朽ちた動力機関のような感情を抱えていた秋と呼ぶには暑過ぎる日の午後、思い出すことも思いつくことも度を越えていて俺はもしかしたら自分自身にとり憑かれているのではないかと心配になるくらいだった、雲はち ....
○「寂しい」
年をとっても
秋の夕暮れは寂しい!
犬か猫でも飼おうかな!?
○「長電話」
ワイフの長電話は
「じゃ」
とか
「またね」
と言ってからが
長い!
枕言葉だろうか ....
獏とした 秋の
あわい天幕から
剥がれ落ちたか
光はつもるほど
景色から重さを奪い
ふっと 舞い降りた
枯葉の小舟
蜘蛛の仔を乗せ
銀の糸かそけく
固くほどけぬ結び目に
娘の頬は上 ....
+
ぼくは今日、致命的なあやまちに気づいたのです。
◯
命がどこにあるのかわからないときに誰かについて考えることの険しさからの言い逃れ、そのために精神的な偏りへの主張が必要なので ....
上滑りしている
おまえの言葉には
魂の欠片もない
薄っぺらいペラペラの
スーパーの広告みたいに
何のことはない風に
吹き飛ばされてしまう
遺書を書いてみろ
贈って貰った食べ物の ....
ようこそ!
この地球へ
その大きなひとみは
水晶のように透明
ダイヤモンドように輝き
太陽と同じエネルギーを放射
眩しく、輝き、きらめく宇宙から
ここ地球 ....
さみだれ
つゆいり、あけ
ことことぽとり
ふれたかおり
くつくつはらり
わからない
いろづき、あせた
かさねがさね
ちよりもこく
神宮前
戦い終えた獣のたてがみが北の空へとなびいていく
闇間に散る渡り鳥の影
海王星からの光の定期便を携えた郵便機のパイロットは
震える右手でジャイロスコープを暖め
左手は薄汚れた記憶のガラス窓を擦り ....
十月だというのに夏のなごりの暑さは
公園に夕暮れが訪れても続いていた
娘とふたり
野外フェスティバルに来ている
紙に書かれた手書きの進行プログラム通りに
何人かの歌手が次々と登場しては演奏し ....
ああ
タバコが美味い
もはや
この為に生きてた
もう
美味くてしょーがない
青春だ
希望だ
タバコがこんなに美味かったなんて
いや 知ってはいた
若い時を思い出した ....
キミはお店の外れくじに
ホッとしたと言った
いつもの日常に戻れると
当たりくじはそこで運を使ったから
差し引きゼロが待っているようでイヤだと
キミはボクに宝くじをくれた
このままじゃい ....
☆
四苦八苦の世の中だが
楽しいこともたくさんある
善いこともたくさんある
美しいこともたくさんある
せっかく命をいただいているんだから
もっともっと楽しもうじゃないか
☆
欲を出 ....
目に映るのは地面とつま先だけだが、
歩みのそれとは別に、
不規則に左右へと揺らされる。
そんな頭に浮かぶのは、根本原理を問う声だ。
なぜ地面がここにあって、
つま先はそこへ接地するんだ? ....
○「朝日」
冬の朝日ほど
有難いものはない
今朝は朝日がみられる
有難い!有難い!
生きる元気がわいてくる
今日は忙しいぞー
郵便局に年賀状印刷注文に行って
ガソリン入れて
市の広報 ....
雪の白い日
音のない足跡
市街地の中心に
常設された景色の中で
瞬きは行き場を
失っていく
人が人である
その隙間に
転がっている
肋骨の断片の表層に
季節外れの
浮腫み ....
渋い柿が甘くなるのが不思議だった
『お天道様には魔法があるんだよ』
おばあちゃんから言われたものだ
「太陽は魔法使い」なの
歯切れが悪くなるおばあちゃん
....
マクレディの{ルビ長老教会派=プレスピテイアリアン}の良心は、一旦めざめさせられると、彼を休ませてはおかなかった。
(J・G・バラード『沈んだ世界』3、峯岸 久訳)
ウェンデルの質問は、も ....
タイトルは「浅きタイトルは「浅き日のこと』阻止て「鷹のよう』をペンネームとして』をペンネームとして出版社に持ち込み自分をかけてみたい小説の原稿と今夜も向き合う『彼女は『またね!』と言ったはずだし、僕だ ....
大小様々な硝子に反射した朝日
何処からか集まってくる多種多様な人々
誰が何処に行くのか、
何をするのか、
その予測不可能性。
黙々とゲートをくぐり、列を作る。
そのまま同じ方向に進 ....
手と手をつなぎ
手と手をはなす
こころと
こころは
終わることで満たされる。ああ
永遠
の
命があるとしたらそれは
絶望です。
それぞれの終りがあるから
がんばることができるの ....
血の一滴もなき
木々が
風にゆられて
まるで人間のように語っている
消えた空をなでる葉先は
キーボードになって
「We are poets」
と打ち込んでいる
七輪の赤い炭火の上に
....
○「死について」
死は触れてはいけないものだろうか
そっとしておくものだろうか
ただ受け入れるものだろうか
○「詩人」
僕は
詩だけでなく
プロフィールも
関心がある
どんな人だ ....
新しく買ったカップには、
海が描かれてる。
これはイルカかな?
ーーああ、残念。シャチだった。
皆楽しそうに泳いでるね。
ーーそうでもないか。
食べたり、食べられたりするんだろ ....
雨が冷たくなってきたら
もう冬が近い
ついこの間までの
茹だるような暑さは
紺色のセーターに
取って代わられてしまった
少女の息が白い季節には
ずっと昔に
文房具屋できみに出会った ....
休日は早送り
眠りすぎたツケは
月曜日の朝やってくる
眠れなかった早朝に
家を出て駅へ向かう
すでに家の前を掃き掃除している人がいる
何も特別じゃなかった
これでいいんだ
平日 ....
私はこの会社の創業者
かつ社長であった が
本日付でAI社長より
解任を伝えられた
もう、人間という生身の社長は
不要とのこと
私が人間最後の社長であったが、
....
○「仮面のやさしさ」
やさしさにだまされてはいけない
狼が羊の声で誘ってくる
○「みんなで大家さん訴訟」
テレビで大々的にやっているからって
信用できるとはかぎらない
テレビ局の責任は ....
あの日 私は地球の上を電車で走っていたが
その翌日
私の足を守りながら
私と(この小さな街の)道を走っていた1速は
歌を忘れたカナリヤの冤罪とともに光を奪われて今
....
駅にゆく道すがら
子供がしゃがんで俯いている
俯いた背中が震えている泣いているのだとわかった
道ゆく人を見ていると
皆邪魔そうに避けていく
中には蹴飛ばす真似 ....
何だっけ?
もう溢れてしまった。
言葉も記憶も浮かび、そして消えていった。
留めておく為に?
それじゃ、まるで冬眠前のクマみたいじゃないか。
できるだけたくさん詰め込んで、
外に溢 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39