まどらかな 朝の空気が
うすくのばした 綿みたいに
街中を したたっている



誰かが眠っているであろう
真っ赤な屋根の お家が
折れた 背骨みたいに
やわらかく
押し潰されて ....
繁る胸の奥にあるはずの
幸福に触れたいのに
苦痛ばかりが繰り返し適用される
見覚えのある棘を啄んで
小鳥たちが泣いている
肌の裏側で音が重なる時
それは優しい音楽になった
 或る季節風の朝
 街中でコートをひるがえし行く
 女の紅よ

 結ばれないと解っていて
 湧き出る胸の音楽に
 自分をすら見失う時
 陽光に己が肌をさらすことも出来ず
 根なし草の様 ....
昨年の陰謀論アワード第一位のネタは恐怖を国内に撒き散らすための囮だったという陰謀論が今年度のアワードランクインして物議を醸している。今や世は陰謀論フィーバー(古いなぁ)。僕の先生フィーバーは、いや、冗 .... 坂の上の校門で{ルビ磔=はりつけ}にされた少女の歳は十五であり、少女の脇腹の絶えず{ルビ膿=うみ}を吐く傷こそが彼であって、幾度{ルビ掻=か}こうとも少女の{ルビ痒=かゆ}みは失せることがなかった。少 .... ある寒い冬の休日の午後
裏庭にサバンナが置かれていた
誰かが昨夜のうちに
ダンボールの中に入れて
遺棄したのだろう捨てサバンナだ
今年の冬は
乾燥注意報が頻繁に出ているので
草丈の短いサ ....
ある朝、人々はビックリした

あるべき富士山がなく、

地平線から太陽が出てきた

お触書きがカカシのように立ってる

富士山を誘拐した

返して欲しいなら

政治改革をす ....
 二〇〇九年にメビウスリングに投稿を開始した。此処の年齢層は若年から中年までといった具合で幅広く利用されているようであったが、当時すでに私は五〇を超えていた。つまり年配者であったようだ。
 メビウス ....
コンコン、と
ノックはするけど

返事もしないうちに
入ってくるママ

机の上に
紅茶とお菓子を置いて

口をあけて
パクパク、パクパク

何を言ってるのか ....
  {ルビ蟷螂=たうらう}よ その身に棲まふ禍(まが)つもの おまへの腹はおまへを喰らふ


 小学生のころに、道端とかで、カマキリの姿を見つけたりすると、ぼくは、よく踏みつけて、ぐちゃぐちゃ ....
ウンマカニンポーバラノミチ
ウンマラニンポーバラノミチ
ウンマンニンポーバラノミチ
フマレフマレシアイミタガイ
ウンマンニンポーバラノミチ

人からジロジロ見られるんだもの
睥睨したって ....
いもうとぶった手鬼喰った
泣いたらもうしねぇが言われ
もうしねぇと謝りゃ手が生えた
かかのかね隠してたら
鬼に銭を口に入れられた
溢れるほどの口の銭
もういらねと言っても
鬼は許してくれ ....
(遠雷まだかな
(どうして?
(だってうるさいんだもん!
ネリーさんは水でできてるみたいだね
(夏、だからね
ってほら
言ってるそばから排水口に吸い込まれちゃって
夏は濡れやすいから気を ....
遠くから手を振る君の大きさよ  八月六日、ひさしぶりに雨が降り、午後は合羽を着た。気温もさほど高くなく、空調服は着ずに作業した。草刈り作業であったが、この雨降らずの天気で草丈は伸びず、土埃舞うぺんぺん草を刈り取るというレベルだった .... バットにボールが当たる音
汚れたユニフォーム
校歌に応援歌
いくつもの物語と思い出
流れる汗と涙
を画面越しに見ている

親戚に人見知りしながら
エアコンの効いた部屋
枝豆とビール
 ....
水滴が、いた
密と疎の成熟を強く支え
きゅっとゆるむ
ゆうまぐれをくずした
罫線はぢくかな

はつぎわにきくが、綾なすしづくは
とじた後にも、しんかしかいの端に
のぼるようなものぶ ....
午後になった
扇風機をとめて
水を届けに出かけた
ひび割れた路面と短い影
歩く時も俯く癖があった
草刈の辺りで風鈴売りとすれ違う
音、聞いたのだからお代を、と
干からびた掌を差し ....
弱い
自分を
弱いと
認める
ところから始める。ああ
ある人がこう言ってくれた
自分の弱さを自分で認められる人は
ある意味強い人だよ、と

人は変わる
人のこころも変わる
変わら ....
自然公園には干乾びた人々の夢が沢山落葉に埋もれていて今日の俺の漠然とした恐れもそのひとつとして零れ落ちていく、時折灰が降るような音がするのはそいつらが騒いでいるのか、午後は痴呆症の老人の笑みのような幸 .... 水晶を通してみえる感じの朝の陽光
部屋から不純な悲しみを洗い去ってくれる
そしてあとには真っ白な夢だけが残る

カラスが一羽飛んでいってしまった
一鳴きもせず
不幸を私から連れ去るよう ....
悪人芳香経(あくにんほうこうきょう)

――現代悪人正機説・匂いの経――



第一章 悪人香義譚(あくにんこうぎたん)

聞け、衆よ。
悪をなす者こそ、よき香りを放つ。

善 ....
いや、ウソでしょ?、それ
わかってるから、それが
芸術的修辞で
生活上の弁明であることは
きれいなメロディに
扇情的な歌声で
それっぽいこと言ってれば
いいねって言われるかもしれないけど ....
下から見上げる近くの虹は巨大なアーチ
遠くに見える小さな虹は小さなリング
もっと離れれば雨水のあぶく
一転
薔薇の色は多彩血の色は赤一色
ひたすらに薔薇の破片を足で踏む
我々は虹に興味はな ....
今この瞬間より
いつも今この瞬間から
己の抱え続ける因果の宿痾
自らの内なる畏怖すべき呪い
自ら闘い続けることを誓い
更に深く認め識らんと
此の世に己生かされ在る際に
再々度、対象化の俎 ....
裏返ってるヤツは、死んでいる

うつ伏せのヤツは、鳴いて飛び立つから注意

なんとなく
そんな風に教えられてたのかな?
いまもそう想ってるよ

でも

いつもの朝の散歩中に
 ....
現代詩フォーラムはポエマーの拠り所だ。
恋愛から憧れ
失恋から失礼から怒りから吐き捨て
肩肘張らないなんでもありで
自由です。それは
ポエム・ド・メリー夢みる詩
にも
して現代詩 ....
自称詩人もさあ
子供の頃に親から受けた
虐待のせいで
グレた結果
知り合った
反社の男の情婦となり
その男とのキメセクにのめり込んで
精神崩壊して
収容された精神病院の窓から
飛び降 ....
カバンの中に生卵
十個パックを詰めたまま

急な用事で地下鉄に乗る
手すりにつかまり
ぐっと息をのむ

加速で取り残される きみ
片手のひらで包み込む から
いちばん弱いものに合わせ ....
弱った蝉を林に連れ戻そうとして
手のひらの芯を掴まれる

指に鋭い痛み
しなうほどの力で
下唇をくい込ませてくる
またか、やはりかと思う

同じことが前にもあって
どちらとも、もう翅 ....
りつさんのおすすめリスト(470)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
竜が街を歩いている- みぎめ  ...自由詩4*25-8-11
音楽- はるな自由詩325-8-11
花になりたい- リリー自由詩9*25-8-11
いいよ、もう、全部陰謀論で- 降墨睨白 ...散文(批評 ...5*25-8-11
過越祭- 森 真察 ...自由詩525-8-11
サバンナの掟- ちぇりこ ...自由詩10*25-8-11
富士山が誘拐された- 多賀良ヒ ...自由詩525-8-11
メビウスリング~現代詩フォーラム~文学極道~ビーレビ~現代詩 ...- 山人散文(批評 ...10*25-8-11
虫。- 田中宏輔自由詩12*25-8-11
蟷螂_。- 田中宏輔自由詩11*25-8-11
バラノミチ- 降墨睨白 ...自由詩4*25-8-10
なまはげ- 降墨睨白 ...自由詩7*25-8-10
夏の終わりのネリーさん- ちぇりこ ...自由詩15*25-8-10
遠くから- 真礼美川柳125-8-10
秋はまだ訪れていない- 山人散文(批評 ...7*25-8-10
夏休み- 自由詩7*25-8-10
溢影(イツカケ)- あらい自由詩2*25-8-10
八月九日- たもつ自由詩13*25-8-10
自分を信じよう_このいのちを- こしごえ自由詩10*25-8-9
呑気な不意打ちの午後- ホロウ・ ...自由詩3*25-8-9
一鳴きもせず- 秋葉竹自由詩125-8-9
悪人芳香経_/ai(advocater_inkweaver) ...- 足立らど ...自由詩6*25-8-9
いいね犬- トビラ自由詩2*25-8-9
我々は虹に興味はない- 降墨睨白 ...自由詩3*25-8-9
〈根源悪〉の原体験/異邦の恐怖──生かされ在る際に- ひだかた ...自由詩8*25-8-9
- 秋葉竹自由詩325-8-9
カネと女に狂った爺が言うよ- 洗貝新自由詩6*25-8-9
あなたの人生、教えて下さい- 花形新次自由詩125-8-9
誰も知らない生卵- 松岡宮自由詩5*25-8-9
- soft_machine自由詩11*25-8-8

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