て販売である
一部千円で15枚来ている
30世帯もない自治会で
こんなに売れるわ ....
冬、まだ生き続けている。とても大きなオオクロバエ。窓ガラスに張り付いたまま。もはやほとんど動かない。指さきを近づけてみてももはや俊敏に飛び立つこともしない。それはまるで、もう十分に生きてきたから、みた ....
村はずれの一本の冬道に、街燈はじっと立っていました。
雪はさらさらと降りしきり、夜は息をひそめています。その静けさは、まるで遠い昔、この世がまだ素朴だった頃の記憶を遠くに思い出させるようでした。 ....
もう書かずにはいられない
思いめぐらすラブレター
通学途中カドの文房具店
生まれて初めて便箋に手を伸ばす
心の中はパズル模様
パズルを解き明かし
....
大切なものたちを道で見つけては拾っている。みんなその大切なものを、なぜか捨てていってしまうんだ。だから僕が拾っていく。拾った大切なものたちは、部屋で大切に飼っている。ときどき外で自由に遊ばせてやったり ....
私は木陰に揺れる冬陽を見つめ、冬が訪れ始めた空をだんだん見上げていきます。水色が見上げるにつれて青色から、蒼穹そうきゅう。雲一つ無いですね。すぅーっと吸い込み吐き出した空気が冷たく突き刺さる空気が肺を ....
壱. ぬらくら川と暮らしの音
「何十代も続いたうちの家も……さいごは、……沼ん底に沈んじまうんだと……。」
爺さまは、濡れた袖で鼻をすすりながら、ぽつり、ぽつりと呟いた。その声は、日が落ちたあ ....
唐揚げ
給食の時間に落とした
楽しみにしていたのに
落としてしまって
それから
見つからない
唐揚げが
見つからない
たぶん
記憶と記憶の隙間に
落としてしまった
先生も ....
僕があの日あんな失敗をしてなければ、むしろ生まれてなかったものがある。
ああ、君の念願の願いは、僕の失敗だったんだね。
僕が勝手に良しとする道になんの憂愁があるのだろうか。
その問いは、あまりに ....
屏風山の奥深い森の、そのまた向こうに、ひときわ白く光る峰がありました。
それは「せせらぎの峰」と呼ばれ、森の獣たちは夢のように囁きました。
「頂に立てば、この世の果てまで見え、生きるもののすべての ....
日常。それは何のために続くんだろう。
守るものができて、そこにだけ向かっていく。
消えかけた街灯を走り抜け、
小さな水たまりを気付かずに打ち抜く。
難しいことじゃない。
君の笑顔 ....
ああ!愛しきもの
残りの人生
あと、何回この食事するだろうか?
ああ!愛しきもの
残りの人生
あと、何回この景色を見るだろうか?
ああ!愛しきもの
残りの人生
あと、何回君 ....
一 氷が息をする村
むかし、奥羽(おうう)の北の、そのまた北。山の影ばかりが伸び縮みする寂しい谷に、萱野(かやの)という小さな村があった。
冬になれば、雪は人の背丈を越えて積もり、家々は白い棺 ....
木の実が尽きて
里へのクマ出没が後を絶たない
クマも食べ物がなくて
どうせ死ぬのならと
覚悟して里に降りてくる
話題が尽きて
テレビ放送の誇大表現が後を絶たない
放送時間に猶予はない ....
データをグラフ化すると
解った気になるのだよ
グラフ化に騙されようと思うのだ
グラフは天気予報図と同じで
一瞬未来が見えた気にさせるものだ
グラフ化したほうが前には進める
立ち止ま ....
車を走らせていると
だだっ広い芝生の平原にすっくと
黒い五重の塔が建っていた
ちょっと気になって
駐車場を探して
その五重の塔をみにいった
想像どおりの大きさで
みあげる ....
○「人の師」
みだりに人の師となるなかれ
人のことを批判する余裕はないはずだ
若いときは
人のことよりも
自分のことである
まして年を取ったら
なおさらである
自分のことに集中せよ!
....
積もることのなかった雪のせいか、
風景はあの日の朝を思わせた。
空気は冷たく、地面はツルンとして見える。
吸い込んだ息は、鼻をツンと刺して痛くする。
そうして流れた涙は生理的現象だ。
....
とある花がわたしに
微笑みかけつづけてくれている
わたしはすこし照れて
その花のまなざしを直視できない
人生を全うさえできない予感に夜に震える
ひとりっきりも気楽だなんてくだ ....
奴らがパンダで来るなら
こちらはヒグマとツキノワグマを
嫌でも送りつけて
天安門広場を血の海に染めたい
白黒か茶色か黒の違いだろ
下手したら
ハオチー、ハオチーって
取り合いになるかも知 ....
+
晴れた日はお部屋で軽いコートを着てのんびりしている。麹いりのお味噌しるがいかにも美味しい。お腹のなかで細菌たちの、わぁいっていう声が聴こえてくるようだ。
◯
もち麦多めの雑穀 ....
それって、雨のつもり?
あきない人ね、あなたって。
忘れたの?あなたがしたこと。
あなたが、わたしたちに約束したこと。
もう、二度と滅ぼさないって約束。
また、はじめるつもりね。
すべての ....
不安や迷いなど
その中に居る時は
忘れているけれど、
命に従い
生きるしかない私
・
いのちよ
ありがとうさま
いのちは
いのちに
支えられている
・
おふろ上 ....
今日の役目を終えたようなアスファルトが
まだお前がいたかと俺を迎える
誰もいないから好きに渡れよって
赤い顔したやつが
点滅しながら俺を誘ってくる
ゼブラ色なんてもう意味をなくし ....
おれに/あたしに
答えを求めないでください
そうあえいでいる
子どもの頃から
答えだけを書かせる教育で
育った人間が
当たり前のように答を求めるから
暴走する
反逆する
嘲笑う
....
色を落とした、黄色、褐色の、紅色の
手紙の断片たちが、道の片隅や、真ん中に
からっ風で湿度をなくして
散らばっている
それを潰して
計算できない枚数に砕ける
どうしてうれしい
かなしくな ....
チュウカチンミンキョワコクの
領事官如きに
偉そうなこと言わせねえのにな
インバウンドダア?
一目見て分かる
垢抜けない奴らなんて
一匹たりとも日本に入れる
必要はないんだよ
秋田県で ....
+
ひとりぼっちのお部屋
11-17-2025
くるしみの最中に漕ぎだす舟といったところか。数珠つなぎで血の顔をする光りの洪水のなかで、ながれでるこの哀しみは、なんだろう。
◯
....
夢はたくさん叶いました
思いのこすことは特に無いのです。
終わる日を楽しみにしている
けれど
生きるための目的を新たに
持ったほうが すてき
その目的を今から探そう
るんたったるらるらる ....
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