枯れ尾花
日々野いずる

永遠と思ったことが
後悔でしかない
春先の霞が澄み渡る風に飛ばされ
蒼然と光が落ちる
青さを一層増す丘陵地帯
あ、あの、あのね
ね、その

それ、 おきて

居ないものを見た
居ないものを見た
居なくなった
柳の下
知らないまま送った
灯りが揺れる
川は流れる
流れる水の流れる
手を伸ばして
落ちた
消えていく
燈火であった
飛んでいく篝火、の
残骸を拾い集める翌日は
閑散としている
選べ
選べ 夢と思うな
それだけを望む
有限が過ぎていく
あまりにも地続きで
あまりにも
接ぎ木が羨ましい
天才的な夢幻と傲慢が自裁につながる
天命的な予言と荘厳が余罪になる
生来的な性格の瓦解を以てして肖像を浄財とする
形骸化した
生が給餌され
足もない






自由詩 枯れ尾花 Copyright 日々野いずる 2023-10-13 21:06:56
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